オセロ・コールドゲーム
子供たちが小さかった頃の思い出。
当時ブログに書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。
※ユースケ6才(小学1年生)のころのお話
=2008.01.23の記事=
「オセロ・コールドゲーム」
子ども相手に手加減するかどうか、親にとっては悩ましい問題ではないでしょうか。ちなみに私は基本的に手を抜きません。
わざと勝たせてあげてもいいけど、そうすると自分は強いのだと勘違いしてしまいます。事実そうやって勘違いしたまま友達と対戦して、ユースケがコテンパンにやられてしまうのを目の当たりにすることがあり、私は考えを改めました。
今の自分の力をきちんと把握すること、これが大切なのだと思います。勝ったり負けたりするのは当然のこと。負けるのはくやしいけど、自分の力を知っていれば、なぜ負けたか納得できるはずです。それでこそ次につながるのだと思います。
◇
さて、そんなわけでオセロです。ユースケと対戦するときはいつも四隅のうち二つをハンデとして与えてからスタートします。それぐらいがちょうどいいのです。
ある日のこと、ゲームで練習して強くなったからハンデはいらないよとユースケが言いました。それなら、と対等の条件でオセロをしました。それがなんと!けっこういい線いってたのです。ほぅ強くなったようだなと、内心感心してしまいました。ユースケは得意気です。そんなことがあったので、私も油断してました。それが…
それがあんな悲劇を起こすことになろうとは!
◇
あの日のことは忘れもしません。オセロの盤面が黒だけになってしまったのです。私の完勝。ユースケは泣き、私はボーゼンとなりました。
こんなことってあるの?
ハンデなしで始めたオセロ。ほどなく四隅のひとつを取った私はそこから手堅く地盤を固めていきました。そしてまたひとつ四隅が取れ、じわじわと黒が広がっていきます。その中にユースケが入り込む余地はありません。終盤、異変に気がつきました。でも気がついた時にはもう遅かったんです。
ユースケの打つ手がない!
あれ?あれあれ?ユースケが打てないので仕方なく自分の石を置く私。次もユースケは打てないから私。そのまた次も。
あれ? 全部黒になっちゃった。
マス目の全部が埋まったわけではありません。お互いに石は二つか三つ残っていたはずです。でももう打てないんです。全部黒になっちゃったから。
ユースケはポロポロ泣いてしまいました。私もあわてました。自分のしでかしたことに言葉をなくしてしまいました。黒一色の盤面はそれほどインパクトがあったのです。トラウマになってはマズイ!!
必死でユースケを慰める私。こんなこともあるよとかなんとか。何を言ったかよく覚えていません。ごめんねユースケ。本当に反省してます。ハイ。
◇
その一週間後、またユースケとオセロをしました。ユースケからしようと言ってきたのでホッとしました。今度はまたハンデありにしました。そして私の指導付きです。
ハンデを与えてるから手加減しないで済みます。ユースケが良くない手を打とうとしたら、教えて指導してあげてます。結果、私はかなり苦戦を強いられるのですが、それでも全力でできるので嬉しいです。ユースケも少しずつ力をつけているようです。また楽しいオセロができるようになりました。
行き過ぎはよくないと思う。でも甘やかさない。その間を行ったり来たりするような毎日です。
ユースケへ。
いつか対等に向き合える日を父は楽しみに待ってるよ。
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