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20歳の夏休み全部使って日本一周してみた(28:博多〜防府)

第28日目

天神の快活クラブでは値段設定の関係で鍵付き個室にすると料金が跳ね上がりそうだったので、普通のブースのフラットに泊まっていたのですが、隣に入ってきた客のいびきがうるさすぎてなかなか夜寝付けず、今日の朝の記憶はほぼ飛んでいます。しかし、寝坊したのは確かに覚えています。5時44分の地下鉄で博多に向かう予定だったのですが、起きたのが5時54分でした。

急いで準備して駅に向かったのですが、地下鉄の天神駅と西鉄の天神駅が繋がってはいるのですが、場所が異なることに気付いて色々走る羽目になりました。博多からの鹿児島本線は快速に乗れたので遅れを取り戻せたのは不幸中の幸いです。小倉、下関と乗り継いで山陽本線の厚狭駅に到着しました。ここまでは車内でほぼ寝てたので一瞬で九州を抜け出してきた感じです。関門トンネルいつの間に通ったんでしょうか。

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厚狭から先、美祢線というのに乗り換えて、本日はのんびり秋吉洞を観光したいと思います。「また鍾乳洞かよ」ってなるかもしれませんが、山口の瀬戸内海側は行ったことのない観光地の方が少ないので、少し内陸に入って美祢に行こうと言うことです。ということで、厚狭駅を10時17分に出る美祢線長門市行きへ乗車します。次の駅の車内アナウンスはかかるのですが、周りの雑音でほとんどかき消されています。そのため美祢駅の到着が10時50分であることだけを確認して、うとうとしてました。

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目を開けて次の駅の表示を見ると次は「重安駅」と表示してあります。時計を見ると時間は10時52分。嫌な予感がして、路線図を見ると美祢駅を発車したばかりであることがわかりました。やらかしました。この旅初の寝過ごしです。今まで降りる駅に着いたら目が覚めるとかなんだとか言っといて、今回はしっかり寝過ごしましたね。全部天神の快活でけたたましいいびきをかいていたおじさんのせいです。

到着した重安駅はこんな感じです。「重安」と書いて「しげやす」と読みますが、如何にも中国にありそうな地名じゃないですか。重慶と長安を足して2で割った感じです。次の上り列車は1時間後の12時8分。1時間で次の列車が来てくれるのは、もはやありがたい領域です。僕は北海道の新夕張というところで、1日の4分の1を無駄にしたことありますから、1時間なんてすぐに潰せることができます。

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この重安駅はどうやら、歴史が相当古く、この地域でよく採れた石灰を運ぶ鉄道として戦前から開発が進み、今は美祢線として駅を残しているそうです。駅の切符回収箱に「長門鉄道」とかいてありましたから、確実に戦前から存在しているものでしょう。ホームも今は使われてないけれど、かつては確実に使われていたとわかる遺構が残っており、1時間潰すのには退屈しない駅で良かったです。

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しかし、美祢駅に戻ってからも寝過ごしたことの影響は及びます。寝過ごしてなければ乗れた美祢駅から秋吉洞まで走っている「あんもないと号」というバスなのですが、乗り遅れた11時台の一本後に走るバスが何故か14時で3時間の空白の時間が設けられているのです。それだけではありません。何故かその14時美祢発のバスは秋吉洞まで行かず、秋吉洞から1km手前の「秋吉」という交差点までしか行かない中途半端なバスなのです。バス会社側の都合なので全く勝手が分かりませんが、しょうがありません。

美祢という街は、よく化石が発見されるらしく化石を売りにしています。道の名前も「化石通り」だったり、バスの名前も「あんもないと号」だったりしています。道の至る所に発見された生き物のオブジェも置いてあり、化石館なる簡単な博物館もあるので相当力を入れて化石を売り込んでいます。

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14時までバス停の近くの日陰で休んで、あんもないと号に乗って秋吉洞の近くまで行って、そこから30分歩いて秋吉洞に到着です。辿り着くまでとても長かったと思います。

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秋吉洞、存在は小学生の頃から知っていましたが、全国いろんな鍾乳洞を巡ってきた身として大体洞窟内がどうなっているのかは想像がつきます。鍾乳洞の入り口まではお土産屋が商店街をなしており、1個1000円する大理石を並べるなどしていました。あとはこのような観光地あるあるのご当地ソフトクリームも販売されており、人を集めていました。萩や益田も近いことから、あの吉田松陰も何故か知りませんがポテトチップスにされて販売されていました。まさか吉田松陰も自分がポテトチップスにされるとは思っていなかったでしょう。

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洞窟内に入るまでに、洞窟から流れ出る水が流れている公園のような道を歩くのですが、洞窟内からは真夏とは思えない冷涼な風が吹いてきます。洞窟内に入ってみると、思っていた10倍くらい空間が広いです。もっと細い蟻の巣のような鍾乳洞を想像していたのですが、さすが日本最大級。コンサートのホール会場のような広さをしています。それだけではありません。鍾乳洞あるあるなのですが、ライトアップされているのは綺麗だけどずっと同じ色で飽きてしまう問題を秋吉洞は突破しています。

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毎秒点滅する違う色のライトにより、同じ場所の写真でも青くなったり、黄色くなったり、赤くなったりと歩いて見ていて全然飽きません。ちかちか色が変更するので、まるで何かのライブ会場にいるかのようですが、見応えはあります。

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秋吉洞の見所は鍾乳洞だけではありません。地表面に剥き出す石灰岩の様子を展望することができる秋吉台も名所の一つです。よく秋吉洞と秋吉台の違いについて聞かれることがあると思いますが、もし聞かれたらこの画像を見せてあげましょう。これは秋吉洞から秋吉台までを繋ぐエレベーター内のボタンなのですが、史上最もわかりやすく秋吉台と秋吉洞の位置関係を示しているといっても過言はないでしょう。

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秋吉台では白い石灰岩が剥き出しになったフィールドで小学校低学年くらいのちびっこたちが10人くらいで鬼ごっこをやっていました。たしかに体の大きさ的に岩にちょうど隠れるので、楽しそうでしたね。隠れたつもりになっていて、全く隠れてなかったけど。一通り眺めたら、またエレベーターで洞窟内に戻って最深部まで歩いて、また入り口の方に戻ってきました。洞窟内は滑りやすく、サンダルで行ったので何度も滑り転びそうになりました。

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これで日本三大鍾乳洞のうち、2つ目をクリアしました。岩手の龍泉洞、高知の龍河洞と合わせて三大鍾乳洞となっていますが、高知の龍河洞は行けるのでしょうか。一応公共交通機関のみで行けることにはなっているらしいので、もし都合が合えば訪れたいと思います。バスで美祢駅に戻ってきて、美祢から美祢線に乗り厚狭、厚狭から先は先日の豪雨で土砂流出があった関係で厚東まで代行バスが走っていまして、本日の最終目的地、防府駅に到着です。美祢駅のホームにいた猫がこの日1日の激動だった旅程に癒しを与えてくれました。目線が合うや否や僕に近づいてきて、背中や尻尾を体に擦り付けてきて馴れ馴れしかったです。

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明日は元々の予定では尾道から今治までしまなみ海道を自転車で渡る予定でしたが、先日僕が鹿児島にいる頃、広島県に緊急事態宣言が発出されてレンタサイクルサービスが全面凍結されましたので、別の方法で松山まで渡りたいと考えています。とりあえず28日目はとにかく眠かった1日でした。

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