見出し画像

「静かに退職する若者たち」(金間大介著)を読んで


1 概要

「先生、どうか皆の前でほめないで下さい: いい子症候群の若者たち」の作者の作品。前作が大学生、今回は新入社員に焦点。
変化の多様な時代に、多様な世代が働く職場で「世代間ギャップ」「コミュニケーション・ギャップ」をどう埋めるか?
そして、若者が何も言わずに辞めていく。若者たちはいったい何を考えているのか?
今どきの「職場の若者像」に迫り、「わかり合えない職場」を変える処方箋。

(〇本文ピックアップ、■私の考え)

2 テンプレート

〇今の学生は、対大人向けコミュニケーションの「テンプレート」を持っている
〇効率的に生きる上で有効なテンプレートを1つでも多く欲しがる
■テンプレートは大人への配慮かつ自己防衛とのこと、そのとおりだと思うし、広義の「ファスト・スキル」なんだと思う。
うまい先輩の言い回しを真似して、無難に返すことに慣れていると感じることがある。
レポート課題でも、あらかじめ「私は〇〇と考える。理由は以下の3つである。1…、2…、以上から、結論は…」と書いている学生がいる。
自分でテンプレートを作って、穴埋めする予定なんだろう。早く書けるだろうが、型にはまったレポートにしかならない。
Canva(キャンバ)が、若者に受け入れられているのも関係があると思っている。

3 フィードバック

〇必要なのは、評価やマネジメントではなく、適切なフィードバックだ
〇フィードバックを返すポイントは具体的に
■まさにそうだと思う。
「最近の学生は立派だよね、すごいよね」とほめちぎる社会人が多いが、具体性に欠けるため「ソフト老害」になっている。
(Note記事「若手社会人から学生への新型ソフト老害」参照)

4 いい子症候群の若者の特徴

〇下に落ちることに対する恐怖心は絶大で、平均に留まるための努力を惜しまない
■高校でも大学でも1年生の最初の順位が、卒業時点の順位と相関が高いのはこのためだろう
〇会社とは「自分を成長させる存在であるべき」と考えている
■結果的にそうなればいいならわかるが、自分が会社に貢献して、会社が社会に貢献できるかが先だろう
〇仕事にも会社にも「ファスト・スキル」の獲得機会を求める
■「ファスト・スキル」はすぐに役立つがすぐに役立たなくなる。変化や応用に対応して、自分で操縦できることが重要
〇大勢の前では褒められたくない
■大勢の前で叱らないのはプライドの問題と周囲との関係からだが、横目線を強く意識するから褒める際にもそれが顕著になったんだろう

5 上司・先輩世代へ向けた提案

〇「泥臭く前に進む姿」を見せよう
■おもしろそうなことなら「とりあえずやってみようで進める姿」も見せよう
その後で、目的との適合性をこじつけるくらい朝飯前だ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?