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お墓参り

今から8年前の夏、父は天に旅立った。
8年経った今、薄情な娘である私は父の命日を忘れ去っていた。

しかし、それをいやがおうにも思い出させる出来事が最近起こっていた。

数日前のこと、夢の中の記憶なのか現実なのかうろ覚えなのだが、呼吸が苦しくて息が出来ず数秒間という短い時間かもしれないが、ひどく苦しむという恐ろしい体験をした。
これは死をとても身近に感じた。

その記憶も忘れつつあった昨夜のこと。

いつものように寝付きの悪い私がようやく眠りに入ろうかという瞬間。
「うっ!苦しい。」
息を吐いたあと、息が吸えない?
眠った私の体は息を吸うのを忘れてしまったのか?
それとも息を吐いた後、吸うのをやめてしまったのか?
どちらか、よく覚えていないが、とにかく苦しくって、ばっと目が覚めた。
目が覚める瞬間ある映像が目の前に映し出された。

自分なのか何なのかよくわからないが、なんとなく自分に似た者たちが整然と上下左右に100体くらい並んでいるという映像。

なんだったんだ!今のは!

その後、眠るのは怖いし、呼吸も吸って吐いてをずっと意識していないとなんだか苦しさを感じしてしまう。
両手のひらは冷や汗。
必死に水を飲んだりしながら落ち着かなくては・・・とひとり恐怖と闘っていた。

様々な感情や記憶が次から次から浮かんでは、消える。
その度にホオポノポノの記憶のクリーニングを繰り返した。

そうして、ふと思い出した。
父の命日はいつだったか?そういえば夏の暑い盛りだったな。
あ!もしかして今日なのか?

2015年の夏に姉とのLINEのやりとりにその記録は残っていた。
それは8年前の今日だった。

父は胸膜の癌で発症から1年足らずでこの世を去った。
最後は呼吸がなんとも辛そうだった。

死の恐怖を身近に感じたこの出来事は、逆に生かされている。ということを強く感じさせてくれた。

儚く尊い命を無駄にすることなく、明日やれることはないのだ、今やるんだ。という気持ちを思い起こさせてくれた。

そうしたら、いつのまにか恐怖心は消えて朝方には、いつのまにか眠ってしまったようだ。

翌朝、夫に昨夜のことを話したところ、すぐにお墓参りに行こう!と車で連れていってくれた。


お父さん、ごめんなさい。ありがとう。と心の中でつぶやき手を合わせた。





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