見出し画像

無名のコーヒースタンド

2002年に発足したサードウェーブ以降、ここ日本でも目まぐるしくコーヒー文化が根付いたように思う。

そもそもの歴史を簡単に振り返ると…1996年、シアトル系コーヒーで有名なスターバックス 日本初出店。のセカンドウェーブ。(現在の日本店舗数は1553店舗。内ライセンス店舗は128店舗)

2011-12年頃から動き出し、2013年には大手コンビニであるセブンイレブンが某ドリンク会社との提携で豆を仕入れ淹れたてコーヒーの提供をスタート。(1983年頃よりセブンイレブンではコーヒーポットに入れて小分け販売を行っていた)

2015年、サードウェーブの発祥とされるブルーボトルコーヒーカンパニーが日本再上陸
私が思うにサードウェーブにあたるブルーボトルコーヒーが日本に出店を始めてから目まぐるしくコーヒースタンド(若しくはカフェ)が増えたように思う。

大阪、堀江に鎮座する無名のコーヒースタンド

私がこの頃、頻繁に通うコーヒー屋がある。(あまり教えたくない。けど言いたい店)
場所は大阪 堀江の"玉出の近く"にある。とまでしかお伝え出来ない。理由は見出しの通り、"名前が無い"からである。踏み込んだヒントを述べるならば
"34.6704621_135.4915567"の暗号のような数字だ。

画像1

メニューはコーヒーとカフェラテの2種類と至ってシンプル。(ホットかアイスの選択可)
オススメはミルク感が程よくて優しい味が特徴のカフェラテ。そして世の中に存在するカフェラテで一番好きな味である。

画像2


"無名のコーヒースタンド"(仮名)の店主は、大阪 堀江でチャリンコフリーク、ヘッズを支えていたお店"GIRA GIRA chariya"こと通称ギラチャ(現在は東京で予約制営業)で元々コーヒーを淹れていたそう
ギラチャの移転に伴い、今の場所にて店舗を構え今もなお世界中の感度の高い顧客や、ストリートカルチャー、アートカルチャーを牽引する人々に美味しいコーヒーを提供している。

美味しさの秘密

見出しでよくありがちな"○○の秘密"。
使ってみたかっただけで、実際のところ秘密など無い。
その人の持つ技術、即ち努力の賜物だ。
"無名のコーヒースタンド"の店主がコーヒー、ラテの淹れ方を学んだ師について聞いたところ
2008年アメリカ、シアトルで開催された"ラテアート ワールドチャンピオンシップ"に出場。同年、アジア人初のチャンピオンとなった澤田洋史さん(サワダ ヒロシ)だそう。
澤田さんについてリサーチを行ったところ



2008年:東京渋谷に"STREAMER COFFEE COMPANY"をプロデュース。

2011年:メルセデス・ベンツ コネクション"ダウンステアーズコーヒー"をプロデュース。

2015年:アメリカ、シカゴにSawada coffee1号店をオープン
HARIOと、世界初となる耐熱強化プラスチック製のラテアート専用ミルクピッチャーを開発。

2016年:日本初となるグローバルフラッグシップストア"ニューバランス原宿"内のカフェ"Nothing Better"をプロデュース

2018年:アメリカ、シカゴに抹茶とほうじ茶をメインにしたカフェ"sawada matcha"をオープン。

2019年:米国ニューヨークに"sawada coffee NYC"をオープン。

など、それまでの既成概念に囚われず幅広く活躍されている。

"無名のコーヒースタンド"でも澤田さんがブレンドするコーヒー豆を使用。ブラックで飲めば深みのある香りと力強い味わい。ミルクと合わせると、キャラメルのような風味豊かな甘みが特徴である。

画像5

店内の雰囲気


今回ご紹介している"無名のコーヒースタンド"
行った際には美味しいコーヒー、ラテを味わうだけで無く、店内のレイアウトやスツールにも注目してほしい。

カウンター奥に見える扉の擦りガラスの向こう側から薄っすらと映るAndy Warholの肖像。
某有名ECサイトのロゴをシルクスクリーンであしらった段ボールスツール(ここに面白いギミックあり)

大阪を拠点に活躍するアーティストbuggy氏によるDCコミックスの有名キャラの絵画

日本、アメリカの有名なキャラクターがプリントされたグラス(こちらは販売している)

某ブランドのキャラを思わせるステッカー(こちらも販売している)

ホットのカップにプリントされているロゴにもギミック有り

少し見つけづらいギミックだと床面に目をやると……え??
などなど店主との会話を嗜みながら美味しいコーヒーを頂き、店内のギミックを探してみる。なんて楽しみ方も一つだ

画像3

画像4

店内では不定期でアートイベントや展示販売なども行われており、その時その瞬間にしか出逢えない物や空気感を味わえるのも醍醐味。

コーヒー(特にカフェラテ)が美味しいのはもちろんだ。だが、それ以上の魅力がこのお店にはある。
簡単に言うなれば店主の魅力。即ち人を惹きつけるオーラ。そこから生まれるものの一つとして
初対面の人とも交流し易く、他愛のない話しをして談笑。はたまたお互いのパーソナルな情報を通して"何か新しいもの"が生まれるキッカケにだってなり得る"カジュアルな社交の場"だと思う。

大人になれば、身内(友人、恋人など)を介してじゃないとそれまで知らなかった人と知り合う機会は少なくなるように思う。(お酒の席ではたまにあるか)
SNSの発達により、世界中の見ず知らずの人とのコミニケーションは安易になった。だが、それに頼るだけではどうしても限定的な交流になってしまうように思う。(趣味趣向が先走るからね)


この記事を手掛けている5月現在では"Stay Home"が続いているので不要不急の外出は推奨しない。
だが、この記事を読んで少しでも興味が湧いたなら、大阪在住の方に限らずヒントを頼りに是非ともお店を探して行ってみてほしい。
ヒントを頼りに自身で探す。忘れていた幼少の頃にあったまだ見ぬ何かを知るワクワク感、その好奇心と言う一歩で行動を起こしたあなたもこのお店の雰囲気と店主の人柄の虜になるだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?