見出し画像

禁欲は望ましい?

毎回くだらないことを書いているが、前回のポルノ中毒の話が意外とウケたみたい。
関心ある人は潜在的に多いんだろう。なかなか言えないけど。

今回はコンドームの話。
読んだのは「コンドームの歴史」すでに絶版になっている。450ページもある

コンドームそのものは薄いが、その歴史の本は厚い。

厚さ3cmあるから、ポリウレタンのコンドーム300枚分。

現在ラテックス(いわゆるゴム)やポリウレタンでできているコンドームの祖先はどんなものからできていたのかというところから始まる。人類はさまざなな方法でバースコントロールを考えてきたようだ。

エジプトのパピルス、ヒノキのオイル、ヤギの小腸や、敗れた兵士の筋肉まで…今考えたらどれもうまくいかなさそうなものだけれども、人々はいろいろ工夫してきたみたい。

個人的に気になるのは、精液がいわゆる「種」であることに人々はどうやって学習したのかしら。

梅毒の流行を経て、近代的なコンドームができたのは17世紀で、その時にはコーヒーハウスでコンドームが手に入ったらしい。

ラテックス製のコンドームは19世紀からでようやく近代的なコンドームが流通するようになった。ともあれHIVの拡大の時までにコンドームが発明されていたよかった。

HIVが問題になった時代は米国も欧州も積極的にHIV、性感染症対策としてのコンドーム使用のキャンペーンが行われていたようだ。その影響かティーンもコンドームについての正しい知識が少なからずある。

翻って、日本はまだまだ性感染症対策などの情報が子どもたちに伝わっていないのが問題だと思う。

この本はいかにコンドームの素材が改良されて、それがバースコントロールだけではなく、医学や感染症学の発展とともに感染症対策としても利用され、最後はどのように公衆衛生学に応用されたのかという歴史を知ることができた。もう絶版だけど、包括的でためになる一冊。

本とは別の話題。

YouTubeでたまたまこんな動画を見つけた。

しみけんいつの間に!? 

個人的にはどうやって手に入れたのかしら?と気になるところ。

しみけんさんは毎年12月1日の世界エイズデーでも大活躍なので、着け心地だけでなく、性感染症予防のことを真面目に伝えてくれたらうれしい。

メディアはいろいろ冷やかすけど、オリンピックとコンドームは真面目な話。

HIV対策としてのコンドーム提供は1988年のソウル大会から始まった。

公衆衛生で大切な感染症疫学の特徴的なことのひとつは、予防法は、科学的に証明されていること。すなわち病原体ごとの感染経路(空気感染、飛沫感染、接触感染)を断つこと。

これほど大事なことなのに、おもしろおかしくするだけで、あまり話にあがってこないのが日本のメディア(一部海外も)の悲しいところ。

オリンピックとHIV予防対策のお話はまた今度…。