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離職のお知らせから考える、嵐の中で立ち止まる強さ|タペストリー交換日記 019

けいさん

お返事ありがとう!ファミリーで引っ越しってそれだけでも大変だけど、しかも年末年始だったし、きっと盛りだくさんだったよね。そんな怒涛の生活の中でも交換日記続けてくれて、嬉しいぞっ!

自分のことを振り返って思うけど、とっても大変なときって言葉が全然出てこない。勢いで「ねぇこんなことがあってさ、困ってるのよー」は言えたとしても、その時自分が何を考えてるかを文字にするのは、すんごく難しい。書いてしまうと本当にそうなんだと客観視せざるを得ないし。見て見ないふりをしてなかったことにしてしまえるのなら、そうしたい時の方が正直多いし。

今、アメリカ西海岸はレイオフの嵐なのよ。去年の今ごろは人材不足で取り合い合戦になっていたことを考えると、天地が一気に逆転した感じ。先週はあの会社が何人、今週はこっちで何%。そっちの会社はどうしてる?が挨拶代わりになってる。I am here today. What about you? のメッセージから仕事が始まる金曜の朝。

例え自分の仕事に直接影響がなくても、パソコンの画面から、チャットの文字列から、スマホのニュースから、じりじりにじみ出て包み込まれる巨大な不安感。シアトルのどんよりした冬空みたい。

近所のスーパー。シアトルの冬は長くて暗い

大陸間の移動は最近めっきり減った私だけど、反比例的に増えたのが転職回数なのよね。ビザを申請したり荷物を詰めたり飛行機に乗ったりすることもなく、電話やメール1本で人生の景色が突然ぽっきり変わるわけだから、そんな時の心の切り替えは、、、どうにも難しい。

今までの生活とこれからの生活。電気のスイッチみたいに、一気にパチンと心が切り替えられるんだったら、良いよねぇ。

でも今LinkedInに連なる離職のメッセージを見ながら、そうじゃない、と感じてる。心を瞬息で切り替えて前進している(ように見える)人よりも、今は結論を出さないでおくよっていう人が、私の心には刺さるんだ。それはきっと、今嵐の中にいます、と等身大で言う姿に強さを感じるからなんだよね。

だから今日は嵐が吹き荒れるパソコンを一旦閉じて、チューリップの球根を植えかえるべく、土仕事をすることにしたの。爪の中まで泥だらけになった頃には、またパソコンを開く気になってた。こんな風に小休止をするのも悪くないのかも。

デッキブラシで飛べるようになったキキみたいに、嵐の中でしか見つからないスーパーパワーが、自分にもあるかもしれないもんね。それにはけいさんが言うとおり、得ているものにじっくり心を向けないといけないんだけども。

私の仕事場の一角、けいさんコーナー

自転車もそうだし、けいさんが前からやっているジャーナリングも、「見つける」にすごく良さそうだよね。他にもこれ良かったよ、みたいなおすすめがあったら教えてほしい。なかったふりして全速力で通り過ぎるんじゃなくて、嵐の中で立ち止まるコツ、さ。

けいさんが置いていったグリーンに囲まれて、お水をあげる音をぷちぷちさせながら、お返事待ってます。

ゆうこ

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