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久々のランニング少年

2021/03/03

先週の月曜、(2/22)に背中を痛めてしまい、まだ治らない、というか、どんどん悪化している感じで、全身が気持ち悪い。
左の背筋が肉離れかなんかを起こしていて、そこが痛むだけではなく、そこから脳や心臓にまで神経が痛めつけられている感じ。少し動いただけで息が切れたり、呼吸が苦しくなったりする。足裏マッサージで内蔵の働きがよくなったりするというけれど、それと同じで、神経は全身を結んでいるので、今回痛めた背中の部分を起点にして、あらゆる臓器がおかしくなっているのかなあ。鬱も募り、最悪の状態。

そんな中、少しでも身体を動かさなければ、と、涼風号MarkIIで出かけると、ものすごく久しぶりにランニング少年と遭遇。
学校帰りだったらしく、体操着に自転車。遠目ではよく分からなかったので、一旦はそのまま別の道を進んだが、向こうがこっちを気にしているような様子がちょっと見えたので、やっぱりランニング少年なのかな? と思い、しばらくして戻ってきたら、なんか、わざわざ待ち構えているかのように、それとなく道を走っていた。
近づくとすごく嬉しそうな笑顔でこっちを見ながら寄ってきた。
日記を検索したら、最後に会ったのは昨年の5月だったようだ
どうやら、10か月近く会わなかったわけだが、あたしが避けられていたというわけではないようだ。

あたし「おお、ものすげ~久しぶりだな。少しは背は伸びたか?」
ランニング少年「いえ、全然です」
と笑顔で答える。その顔はニキビがいっぱいで、前よりもちょっとふっくらした。背もほんの少しは伸びた感じだ。
「陸上はまだやってるのか?」
「はい。今は400mやってます」
「400か。いつから転向したの?」
「去年の10月からです」
「で、今はどのくらいなの? 記録」
「400は、58秒……です」
「そっか。日本記録まではあと13秒ちょっとか。400のほうが面白いんじゃないか。100より向いてるかもよ」
「はい。栃木県の強化指定選手に選ばれました」
「おお~! ちなみに400mの日本記録保持者は誰か知ってる?」
「……ジュリアンですか?」
「そんな新しい話じゃない」
「あ、為末……」
「為末はハードルだろ。もっとずっと古い選手よ」
……と言いつつ、あたしも惚けていて、高野進の名前がなかなか出てこない。

400m日本歴代TOP5
1 44秒78 高野進 東海大学TC 1991年6月16日
2 45秒03 山村貴彦 日本大学 2000年9月9日
3 45秒05 小坂田淳 大阪ガス 2000年9月9日
4 45秒13 ウォルシュ・ジュリアン 富士通 2019年10月3日
5 45秒16 金丸祐三 法政大学 2009年5月9日

ようやく上だけ思い出して……、
「高野だよ。日本人で44秒台出したのは未だに高野だけなんだよな。俺は国立競技場で高野が自分よりでかい外国人選手を次々に抜いて優勝したレースを生で見たことあるよ」
……なんて会話をした後で、いちばん気になっていたことを訊いてみた。
「ところで試験はどうだった?」
「いい感じでした」
「英語、今でもちゃんとやってるか?」
「はい。英検3級受かりました」
「そっか。あれをちゃんとやってれば高校入試は楽勝だから」
「ほんとですか?」
「ほんと、ほんと。まあ、単語とかは自分でちゃんと覚えなきゃダメよ。でもどうせ、高校入試は教科書に出てくる単語しか出ないだろ」
「はい」
「問題は高校に入ってからよ。中学で基本をいい加減なままなんとなく過ごしたやつは、高校に行ってから、急に長文読解とかにぶつかってどうにもならなくて討ち死にするのよ。だから、中学の間に基本の理屈をしっかりやっておかないとダメなの。あれは何度でも読み返さないとな。あれはその後、本にもしたんだよ」
「あ、見ました!」
「見ました、って、実物を?」
「いえ、実物は見てませんけど」
「ほしい?」
(ここでちょっと考えてから)
「ちょっと……ほしいです」
「そんじゃあ、あげるよ。あったかな。上巻は1冊あったような気がするけど、見てくるからちょっと待ってな」
……と言って、一旦家に戻って、1冊ずつ残っていた『ゴージュン式英語塾』上下巻を持って戻った。

「まあ、きみと会わなければできなかった本だからな……」
と言って渡す。

「ありがとうございます!」
と、ニコニコしながら受け取っていた。
いい子だな。
中2かあ……変なビョーキにならず、いい子のまま大きくなってほしいね。
それも、ただの「いい子」じゃなくて、根性も目的意識もしっかり持った強い子としてこのまま育ってほしいわ。

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こんなご時世ですが、残りの人生、やれる限り何か意味のあることを残したいと思って執筆・創作活動を続けています。応援していただければこの上ない喜びです。