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子どもたちにとって本当に必要なプログラミング学習とは

探プロ(探究型プログラミング学習)という名前で、新しいプログラミング学習のスタイルを模索し始めたのが2016年でした。

そこから3年の間、個人で主催したり、お声がけ頂いたりしてたくさんの子供たちにプログラミングの考え方を伝えるための活動をしてきました。

こうした活動は、2020年度から小学校の授業でプログラミング教育が始まる、といったニュースがきっかけに始めたものです。
ところが、2020年を迎える頃に世界はコロナウイルスによって激変してしまいました。
2020年3月には突然、学校が臨時休校となり、4月の入学式や始業式も開催されず、そのあともしばらくはオンライン授業の準備や子供たちのサポートが続き、今年度中に必要な単元をどうやってこなすのか、といった問題の方が大きくてプログラミング教育の話はいつの間にか話題として取り上げられなくなってしまったのです。

小学生向けのプログラミング教育というテーマに対して、個人的にはかなりの情熱をもって向き合ってきたつもりでしたが、コロナ禍を前にしては、日常を取り戻すことや、家族の健康を守るために必死すぎて、それどころではありませんでした。

そして今もなお、東京都を中心に緊急事態宣言が出されており、終わりの見えない毎日を過ごしています。
そうした中で、私たちは子どもたちの教育についてどう考えるべきなのでしょうか?

身の回りにあった大きな変化の1つに、私立中学校への受験を意識する家庭が増えたことです。
我が家の子供たちがお世話になっている塾へ行くと、どの部屋も子どもたちでいっぱい。聞くと、他の塾も同様だそうです。
これまで受験のための塾通いといえば3年生の2月だったのに、入塾のタイミングはどんどん前倒しされているとのことでした。
どうりで、子供たちであふれているわけでした・・

こうした動きは、コロナ禍での公立中学校の対応が、親たちを不安にさせたことが一因だと言われています。
気持ちはよく分かります。
2020年の3月に2年生だった我が家の長女は、最後の単元にあった図形の授業を受けることなく3年生へと進級しました。
それを目の当たりにしたとき、それによる影響がどれほどなのか分からなくて大いに不安を感じたものです。

学校の先生方は大丈夫、と仰ってくれましたが、その後の3年生の授業の中でどうカバーされていたのか、学校へ行く機会のないまま終えた昨年度は確認しようがありませんでした。

こんな状態がいつまで続くのか?学校での感染が拡大してまた休校になったら、再び同じことが繰り返されるのではないか?
このままでは我が子の学力が低下してしまうのでは?オンライン授業でサポートしてくれないような公立の学校に、このまま通わせ続けて大丈夫なのだろうか?

そうした不安の中に、我が子のプログラミング教育はどうすべきか?
というものがどれほどあるのか?
と考えてみると、そんなことを考える家庭は多くないだろうな、と思うのです。

そうした中、GIGAスクール構想の前倒しによって2021年度から全国の小学生に一人1台のパソコンが提供されました。
https://www.mext.go.jp/a_menu/other/index_00001.htm

我が家の小学生も、自分専用のパソコンをもらってご満悦です。
今はまだ試行運用中ですが、そのうちこのパソコンを使ってプログラミングの授業もすることになるのでしょう。学校の先生たちの苦労を考えると・・・本当に頭が下がります。

ちなみに、我が家の小学4年生は最近、パソコンを使って環境問題に関するレポート(!)を書いていました。
ほんの昨年までは、わら半紙に鉛筆で書いはずなのですが、子どもたちはあっという間に順応するものですね。
この調子なら、プログラミング教育が始まっても楽しんで取り組めるのだろうな、と微笑ましく感じます。

こんな感じで、私が探プロを作った2016年当時と今では、子どもたちを取り巻く環境が大きく変わってしまいました。
当時から1人1台の話は出ていたものの、あまりのペースの遅さに全く期待していなかったのですが、まさか5年後にはこんなことになるなんて。

学校教育の環境が少しずつ落ち着いて、プログラミング教育が本格化するのはこれからだと思いますが、それでも、内容は恐らく、当時から検討されていたものと大差ないだろうと予想しています。
むしろ、自由に扱えるパソコンが手に入ったことで、パソコンを使った学習の機会はもっともっと増えることでしょう。

そうであればなおさら、パソコンを使わずにプログラミングの考え方を学ぶ探プロの意義が増すのではないか?
と私は考えています。

保護者の方々を取り巻く環境も大きく変わったことでしょう。
リモートワークができるようになって快適になった人もいれば、仕事が激減して食べていくのに必死になってしまった人もいます。
そうした中で、子どもたちや、その家族の未来のために私ができることは何か?と考えてみると、それはやはり、どんな時代になっても通用する"考え方"を伝えることだと思いました。

そして、家族で過ごす時間が増えたのならより一層、家庭で過ごす中でそうした学びができると理想的だと考えます。

今後は、これまでに提供してきたワークショップを振り返りながら、家庭の中で楽しみながら、親子で一緒に学べるプログラミング学習のやり方をご紹介します。

お楽しみに!


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