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2016年3月20日の日記

仕事を休んでからの3ヶ月、髪の毛を一度も切っていなかった。もみあげと襟足が爆発して清潔感の欠片もない頭で過ごす日々が続いていたのだが、復帰を目前にして散発へ行った。もうずいぶんと元町にある小さな床屋に通っている、店長が妙にシュールで面白いのだ。海街diaryについて「キャストが豪華すぎて是枝版アベンジャーズだ」、「リリーフランキーの女性キャストを見つめる目線から透ける下半身の現役感」など、くだらない意見をボソボソと言い合ってと二人でガハガハ笑った。遅い時間で僕が最後のお客さんだったのだろうか。カットだけなのに気がついたら2時間も経っていた。友達じゃないし同僚でもないけど、定期的に会っていろんな話をしてくれる、そんな彼のことが結構好きだ。髪型はオーダーなしでいつもお任せ。今回はデフォルメするところ、よつばとのジャンボみたいな感じになった。気に入っている。

帰り道なんだか幸せな気持ちになった。気持ちが軽くなって鼻歌を歌いながら帰った。何かのTV番組でYOUが「女の子が失恋したあとに髪を切る理由は毛先に想いが残るから」と発言していたのをふと思い出す。「そんなこたあねえだろ」とその時は思っていたのだが、事実、この瞬間、この3ヶ月間のウジウジした気持ちが髪と共に自分の身体から切り離された気がした。想いは毛先に残るのだ。

次の日、同期が僕の復職をお祝いしてウェルカムバック宅飲みを開催してくれた。ありがたい。久々に聞く仕事の話と久々に飲む酒で体が熱くなった。楽しかったけど帰って熱を測ると38度。見事に風邪でした。まだシャバの空気が身体に合わないらしい。そんなこんなで行く予定だった大学の友達の結婚&転勤おめでとう会に出席することができなくて悔しい想いをした。ちょっとだけビデオ通話で話させてもらえたのが救い。大学の友達の中では彼が結婚第一号。賢くて堅実で白熊みたいでみんなから愛されている彼は、かわいい彼女と結婚した後、中国への転勤が決まっている。会える回数は減るかもしれないけど、彼の活躍に目が離せないなあ、楽しみ。

今朝はもうすっかり体調もよくなって、外も春みたいに暖かいからコーヒーを買いに近くのミスドまで自転車で出かけた。帰り道、よくみると近くの河川敷には菜の花が咲いていた。

今まで街になかった黄色、新しい生活に進む友達、会社への復帰。少しずつだけどきちんと動き出している、春はもうそこまで来ている。

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