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心に火を灯す
-mentoブランドアップデートに寄せて


これはなにか

2024年11月18日、管理職向けマネジメントコーチ「mento」はサービスブランドをアップデートし、ロゴを刷新するとともに、「この国の総労働熱量をあげる」をサービスビジョンに掲げました。

新たなロゴでは、心を示す「ハート」と熱量を示す「炎」をモチーフに、我々のキーメッセージである「心に火を灯す」を表現しています。

これを機に、自分自身がこのミッションに共鳴した経験や想いを、ロゴのモチーフである「心に火を灯す」をテーマにして書き留めたいと思います。

アップデート後のブランドキービジュアル

管理職の鎧


「丹下さんと話していると、自分に自信がなくなっていくのを感じる」

チームメンバーにそう言われた日の心のざわつきを、私は今も忘れられない。

自分は決して、そのような人間ではないと思っていた。

新卒だった頃、上司や先輩に厳しいフィードバックを受け苦々しい気持ちで帰るたび、自分が偉くなってチームを持ったら、絶対メンバーにこんな想いさせないのに、と何度も誓ってきた。

なぜあんな言い方をするのだろう。もっとモチベーションを引き出してほしい。
なぜあんなに細かく指示をするのだろう。自主性を大切にした方が成果が出るに決まっているではないか。
なぜもっとイケてるビジョンや戦略を出してくれないのだろう。
声を聴くだけで体温が上がるような、太陽のように力強いリーダーと一緒に働きたい。

「管理職」というものに対する私の期待は、いつも大きすぎるほどに大きかった。

そして管理職になった自分はいま、なりたくなかった上司になって、言われたくなかったことを言われてしまったのである。

もらった言葉はそれだけではなかった。

「期待をされているように感じない」
「成果に厳しくなって欲しい」
「もっとビジョンを発信してほしい」
「指示が一貫していない」
「寄り添って伴走してほしい」
「丹下さんに何を相談すればいいのかわからない」

私はとても混乱した。「管理職」というものになった途端、四方八方から、てんでバラバラのリクエストが自分に降り注いだからである。

多種多様な理想の管理職像を求められる度、「管理職」という役割をセメントで塗りつけられ、自分の表皮が固まり、身動きが取れなくなっていくような感覚を持った。

去っていく仲間もいた。自分が直接的な原因ではなかったが、人生を預かるつもりで採用した仲間が離れていくこともまた、身を剥がれるような想いだった。

しかし去っていく側は意外とあっさりしていることも多く、私も私を守るために、一定の割り切りをしたい、と思うようになった。

そんな日々を繰り返すうちに、自分の「管理職」という皮は、鎧のように固くなっていった。

役割と私


それでも頑張った。私が嫌われても、疎まれても、事業がうまくいけばそれで良い。
仕事は遊びじゃないし、同僚は友達じゃない。

数ヶ月もすれば、仕事はすっかり楽しくなくなっていた。

そんな日々をいくら重ねても、思うような成果は得られなかった。
得意でもないことを苦々しくやったって、大した結果はでないのである。

しかし、その半期の評価は思いのほか良かった。

「管理職としての役割を全うしようとしてくれている」
「次はもっとこういう観点で、組織をリードしていって欲しい」
いろんな人からそんなフィードバックをもらった。

もう限界だ、と思った。

期待と賞賛を込めて言ってくれているであろう言葉だったが、
なりたくない自分を褒められても嬉しくなかったし、いま以上を求められることに息が苦しくなった。

管理職になんてなるんじゃなかった。私はこんなことがしたくて働いているんじゃない。

自分にはやりたいことがあって、つくりたいチームがあった。
学生時代のあのころのように、ひとつの夢に向かってみんなで頑張りたかった。

そのための手段として肩書きを手に入れたはずなのに、いつしか自分が肩書きに絡め取られていた。

限界だった私は、そのときの葛藤をコーチにすべて話した。当時の自分は「弱音を吐いてはいけない」と強く感じていたので、気安く誰かに相談することはできず、すがるような思いでコーチを頼ったのである。

