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ソウル旅行記(三日目)

タフな日が続いたからか、調子がよくなかった。なかなか起きれずに昼前まで寝てしまう、なんだか不安も強まってくる。せっかくの旅行中なのに悔しいな。気力を振り絞って外に出た。宿の外を散歩する、ソウルの街は東京に比べると道が舗装されていなくて、急なアップダウンや凸凹に異国情緒を感じる。高い場所にのぼると大きな山も目にはいる。東京ではこんなに近くに山を感じることがないので新鮮だ。歩きながら深呼吸をすると気分もいくぶんマシになった。お昼はThe book societyのインギョンさんがArt Archives of Seoul Museum of Artに連れていってくれた。ソウルミュージアムの別館で本のアーカイブを目的にした場所だそう。セレクトされた本を眺めると「選ぶ」ということに思いを馳せたくなった。ものを作る人たちと話すと、なかには批評家やDJなど、他の人が作ったものに派生して生まれる役割を軽視するひとがいる。そんなひとたちにこの施設を見せてあげたいな。キュレーターが文脈に沿うように世界中から集めた本。知識と思考を総動員して、どの文脈で何の物語を語るか、慎重に作られた創造的な棚。夜はzineの制作に協力してくれた6699pressというパブリッシャーのジェヨンさん、その友人のウヨンさんと会った。夜ごはんをお店で食べるのもいいけど、せっかくだから漢江で食べるのはどうかと提案してくれた。漢江はソウルに流れる大きな川で、川沿いでビールを片手にラーメンやチキンを食べるのがソウルの文化になっている。韓国映画やドラマで何度も見かけたシーンを体験できることに大興奮。ハンガンに到着すると日没間際で夕日が川に落ちていく途中だった。そこにいるひとたちが全員、やっていることを一時停止して夕日を眺めている。日が沈むまで20分くらいだっただろうか、もっとゆっくりに感じた。このあと帰るまで、ことあるごとにみんなで「いい日だったね」と言い合った。

いい日だった


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