見出し画像

情報Ⅰ試作問題を分析!子どもたちに求められる本当の思考力とは?①

気持ちの良い気候が続きますね。
都内も紅葉がピークのようです。
通勤していた頃より、在宅ワークが中心になった今のほうが、紅葉を見る機会が多い気がします。
それだけ、余裕ができたということなのかもしれません。

一方、コロナ第8波のおさまりが見えず、受験生のいる家庭は早くも厳戒態勢になっているのではないでしょうか。
今日、とある中学校の説明会に出向いたのですが、コロナ陽性の場合は受験できません、という一文にやるせなさを感じました。
我が家も来年度は二人目の受験を控えているので、いまのうちにシミュレーションを重ねておこうと思います。

さて、前回の投稿では探プロを再開します!
と宣言しましたが、具体的に何をするの?という質問を頂いたのでお答えすると、当面は情報発信を中心に活動します。
もちろん依頼があればワークショップもやるのですが、いまあらためて、世の中に求められている教育ニーズとか、動向をふまえて、探プロとして発信できること、すべきことを考えてみたいと思っています。

まずはじめに手掛けるのは、先日発表された大学入学共通テスト情報Ⅰの試作問題と情報Ⅰの教科書を紐解きます。
それを単に紹介するだけではおもしろくないので、探プロ視点で以下のことを考えてみます。
・結局のところ、どういう思考力が求められているのか?
・そのために小学生のうちから家庭でできることは何か?

探プロの基本的な考え方としては、特に受験を意識しているものではないのですが、いま日本において大学受験を無視した勉強というのはなかなか現実的ではないですし、2025年という節目を控えて、子どもをもつ多くの保護者が気になるところではないかと思います。

というわけで、家庭での学びに少しでも役に立ててもらえるように、しばらく問題のと教科書の分析を続けてみます。
あわよくば、読者である大人の方にとっても、仕事に役立たせる知識が提供できらたら、とも思っています。

では、本題へ入ります。
先日、大学入試センターより令和7年(2025年)に実施される、新しい学習指導要領に沿った共通テストの試作問題が発表されました。
この年度というのが分かりづらいですが、入学年度を意識したものなんですね。
つまり令和7年度試験というのは、令和7年度に大学入学するための試験ということ。
これは令和7年1月に行われる共通テストのことなので、令和6年の4月に高3になる子どもたち+浪人生が受験することになります。

具体的にどのような試験内容で、これまでと何が変わるのか?についてはまだ検討途中なのですが、ほぼ固まってきています。

浪人生もいるので、経過措置として旧情報と情報Ⅰを選択できるようになっていますが、ここでは情報Ⅰに絞ってみていきます。

マークシート式で試験時間は60分、配点は100点です。
そして現時点で確認できる時間割をみると、2日目の最後に受験する科目となっています。
理科→数学→情報Ⅰ
という、受験生にとって最後の難関となりそうですね。

最初の受験生となるいまの高校1年生や、学校の先生、保護者にとって、なかなか緊張感があるのではないでしょうか。
というのも、この情報Ⅰという科目を採点に加えるかどうか、大学側で自由に判断することができるようになっているからです。

自由に決められるとはいえ、以下のようにあります。

Society5.0 社会に向けて、文系・理系を問わず数理・AI・データサイエ
ンスについての基礎的な知識や能力を備えた人材を育成することが、大学には求められている。また、『情報』を学んできた学生の初等中等教育からの学びを継続することも重要である。そのため、できる限り速やかに多くの公立大学の入学者選抜で、『情報』が採用されることを期待したい。

また2022年1月には、全国の国立大学で構成される国立大学協会が、国立大学の一次試験に情報Ⅰを原則必修とする見解を示しています。

それを受けて、東京大学が情報Ⅰを必修科目とすることを発表しました。
ところが先日、一部の大学がゼロ配点とすると発表したことがニュースになっていました。

この記事にあるコメントに私も同感です。
一見すると受験生の配慮のように見えて、長い目でみたときに、こういった抜け道で受験した子たちが不利にならないと良いな、と思います。
今後の動きに注目です。

試験の背景はここまでにして、いよいよ情報Ⅰという試験の中身について見てみます。
情報Ⅰは、以下のような構成になっています。

『令和7年度大学入学共通テスト試作問題「情報」の概要』より抜粋

このタイトルだとよく分からないので先日、情報Ⅰの教科書を取り寄せて実際に何を対象としているのか見てみました。
こちらが、情報Ⅰの教科書で最もシェアの高い実教出版のものです。

高校生のお子さんがいないご家庭で、きになる方は是非読んでみてください。Amazonでも買えます。

数年前に日本のプログラミング教育に興味をもち、そして悲観して探プロを立ち上げた私がもった率直な感想として、非常に素晴らしいと思いました。
(内容の詳細は実教出版のサイトにある目次をご覧ください)

いわゆるITリテラシーにつながる、情報社会に生きるために必要な知識(知的財産権など)や、ネット上でのコミュニケーションに必要な知識(デザインやプレゼンテーションなど)、コンピュータやネットワークの基礎、アルゴリズムなどプログラミングの基礎。
と、ここまではまぁ、想像のつく範囲なのですが、すごいのは教科書の目次でいう第5章『問題解決とその方法』の中身です。
問題解決のやり方、手段の一つであるデータの活用、モデル化、シミュレーション、と続きます。
IT業界やコンサルティング業界にいると馴染みのある内容ですが、一般的には大人でもなかなか難しいのではないかと思いました。

でも、重要。これは間違いなく重要。
学校でちゃんと学習して出来るようになったら、どんな仕事に就くことになったとしても、実務レベルで役に立つことは間違いありません。
ではどう役に立つのか?

具体的な学習の中身について触れる前に、また試作問題に戻って、実際にどのような問題が出されたのかを見てみたいと思います。

長くなってしまったので、続きは次回へ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?