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「忘年忘形の交り」 (あなたを育てる名言)

学問の前には、年齢の差も、役職の差、いわゆる富貴貧賤は無いのです。

私の主催する東洋思想の勉強会は、小学生もいれば、80才の老人もいる。
会社の社長もいれば、アルバイトの店員の人もいる。
東大卒の人もいれば中卒の人もいる。
実に多彩で、そこに何ともいわれぬ面白さがあります。

こうしたものこそが「忘年忘形の交り」なのです。
忘年は、忘年会ぐらいしか、いま使われていませんが、本来は学問の前に年齢差なしが本義です。
忘形の形は、社会的な地位を表わしています。
そうしたことも学問の前には一切無しです。

江戸時代はこの精神が見事に活かされていて、家老職と下級武士などは、接点が永久にない世の中でしたが、学問の前は、堂々と自分の意見を申し述べてよし、とされていました。

考えてみれば、これこそが民主主義であり、万人平等の精神であります。
したがって「学ぶ」ことこそが、自己を主張する唯一の道でした。
したがって学ぶといえば、もの事の本義を学ぶことで、いまの様な「もの識り」はむしろ学びの筋道が違うことを表明するようなもので、恥ずかしいことでした。


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