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20歳の夏休み全部使って日本一周してみた(38:河口湖〜富士山八合目)

第38日目

大学の友達が東京から五合目まで来るのに合わせて、僕も河口湖駅から五合目へ向かうバスに乗り込みます。実は富士登山は2回目で、1回目は中3のときにおばあちゃんと2泊3日で登りました。今回は、前回と同様富士吉田ルートで登ります。日本一周中に富士登山に挑むとなると、いろいろ不安が多いので一番見慣れたルートかつ一番楽だと言われるルートを選びました。

というか今まで日本一周中に富士山に登った人はどのくらいいるのでしょう?もしいたら教えてください、おそらく思考回路が同じなので話が噛み合うと思います。

そんなこんなで河口湖駅前のバスロータリに来たわけですが、9時40分に出発するスバルライン五合目行きのバスに乗ればいいことになっています。この時間帯、駅前には絶えず五合目行きのバスが大量に流れ込んでは出発していきます。東京・新宿から走ってきた高速バスたちやいろんな方面からやってきた富士急バスが次から次へとやってきて、バス停に待っている乗客も「自分たちが乗るバスはこれか?いやあれか、おや、あれもいってしまった、いやあれか?」と振り回されております。やってくる五合目行きの観光バスはスカスカなのに、いかにも登山客の様相をした人たちが大量に並んでいるバス停を悉く通過していくという、少し奇妙な光景でした。

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やっと僕達が乗るバス停に止まったのは、路線バスサイズの電気バスでした。しかもバスの中は立ち客が出るほどの混雑具合。登山の荷物と合わさって、バス車内は大変な混雑となりましたが、そんな状態で樹海のような森林を駆け抜けてスバルライン五合目を目指します。途中三合目あたりまでは、信じられないほど天気が悪く、濃霧で30m先も見えないような感じだったのですが、五合目に着く直前から、急に雲が取り除かれ、青空が広がり、なんと富士山の山頂が見ることができるほどです。これは結構レアなことだと聞いたことがあります。

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五合目の雲上閣という施設でごみを捨てようかと思ったのですが、富士山にはごみ箱が設置されていないことを思い出しました。5年前と違って、今はこの山は世界遺産に登録されています。確かに前回登った時にはよく目にした「富士山を世界遺産に!」といったポスターは見なくなりました。また、富士山では1mlが1円します。つまり500mlのペットボトルが500円します。だいたい富士山の物価は下界の約3倍であることを覚えておきましょう。五合目の標高は雲の上ですから、気温もすでに10℃は下回っており、山頂の気温は氷点下一歩手前みたいな気温です。「冬かよ!」って書いてありますね。

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500円でかけそばを食べたら出発です。スバルラインの五合目には大量の馬が飼われております。人を乗せるための馬だと思いますが、どこまで運んでくれるかは知りません。最初六合目までは平坦な道のりなので、そこまで苦ではありませんが、忘れてはいけないのは深呼吸です。富士山の空気が一缶何千円で販売されていることを知ると、深呼吸せずにはいられませんね。酸素もすでに薄いと思うので、鼻で吸って口で吐く深い呼吸を心がけます。

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六合目からは斜面を歩く道となります。永遠と同じような道が七合目までくねくねくねくね続くため、登山路で一番退屈な区間かもしれません。深呼吸に気をつけながら、出来るだけ歩幅を狭めてペースをゆっくりさせることにも気をつけます。ハイペースで行って休憩ばかりしていては、結局ゆっくり行くのと対して変わりませんし、体にかかる負担が多いですから、高さに慣れるためにもとにかくゆっくり登っていきます。それにしても天気がいいですね。

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七合目以降はついに、岩肌を這って登っていく、アスレチック的な登山道に様変わりします。先ほどまでのとぼとぼ歩く登山ではなく、両手両足を使って登るため、楽しいっちゃ楽しいです。次はどこに手を置こうか、この岩は大きいから気をつけようなど、常に上に行くために頭を使い続けなければいけない感じが、本格的に富士登山をしている感を高めてくれます。富士登山のシーズンは9月の10日で終わってしまうため、今登っている登山客は割と駆け込みです。しかし、外国人も多く、異国の地まで来てその国の一番高い山に登ろうとする根気は目を見張るものがあると思いました。

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前回登った時は中学生でしたので、八合目までの道のりは長く険しかった印象なのですが、今回は本当に意外とあっさり八合目の本日の宿、太子館というところに到着してしまいました。太子館は八合目の下から2番目くらいの宿なので、割とすぐ着くらしいのですが、こんなに早く着くものかと自分でもびっくりしています。12時前に五合目を出て、目安が4時間と言われていたのに15時前にたどり着いてしまいました。本当にあっという間です。自分の寝床を案内されてから少しすると、夕食の準備が整います。これが五合目で食べる夕食です。

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量は少ないように見えますが、味は下界で食べるのと大差なく、調理環境が厳しいにせよ、よくできたご飯だと思います。というかこの宿は一度利用したことがあるので、どんなものが出るか知っていました。食べている最中に明日の朝ごはん用のパンと水、非常食のような五目ご飯が渡されます。トイレは宿の外にあり、協力金は1回200円です。周りの登山客も早めにチェックインし19時までには寝始めていました。おそらくみんな揃って深夜の1時には宿を出て、山頂での日の出を見に行くのでしょう。僕たちも同じように寝袋に入りましたが、軽い高山病のせいか頭痛が長引き結局4時間も寝られなかった気がします。

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そんなこんなで、登山1日目は終了です。前回はここで日の出を見てから出発する緩い計画だったので、暗闇の中登ることは多少不安がありますが、友達が持ってきてくれたライトも無事スイッチが入りましたし、防寒もして明日に備えましょう。明日はこの日本一周旅行の最終日でもあります。この時は長かった旅の最後を無事に迎えられるか不安に満ちていた覚えがあります。とにかく、慣れない寝袋に苦戦して全く寝付けずにただ目を閉じて時間が過ぎるのを待っていた夜でした。次は次の日の深夜1時からのことを書き始めます。

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