《実践探究レポート》大好きな時計作りが、一歩ふみだす勇気に変わった 旅人(たびと)くんのストーリー
2021年4月よりスタートした新プロジェクト「実践探究」*。探究学舎三鷹校舎のオープンスペースは、親子とスタッフとの活動で活気に溢れ、子どもたちは各々の好きなことを心ゆくまで探究している。
今回ご紹介するのは、実践探究に通う旅人(たびと)くん(小4)。
工作が好きで、手先の器用さを活かして色々なものを作ることが得意です。
今回、実践探究メンターのわっきー(宮脇)は、旅人くんのプロジェクトである「時計作り」を通して、彼の"ある成長"を見ることができたと言います。
その成長とは、いったいどのようなことなのでしょうか?
*実践探究へのお問合せ先は記事の最後に記載しています。
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【機械式時計つくってみたい!】
探究学舎「偉人編」の授業に登場する、「時計職人・菊野昌宏」さん。
旅人くんは、いつか自分も機械式時計を作ってみたいという想いを抱いていました。
とはいえ初めから機械式時計を一から自分で作るのは、とてもハードルが高い。
なのでまずは、自分にいまできることからということで、”Ugears”という木製の「時計作り」キットを買い、「20分タイマー時計」を作り始めることにしました。
▼菊野昌宏さんについてはこちら
https://www.masahirokikuno.jp
▼Ugears公式HP
https://ugearsmodels.jp
【タイマー時計を作ってみる】
手先が器用な旅人くんは、一人で黙々と時計を作っていきました。
説明書は英語で書かれていて、内容がとても難しい。
にもかかわらず、彼は集中して理解をしようと試みていました。
とても細かいパーツも、持ち前の手先の器用さで
どんどん作り上げていく。
時間が経つ毎にパーツがだんだんと組み立てられていき、
みているこちらもワクワクしていました。
【とはいえ困ってしまうことも、、】
ある時、いつも黙々と作業をしている彼が少し困っているように見えたことがありました。僕のほうから声をかけてみると「このパーツが固くてはめれない」と彼は言ってくれました。
実は”Ugears”のキットは、きっちりとパーツを噛み合わせるようになっているため、はめるときにとても固いことがあるのです。
彼の困っている状況を知った僕はパーツをはめるお手伝いをし、「困ったら相談してね」と伝えました。
とはいっても、すぐには自分から相談することができない様子でした。
きっと緊張しているんだなと見守りながら、困っていそうな時は僕のほうから声をかけ続けました。
そんなことをしばらく続けていると、ある時旅人くんが「僕の周りをぐるぐる」するようになりました。
それに気づいた僕が声をかけてみると「〜に困っているから手伝ってほしい」と言ってくれました。
自分から勇気をもって相談しにきてくれたんです。これは僕も本当に嬉しかったです。彼なりに色々な壁を乗り越えて僕に相談しにきてくれたんだなと思いました。
そこから1ヶ月ほど経つと、ついに彼のほうから「これ困っているから手伝ってくれない」と、自ら僕に声をかけてくれるようになりました。
【好きを通して子どもたちは変わっていく】
旅人くんのお話はこの後も実は続きがあります。
自分が困った時に誰かに助けを求められるようになった彼は、
こんどは自分から困っているお友達を助けてくれるようになりました。
「手伝うよ〜!」と声をかけるわけではなく、さりげなく、お友達の作業を手伝ってあげる。そんな光景をたくさん見れるようになりました。彼なりの優しさですね。
好きなことにチャレンジすることを通して変化していく彼の姿がみれたことで、僕もこんな変化や学びが生まれるんだなと気づくことができました。
目には見えないところで、確実に、子どもたちってたくさん成長しているんですね。
ライター:わっきー(宮脇僚)
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子どもたちの「好き!」「やってみたい!」は千差万別です。
何が正解なのか、成功なのかは誰にもわかりません。
子どもたちとご家族とメンターが、関わりの中で一歩ずつステップを上り、積み上げ、作っていく。そのプロセスが豊かで、尊いものであるということこそ、わたしたちが「実践探究」を通して伝えていきたいことです。
実践探究は現在試行錯誤しながら、探究学舎三鷹教室にて運営しています。
ご入会を検討されている方、どんなプログラムなのか詳しく知りたいという方は、以下のメールまでお気軽にご連絡ください。
practice@tanqgakusha.jp(担当:宮脇)
※実践探究は2023年8月をもってサービスを終了いたしました。今までありがとうございました。
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(編集:藍以)