博士課程の記録

博士課程に進む前、実は大まかな修了要件(論文を投稿する必要がある、公聴会がある、とか)しか把握していなかった。
進んでみて、「あ〜、実際はこうだったんだ〜」という思うことがいくつかあったので、修了に必要なことについて書いてみようと思う。

プロフィール
・現時点でD3(なんとかオーバードクターなしで修了できそう)
・学部から同じテーマを継続(バイオ系)
・修了要件:所定の単位数を取得、大学指定の雑誌に論文を1本以上投稿(査読がないとか、変な雑誌でなければ良さそう。雑誌のリストは教員が持っている。)

D1
講義による単位取得完了

D2
9月中旬 投稿論文執筆開始(学部〜D1までの実験結果を使用)
2月初旬 論文を雑誌に提出

D3
10月上旬 査読結果の連絡(Major revision)
10月上旬〜11月中旬 Revise
10月下旬〜11月初旬 博士論文執筆(第一稿は2週間ほどで書き上げました)
11月初旬 博士論文の予備審査に関する書類・博士論文の提出
11月下旬 博士論文予備審査 & 論文アクセプト
11月下旬〜1月初旬 博士論文の修正
12月初旬 論文 Publish
12月中旬 博士論文の本審査に関する書類の提出
1月初旬 博士論文提出(for 本審査)
1月中旬 公聴会
(2月 博士論文提出 予定)

以下、大事なこと ※審査の時期や方法は大学や専攻によります

① 論文を投稿する
私は論文を提出してから査読に回るまで、8ヶ月かかった。アクセプトまではおよそ10ヶ月。ニッチなテーマだと、査読者がつかない場合もあり、このように長引くこともあるので、論文は早めに(D1の終わりまでに)投稿した方がいい。
また、どれくらいのデータ量があると、どれくらいの雑誌が狙えるのかを判断できるように、論文は日頃からちゃんと読む。ただ論文の内容を抑えるだけでなく、論文構成のロジック等にも着目して読むといいと思う。

② 所定の期間中に予備審査を受ける
私の場合は11月23日が最終だった。申請や博論の準備があるので、10月中旬には予備審査を受けるかを決めなければならない。また、予備審査を受けさせてもらえるかは指導教員の判断による。私の場合、論文はRevise中だったが、「RejectされるようなReviseではない」と、指導教員が経験的に判断したため、受けさせてもらえた。書類的には、「査読中」で提出できた。
予備審査の2週間以上前に、副査に博士論文を提出しなければならなかったため、2週間程度で博士論文を形にした。

③ 本審査に進む
予備審査を通過したら、次は本審査。
私は本審査の書類提出時には論文がアクセプトされていたので、予備審査の時の書類を「アクセプト」に変え、提出した。
もしかすると、本審査が始まるまで(公聴会あたりまで)が最終の最終かもしれない。(その辺は教員に確認した方がいい。)
あと、本審査の書類提出を忘れないこと
私は(事務から連絡がなかったこともあり)提出期限をだいぶオーバーして提出した。マジで焦った。夜、眠れなかった。

④ 本審査を通る
私の場合は、予備審査がクローズドだったため、本審査は公聴会(オープン)だった。
予備審査がなく、公聴会+クローズドの審査(質疑応答つき)というパターンも聞いたことがある。
予備審査・本審査の開催スタイルは、専攻によってまちまちらしいので、教員に要確認。
どちらにせよ、質疑応答をきちんとこなせば問題ない。
(私はちゃんとこなせたか、ぶっちゃけ微妙です…わからん…)

私の例は本当にギリギリを極めた例なので、余裕をもって臨んでほしい。
博士論文のクオリティにも影響する。私は、もうちょっと時間があればもっともいいものを書けたなぁ、と思う。
おすすめは、論文がアクセプトされた時点で博士論文の一章分を書いてしまう。
(基本的に、投稿した論文が一章分となるようです)

バイオ系で製薬企業に行く場合は、博士課程の早期選考を利用するのがいい。時期はD2の夏頃から。
つまり、D2の夏には論文がアクセプトされ、修了が有望である状態が望ましい
つまり、D1の冬に論文を提出するのが理想なので、D1の夏には論文を書き始める
D2冬〜D3春の就活を経験したが、最初の面接等は研究に詳しくない人事からなので、ちょっとやりにくさがあった。博士課程専用の早期選考であれば、研究に詳しい人も見てくれそう、というイメージがある。

就活まで考えたら、全然時間がない。
あと、これは感想だけど、修了できるかわからない(論文がどうなるかわからない)状態で就活をするのはめちゃくちゃキツい。論文に関することを強みとして話しづらい。やっぱり、修了を見据えた上で就活する方がずっと楽。

公聴会の感想も書いておく。
厳しいことを言われがち:データが少ない、実用化を目指した研究(実用化を目指すだけあって、詰められる部分が生じやすそう)
厳しいことを言われにくい:データがたくさんある、基礎研究(前例のない基礎研究は大変なのと、展望で研究内容を広げられる)

最終的に、私が感じたこととしては、データ量は正義
データを出すのに時間がかかるので、データがないのはどうしようもない。
逆に、データさえあれば、書き物・読み物は気合いでどうにかなる。
あと、データがたくさんあると、その大変さを考慮して、審査の先生が優しくなる。
そして、頑張ってデータを出した方の発表は、単純に、聞いていて面白い。
分野が全然違くて、話の10%くらいしかわからなくても、なんだか面白いというか、すげぇなぁと思う。結論がしっかりしているからかな。
※ あくまでバイオ系の話です。

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