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「戦略」と「戦術」の違いは何か。

私は戦略と戦術の違いはなく、どちらも集団を運用するための明文化された「段取り(計画)」でしかないと考えます。

違いはレイヤー(階層)

よく言われるのが目的を中心とした戦略は方法論で、戦術は手段などと言われます。様々な言われ方がされますが、大変わかりづらいように感じます。
違いは一点、会議体の差であります。戦略、戦術はレイヤー(階層)の違いでしかないのです。同じ段取りだったとしても、ある場所では戦略、別の場所では戦術となります。
会議体での方針が戦略であり、下部組織体の報告が戦術と言えます。

例えば、役員会で、会議体を繁栄させるべく「メンバーの育成」「街への貢献」「活動広報」と、三本柱を計画したとします。それに沿って委員会を三つ編成し、割りてました。これが戦略(成功するための段取り)と呼ばれるものであります。編成されたユニット(委員会)は、与えられた役割をどう解決するかを役員会で報告する。これが役員会での戦術となります。

会議体を委員会に移した場合、目的(与えられた役割)をどう解決するか考え段取りすることになるわけであります。これは戦略(成功するための段取り)であります。そこで各副委員長に担当を決め仕事を割り振った場合、その権限を委任した具体的な解決方法が戦術となります。
副委員長の視点となれば、割り振られた仕事を解決する方法を考えます。戦略(成功するための段取り)となります。委員会メンバーや外注に委任した場合、その報告が戦術となります。

役員会では委員会の戦略は戦術として報告されます。このように戦略と戦術は同じものであり。無限にレイヤー(階層)がわかれていくだけなのであります。

戦略と戦術の役割

では、何故戦略と戦術の用語が分かれているのか。それは会議体が、計画や役割分担を共有(権限の言語化)し、各ユニットの進捗を確認しチェックするためであります。
役員会としては優れたユニット(委員会)を持ったならば、一任で良いように感じます。それは二点において間違いであります。一つは命令系統の維持、今一つは他ユニットの連携であります。

例えば会議体が戦略を放棄した場合

「メンバーの育成委員会」メンバー育成の為に修練として街の清掃を行います。
「街への貢献委員会」街に貢献するために清掃を行います。
「活動広報委員会」よりよい広報のために知名度を上げるべく街の清掃を行います。

このように戦術のチェックを放棄した場合、組織として連携が保てなくなります。しかしながら役員会が委員会に関与した場合、仕事量が増えすぎて、他がおろそかになり組織としての意味をなくします。またユニットは権限を失い現場の細やかな状況の対応力を失います。

逆に戦略(成功させる段取り)を無視しユニットが暴走をした場合、いかにユニットが優れていても、全体の段取りを崩すこととなります。故に戦略は大胆に、戦術は繊細にと言われる所以でもあります。

三国志で例えれば

もう一例として言えば、諸葛亮は弱小勢力だが3位に成り上がり、2位、3位と同盟を結び、1位と対決する天下三分の計という国家戦略を立てました。
その一つの戦術は2位の呉と同盟を結ぶでした。諸葛亮はその役割の中外交戦略として呉の重臣魯粛に渡りをつけ同盟を締結することにしました。
軍事戦略として周瑜の軍は火計を使い曹操を追い払いました。
全て戦略でありますし、国家戦略の視点から見れば軍事も外交も戦術となるわけであります。
軍隊で言えば、小隊の戦略は、中隊の戦術で、中隊の戦略は大隊の戦術と上位の階層ごとの思考方法でしかありません。

目的に沿った計画が戦略、進捗確認が戦術

会議体において、目的に沿って、課題解決するため、役割分担を決め、戦力を編成し権限を与える。これの計画(段取り)が戦略であり。各ユニットの課題の進捗チェック、維持管理が戦術であります。
つまり複雑で魔法的なものではなく基本であるべき、円滑な組織運営のために「情報を整理整頓する技術」こそ、戦略、戦術であると言えます。

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