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懐かしいルパン達に会えた気がして〜新作歌舞伎 流白浪燦星〜

 あっという間に今年もあと少し、みなさまいかがお過ごしですか?今年は我が子達のダブル受験からの高校生のお弁当作り、子どもの権利条約の学習会に読書会、地域の支援者の方達との学習会など、気がつけばゆるく生きるどころかフル稼働です。ブログもご無沙汰しておりました。
このところ美術系に進学した娘と、お勉強がてら美術館やらお芝居を観ることにしています。先日生協のチラシにルパン歌舞伎が出ていまして、「当たったら嬉しいな」くらいの気持ちでエントリーしたら、見事に当選、しかも最前列!ということで2人で楽しんできました。

 とはいえ、歌舞伎についてはそれほど基礎知識も観劇経験もないワタクシ。今までシネマ歌舞伎で見てきたのは新作が多かったので、作品についてはふんわりと受け入れたものの、よく考えたら不二子ちゃんのお衣装はどうなるのかしら?ルパンの「ふーじこちゃん」は聞けるのかしら?などと、日を追うごとに疑問が出てきます。youtubで予告編的な動画を見たらしっかり歌舞伎風味で「娘はついていけるのだろうか、、、」とやや不安になりながら席についたのでした。

 幕が開き、歌舞伎独特のセリフ回しにやや緊張しながらも、なんとかついていきました。ルパン、次元、不二子、そして銭形が出揃ったところで、五右衛門が「汝等、見知りか?」と問うのに、ルパン一味が、「見知りというより、腐れ縁さー」と答えるあたりで「キターっ!」となり、その後の立ち回り(もちろんルパン三世のテーマに乗って)からの「とっつぁん、アバよー」でルパンが空に消えていくのを見て「これだー、これがルパンだよー!」とすっかりノリノリに。

 愛之助さんのルパンはヤンチャで洒脱で、笑三郎さんの次元が超絶シブくてカッコよく、(次元派のワタクシとしてはタバコのシーンでキューン!至福)松也さんの五右衛門はカタくてしっとりと艶っぽくて(ラブ要素あったし。素敵)そして笑也さんの不二子ちゃんが!しっかり歌舞伎のお姫様ビジュなのですが、大人の小悪魔ですっごくキュートなのです。色っぽくて気まぐれでちょっとイジワル風味。でも可愛いのです。それから、中車さんの銭形が期待通りにハマりすぎててやっぱり素敵。第二幕はなんと!マモーが物語の総括と歌舞伎のお約束を解説してくれるのですよ。すごいサービス!さらに、筋書(パンフレット)を読むと、衣装のイメージも役者さんと相談しながら作り上げているんですね。笑三郎さんがマントの裏側をさらっと見せるような所作をされていて素敵だったのだけど、「黄緑がお好きだそうなのでマントの裏地を緑に」と書かれていて胸キュンに。笑也さんが不二子ちゃん用にメイクを今風に変えられていることもわかって涙。

 ルパン三世は、テレビシリーズも映画版もたくさんありますが、私の中ではテレビの第二シリーズくらいの「大人でオシャレで遊びのある、かっこいい作品」です。自分が登場人物の年齢をとっくに追い越してしまったこともあり、最近の作品は気持ち「子供っぽい」印象だったのです。「なんか違う、、、」みたいな。だけど、歌舞伎のルパンは「あの懐かしくカッコいいルパン達!」だったのです。特に次元が(笑)。時間がゆったりと流れる感じとか、お約束がきちんと踏まれていく感じとか、古典へのリスペクトがありつつキャラクターを使って遊んでいる感じとか。「知らなくても楽しいけど知っているともっと楽しい」感じがまさに歌舞伎!

 早くも再演を期待する声が多数上がっているようですが、配信でも観てしまうかも。みなさんよかったらご一緒に。

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