KTV(フィリピンパブ)のお金の話
お店の中の事情は知らないので、期待して読むとガッカリします。ごめんなさい。
夜マニラの住まいから少し歩くと毎日飲み屋さん(カラオケTV、KTV)の客引きがたむろしています。
夜も自宅で仕事があるし、お金ももったいないし、そもそもカラオケが嫌いなので、ごめんねーと断っています。
客引きさん側も自分に声をかけてもなんにもメリットがないのがだんだんとわかってきて、次第に自分に客引きをしなくなりました(貧乏で可哀想な日本人と思われている)。
夜コンビニに行くついでに、毎日暇そうにしている客引きさんからKTVのことについて、こっちの興味本位でいろいろ教えてもらうことにしました。
フィリピンのKTVとはキャバクラとスナックを足したもの
KTVとはカラオケTV(Karaoke TV)のことを指します。
ベトナムのホーチミンやハノイにもKTVというのがあったような気がする。
時間制でお酒(ウイスキーや焼酎)が飲み放題で、そこにフィリピン人の女性キャストさんがついておしゃべりしたり、カラオケしたりするお店をここではKTVといいます。
このKTVはマニラの中ではマラテ・エルミタやマカティに多く、これらのエリアは、日本でいう新宿の歌舞伎町や、大阪のミナミみたいなところです。
マカティの方が高級で、マラテ・エルミタはどっちかいうと物騒なエリアです。
KTVの中でも日本人、韓国人、中国人が行くお店に分かれているようです。
韓国人がよく行くKTVだからといって、日本人お断りとはならないのですが、お店によって話すことのできる言語がちがうようで、日本人向きのKTVだったら英語と日本語が話せるみたいです。ジャパニーズのJでJTVという。
逆に韓国人がいくKTVはハングルを話すことができるキャストさんが多いらしい。
アジア系のお客さんだけなのかなと思っていたら、日本人や中国人以外にも、アメリカやヨーロッパのお客さんもそれなりにいるようです。彼らもカラオケ好きなのかな…。
一方で、日本にはフィリピンパブがありますが、内容は同じらしいです。
日本のフィリピンパブにも行ったことないのでわかりませんけど。
・日本のフィリピン人キャストがいる飲み屋さん=フィリピンパブ
・フィリピンのフィリピン人キャストがいる飲み屋さん=KTV
こんなふうに定義づけられるんだと思います。
日本のキャバクラにはカラオケがないことが多いので、KTVはキャバクラとカラオケのあるスナックの要素が合わさったものなのでしょう。
ちなみに最近こんな本を読みました。
フィリピンパブで働くお姉さんを大学院のテーマにして、自腹で名古屋のフィリピンパブに通っていたら、いつの間にかフィリピンパブのお姉さんに恋に落ちて結婚したという素敵なお話。社会学というより恋愛小説でしたが、2023年に映画化されたみたいです(リライト)。
こっちもフィリピンパブで知り合って結婚した家族のマンガ。日本人とフィリピンが結婚している人は多い。以前日本の病院で働いている時にフィリピン人と日本人の夫婦はたまに見かけました。
フィリピンの人たち明るくて元気なので、フィリピンのことを好きになる理由はよくわかる。
KTVのお値段はどうなっているのか?
KTVの客引きさんたちはたいていラミネートされた料金表を持ち歩いていて、見せてもらうとだいだい同じ料金体系です。(2022年現在)
セット料金:500〜1,000ペソ(90−120分くらい?)
キャスト指名:350〜400ペソ(1,000円くらい)
キャストドリンク:700〜800ペソ(2,000円くらい)
謎の税金・サービスチャージが20〜28%
これがデフォルトみたいです。
キャストドリンクの値段は色々あるかもしれない。
たぶんこの通りに明朗会計になっているのだと信じたい(しらんけど)。
合計すると、謎の税やサービスチャージ込みで一回行くと、2,000〜3000ペソくらいが相場で、計算すると5,000〜8,000円くらいだから、日本のそれよりはちょっとはリーズナブルなのでしょうが、それでもむちゃくちゃ安いというわけではない。
値段表を見せてもらって衝撃を受けたのが、コンビニやスーパーで一本40ペソくらいで売っているふつうのビールやドリンクがキャストドリンクとして、ここでは20倍に化けます。
ビール100円が2,000円くらいに。マニラのKTV恐るべし。
日々の売り上げやお店の賃貸料の相場はわかりませんが、ビールやドリンクの売上でずいぶん利益が取れそうです。KTV経営は儲かるのかもしれません。
また、フィリピンの喫煙事情は結構厳しいのですが、KTVではタバコは吸えるみたいです。
お給料事情はどうなっているの?
お給料についてもちょっと聞いてみました。KTVのお給料は基本現金払いで、フィリピンのお給料払いと同じように15日おきにもらえるそうです。
聞いた範囲ではKTVのキャストさんの基本給は500ペソ/日くらいで、そこにいろいろ加算がついてお給料になるそうです。
加算がないとしても月約15,000ペソ(4万円)くらいのお給料。
マニラ首都圏収入の中央値が月30,000ペソ弱なので、仕事はたいへんだと思うけど、20倍に化けるドリンクの粗利を推測するに、加算が付けばまずまずのお給料にはなりそうです。お給料は中央値超えはしそうですが、加算なければかなり辛そうです。
日本のフィリピンパブで働くフィリピン人キャストさんも、日本の業者やブローカーにいろいろピンハネされて実際に手元に残るお給料はたいして多くないと聞きます。
日本もだんだん貧乏になっていってるし、苦労して日本に渡航してもたいしてお給料もらえないのであれば、他の国に働く先が変わってしまいそうですね。
ちなみにKTVの客引きさんたちは成功すれば、お客さんが使った金額に合わせて後日キックバックがあるようです。客引き失敗した日はお給料なしです。見ているとフリーの客引きとお店専属の客引きさんがいるみたいで、専属の客引きはお店のTシャツやポロシャツ着ているのでわかりやすいです。
客引きさんによっては日本や韓国の連休や祝日(ゴールデンウィークなど)を把握している人もいました。
感染症と円安がもうすこし落ち着いてフィリピンを旅行しやすくなって、いっぱいお客さんが世界中からフィリピンに来てくれるといいですね。