【インタビュー】「タレントを支える側も決して楽じゃない」TAPサポーター武智小百合さん⑥
芸能に特化したメンタルサポートサービスTAP(ティーエーピー)。
ついに武智さんのインタビュー記事の最終回となりました!
最後は、タレントのみなさんをサポートする立場にあるみなさまへ。
是非ご一読くださいね。
「結果が出ないのは自分のサポートが足りないんじゃないか」サポートする側にもサポートが必要
前回「サポートするタレントの方の変化にいかに気づけるか」といったお話をさせていただきましたが、マネージャーさんや身近に関わるスタッフの方々も変化に気づいて「こういう時どうしたらいいんだろう?」といったことを相談できる人がいたら良いなと感じます。
そんな風に「今担当しているタレントの様子が前と違って・・」といった相談もできるものですか?
武智:はい、そのような場合にもぜひいらしていただきたいです。ご本人だけでなく、支える側の方のご相談もお受けしています。担当しているタレントさんに対して、どう接したら良いかとか、どう声を掛けたら良いかといった、コンサルテーションとしての支援も行っています。
そのような担当しているタレントさんに関することはもちろんですし、一方で、支える側の方自身のメンタルヘルスも重要ですので、ご自身のことでもご相談いただければと思います。もちろん、私たちには守秘義務がありますのでお話の内容が外部に漏れることはありません。
実際に、たとえばスポーツの現場でも、アスリートを支えるまわりのスタッフのサポートの重要性は感じてきました。
不調が続いたりモチベーションが落ちたりしてしまっている選手に対しての接し方に戸惑っているケースもありましたし、「支える立場の自分がこんなんじゃダメだ」とか「結果が出ないのは自分のサポートが足りないんじゃないか」などといった声も少なくありませんでした。やはり、人を支える仕事に就く方って責任感がとても強い方や、相手に対してこれをやってあげたいという気持ちの強い方が多いように思うんですよね。それがゆえに「本当はもっと自分がこうしないといけないのに…」と自分を責めてしまったり。
支える側は決して楽な仕事じゃない
そうは言っても、支える側というのは本当に、決して楽な仕事ではないと思うんですね。
常に自分のことに加えてもう1人別な方の、大袈裟かもしれませんが、人生のことを考えないといけないんですよね。そう思うと、やることも多いし、気持ち的にも体力的にも負荷のかかる仕事だと思います。
そういう方こそ、人を支えるためには、まず自分自身の気持ちを安定させることが大切になってくると思います。ですので、ひとつはご自身のメンテナンスとして来ていただくのと、もうひとつは、はじめにお話ししたようなコンサルテーションの目的で来ていただくのと、他にもご要望がありましたらそれぞれのニーズにお応えしていきたいと思います。
TAPにおいてコンサルテーションはあまりイメージを持たれていないかもしれませんが、コミュニケーションのポイントや、相談を受ける際に話を聴くときの視点、タレントさんとの関係性構築についてなど、人を支える立場の方に役立ててもらえるポイントは多くありますので、積極的にご活用いただければと思います。
―それは助かりますね。
表舞台に立たれる方ってものすごいエネルギーをお持ちで、それは人前に立つ上で必要なことですが、その矛先を誤ってしまった時にはサポートしていても大変なこともあると思います。そういったときに自分自身を支えてもらえる相手がいるというのは大きいですよね。
武智:やはりそれは大きいですよね。
確かに、あのような場で活躍されている方や奮闘していらっしゃる方って、おっしゃる通りエネルギーが人一倍ないと、むしろやっていくのが難しいんだろうなとも思うので、その方を支えるというのは、それもまたエネルギーが必要なことですよね。
考えてみたら、私たち、自分自身の生活や人生のことだけだって結構手いっぱいですものね。
―たしかに、結構いっぱいいっぱいですよね。
仕事である以上、なんでも「いいよ」と言ってるわけにもいかなくて。特に今はどう伝えたらいいのかという迷いが大きいんじゃないでしょうか。どう接したり、どう声をかけたら良いのかなどアドバイスいただけるだけでもだいぶ気は楽になるんじゃないかなと思いますね。
武智:本当に、ぜひそういう場として役立てていただきたいですね。
対応が難しいと感じたときや行き詰まってしまったときには、お一人で抱え込まずに、まずは一度相談にいらしていただきたいと思います。
最後に芸能の世界で頑張るみなさまにメッセージなどあればお願いします。
武智:私自身、これまでエンターテイメントの力にエネルギーをもらっていろいろなチャレンジを乗り越えてきたことが多くありました。弱気になったり諦めそうになったりしたときや、大事な節目節目で、私も頑張ろう、と前に進む気持ちをもらったコンサートや舞台を思い出します。そういう経験をした人は私だけではないと思います。やはりエンターテイメントの持つ魅力やパワーってすごいですよね。
私自身がエンターテイメントの持つ魅力やパワーに背中を押してもらってここまで進んできた人間なので、今度は私が、と言ったらおこがましいかもしれませんが、その世界で外には出せない本音を抱えていたり、行き詰まったりしている方々の力になりたいと思っています。悩んでいる方の伴走者として、その方がまた前に進んでいけるよう、そしてさらに輝けるよう、お手伝いさせていただきます。
お困りの際にはぜひこの場を思い出していただけたらと思います。