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「やりたい仕事」はどこにある?

久しぶりの投稿になってしまいました。

最近、管理職予備軍の女性社員の面談をする機会が多く、いろいろ考えることがあるので書いてみようと思う。

管理職になりたがらない女性が多い・・とはよく聞くが、そういう人のなかにも優秀な人が結構いる。
いま面談中の女性たち、とてもとても優秀で、ちゃんとしている。
結婚も出産もちゃんと計算して、そのなかでどうやって仕事をこなしてステップアップしていくか、しっかり考えている。
ライフもワークもしっかりやりたいからこそ、その狭間で悩んでいるのだ。

私なんて、勢いで結婚して離婚もして、ライフはもういいやって仕事に全振りして、そのタイミングで時代の波にのって管理職になった。
そんな私が、彼女たちのメンターをしているのだから、ちょっと申し訳ないというか大丈夫かなという気持ちになる。
会社は私の事情なんて考慮してないし、引き受けるしかなかったのだが、こういうのも多様性を理解することの1つだと思って、自分への訓練のためにもやっている。

それはさておき。
優秀な女性の1人、もともと専門職で入社しており、現場の事業部門でキャリアを積んできた私から見れば喉から手がでるほど欲しい専門性をもっている人なのだが、彼女はそれが好きでない、わくわくしないらしく、
「やりたいことをしたい」「好きなことをしたい」
と事業部門への異動を模索しているのだ。

しかしよくよく話を聴いていくと、具体的に何がやりたいのか、どんな課題を解決したいのか、どんなスキルを磨きたいのか、といった具体論はなく、あくまでもイメージでしか考えられていなかった。
例えば、「アイディアを形にする仕事がしたい」といったようなレベルで。
それは今の仕事を少し工夫したり、上司に進言すれば、叶う願いであるようにも見えた。
まさに、隣の芝が青く見える症候群の人だと感じた。

私の本音としては、
『現場はそんなに甘くない。異動せず、その専門性を突き詰めたほうがよい。それは他社でも通用するポータブルスキルとなり、会社に縛られない生き方ができる。また、そのまま昇格して裁量をもてるようになれば、その「やりたいこと」「好きなこと」も自由にできるようになる』
なのだが、言えなかった。

今の仕事にもやもやしている彼女には、即効性のある行動が必要だと思ったからだ。
一番避けたいのは、結局行動を起こさず、もやもやしたまま時を過ごして後悔すること。仮に彼女が今の部署に留まって、結果的に専門性を高められてステップアップできたとしても、「あのとき異動していたら、もっと楽しい人生があったかも」なんて思ってほしくない。隣の芝が青く見えるタイプの人は、往々にしてこういう思考に陥りがちなのだ。

ということで、彼女は、そのイメージを明確するところからスタートすることにした。
色々な人の話をきいて、腹落ちしたら異動するかもしれないし、踏みとどまるかもしれない。
異動してみたら、良かったと思うかもしれないし、ああ失敗した、と思うかもしれない。
失敗したと思ったなら、また軌道修正すればいい。まだ若いのだし、戻っていけるだけの専門性も持っている。
どれもこれも、行動してみないことには分からない。
だから、私は本音のアドバイスを言えなかったし、言わないのが正解だと思った。

私は結構ないがしろにしてきてしまったのだけど、
「やりたいこと」「好きなこと」
っていうのは、やっぱり大切にしたほうがよいと思う。
仕事をしていくなかでは、やりたいことばかりではないし、やりたいことをするために必要な、煩わしい仕事もたくさんある。やらなきゃならないし、四の五の言わずにやれよっていう環境で仕事してきた。
でもそれであんまり幸せじゃなかったなぁ、お勧めできる働き方・生き方じゃないな、と彼女たちと対話していて感じた。
どんなに煩わしい仕事でも、少しでも好きな要素や大儀がないと、落ち込んだときにどん底まで落ちてしまう。人間関係ひとつで、仕事を辞めたくなってしまう。

だから、やりたいこと、好きなことを模索して悩む彼女たちが羨ましいと思いつつ、でもそれは隣の芝には無いかもよ?あなたの中にあるかもよ?なんて思ったりして。
それは「やりたいこと」、つまり仕事内容の問題なのか?仕事の進め方のスタイルの問題なのか?自分がありたい姿の問題なのか?周りの環境の問題なのか?
掘り下げてみよう。
それによって、取るべきアクションは、違ってくるはずだ。

自分の中に隠れている資質や好み、価値観は何か?子供の頃に好きだったこと、夢中になったことはなんだっけ?感動した経験、心奪われるニュース、関心のある社会的課題はある?
そういった自分の中の情熱のカケラを、仕事にフックさせられると良いよね。それでも仕事の中に見つけられなければ、その仕事も因数分解して、やり方や心持ち次第で、フックが引っかかるポイントを探してみよう。

さて、私もその作業をやってみよう。







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