「事業や組織に対する、たんちゃんの力強い願いを感じます。」

コーチにそう言われたとき、ピンとこなかった。真逆だ、と思った。
私は他人の期待に応えようとしすぎて、自分の願いを見失っているように感じていたからだ。

「こんなにいろんなことがあったのに、まだ苦しいってことは、理想を諦めていないということですよ。自分の想いの強さを信じてあげたらどうですか。」

コーチのその言葉に、心底おどろき、うれしかった。
胸に少しの温かさを感じた。

それまで、「管理職」という皮をかぶり、私は私でなくなったような気がしていた。

でも、誰かの期待で身動きができなくなっても、
仲間が去っていく寂しさに身を剥がれる想いをしようと、
「会社なんてそんなもの」と笑われても、
諦めきれず、しつこく燃え続けた想いの「火」が、
自分のなかにあることに気づいた。

リーダーの情熱とは、ごうごうと燃え、人を集め、キャンプファイヤーのように派手なものだと思っていた。でも、それだけではなかった。

手元のちょっとしたマッチのような頼りなさかもしれないけど、「絶対に想いが消えないこと」が私の火の強さだった。

これから何があってもこの火が消えないことを確信すれば、私は強くなれた。

自分の「火」に気づいてから、不思議と役割を全うすることも怖くなくなった。

それまでは、周囲の期待にすべて答えないと不安だったし、役割として振る舞う時間が長いほど、自分が自分でなくなってしまう怖さがあった。

でも、何をしても、何を言っても、何を言われても、私の「火」は消えない。自分は自分なのである。

心に火を灯せ


mento事業を通じて、数千名以上の管理職を見てきた。
その全員が、変化する社会、組織の中で、事業やメンバーに必死に向き合っている人たちだった。

若かりし自分が仮想敵にしていたような、「わからずやで部下をバカにしている上司」なんて1人もいなかった。誰もが一生懸命なのである。

しかし、短期と長期、成果とエンゲージメント、個人と組織、あらゆる矛盾と葛藤のなかで最善策を探し続け、少し疲れてしまっている。

そんな彼らを見て、「管理職は罰ゲーム化した」などと囁かれ、管理職になりたがる人は3割を切っているという調査もあるらしい。

本当に、このままで良いのだろうか。

この国から良いリーダーが減ってしまうことは、私たちが想像するよりもずっと悲しい未来を呼ぶのではないか。

組織の屋台骨となる、管理職の情熱こそが、この国の素晴らしい未来をつくる希望の火ではないだろうか。

「人はそう簡単に変われない」「会社なんてそんなもの」「どうせ無理だ」

私たちが分厚く着込んでしまった、挑戦を諦めるための言い訳を、ひとつずつ手放していく必要がある。

葛藤に疲れ、小さくなったり、見えにくくなったりしているが、何かを変えたいと願う情熱の「火」は誰にも必ずある。
それを大切にする時間と、支援が足りないだけなのだ。

そして「火」は伝播する。一人の情熱が、やがて社会を動かすことを私たちは知っている。

管理職の心に「火」を灯せ。

それこそが、「この国の総労働熱量を上げる」をサービスミッションに持つ我々がいま最も伝えたいことである。

「mento」は、働く人と組織を夢中にするブランドです。管理職の葛藤を挑戦のエネルギーに変え、「この国の総労働熱量をあげる」ことをサービスビジョンに掲げています。 (プレスリリース

マネジメントコーチ「mento」

「mento(メント)」は、リーダーの本音を引き出して組織を変える、マネジメントコーチングサービスです。企業の皆様に高品質なコーチングをより手軽に使っていただけるプラットフォームをオンラインで展開しています。

採用のお知らせ

mentoでは、すべての職種で採用募集をしています。
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「mento Brand Story」特別冊子の創刊予定

今回のmentoサービスブランドを定義するにあたり、ブランドの想いを込めた冊子「mento Brand Story」を創刊する運びになりました。11月下旬に詳細告知予定です。

  • タイトル:mento Brand Story 〜はたらく人の心に火を灯す〜

  • 創刊日:2024年11月下旬

  • 形式:PDFでダウンロード / 先着50名に冊子プレゼント

  • コンテンツ紹介(一部):

    • 有識者対談:経営学者 宇田川元一先生とmento代表木村が「心に火を灯す」をテーマに対談

    • 管理職の心の葛藤あるある

    • 心に火が灯った人と組織、心を灯したコーチの紹介


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