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電リク 2.0 @PLANETS CLUB

子どもの頃、ラジオが好きだった。
子ども部屋にテレビがなかったから。それもひとつの理由ではあるのだが、それよりも『ラジオ』というメディアそれ自体が持つリスナーとの距離の近さが心地よかったからだと思う。

特にお気に入りだったのが、いわゆる『電リク』もの。若い読者の方はご存知ないと思うが『電話リクエスト』の略で、我々リスナーが電話でリクエストした曲が、運と実力(その曲を選曲した理由になるエピソードとか)があればリアルタイムで放送の電波に乗るという誠に優れたシステムだ。
しかも、リクエストしたリスナーの名前込みで曲は流れるので、リクエストが通った翌日の学校ではちょっとしたヒーロー扱いされて、かなりいい気分になれるのだった。

もちろん今でもラジオのリクエスト番組は当たり前に存在しているんだろうが、私が少年時代を過ごした1980年代はまだいわゆる歌謡曲の力が強くて、ラジオでもベストテン的なランキング番組がたくさん放送されていた。
自分が好きな曲をひとつでも上位にランクインさせたくて、回線が混雑していてなかなか繋がらない中でも必死で何回も何回も電話をかけ続けた。

また、私の世代はベビーブーマーと称されかなり人数が多かった。それもあってか、ラジオ番組(特に22時から深夜にかけて)は若者向けのものが特に多かった。受験や恋愛、部活での人間関係など若者にも尽きない悩みがある。
こういった悩みの相談も兼ねて、ラジオ番組のDJ(今ではパーソナリティーと呼ばれる)に、その時の自分の気持ちを代弁してくれるような曲をリクエストというかたちで託したりもした。

今となっては懐かしい思い出だが、昭和の時代に流行った電リクというシステムを21世紀になった今、平成を超えて令和になった今、復権させようという試みがある。
などと他人事のように書いているが、復権しようとしているのは他でもない私だ 笑。

『PLANETS CLUB』というオンラインサロンがある。
オンラインサロンといっても、巷によくある自己啓発系のものだったり一攫千金を目指すものではない。もともとはniconicoチャンネルから派生した、メルマガと動画配信を軸としたコンテンツ消費型のコミュニティだ。このサロンではそこに加えて、文章の書き方をスクール形式でレクチャーしたり、会員同士が趣味のグループを作ったりZOOM会で交流したりしている。
その中で『DJ30minutes』という取り組みが最近流行り出している。ルールは「好きな曲をただ30分かける。」以上! 至ってシンプルだ。これがなぜ面白く感じられるのか?

「レコメンド(データによるお勧め)」に現代社会が支配されている
 (中略)
我々は,自由に選んでいるようで,レコメンド枠の内側から選んでるに過ぎない. しかも,そのレコメンドアルゴリズムは,広告そのモノと,大手業者による宣伝力に優れたモノとの影響を強く受けている.
 (中略)
この状況下で,我々は「表示されてないもの」を選ぶことが非常に難しい.
検索...したくても,我々は,「知らない単語は検索窓に打ち込めない」のだから.

DJ 30MINUITESは,その環境にレジストする,非常に優れた人力レコメンド,つまり「セレンディピティ(出会い)」で有る.

DJ 30MINUTES=SERENDIPITY』より引用

世紀末と呼ばれていた1980~90年代、私たちはラジオや雑誌といった比較的パーソナルなメディアによって他人の『好き』や『おすすめ』を享受していた。そういったちょっとした偶然から新しい発見があったり、新しいお気に入りを見つけたり、今まで自分の中に存在しなかった価値観に出会ったりした。すなわち、視点を増やし視野を広げる貴重な存在だったのだ。

うって変わって、今のご時世ではSNSやショッピングサイトをはじめとしたレコメンドの嵐が吹き荒れている。それはAIによる『過去の私の行動から推測された最適解』でしかない。自由になるどころか過去の自分に縛られ、どんどん視野を狭められていく。それはとても窮屈なことだと思う。

ならばこの波に逆らって、同じコミュニティの異質なメンバー同士による『好き』の互酬をしよう。自分の近くにいる他人の好きなものに出会うことで、視野を広げよう。これが『DJ30minutes』の本質である。
ただ、30分持たせるセットリストを考えてFACEBOOKグループにイベントを設定し、ZOOM会のホストを務めることは、かなりの労力を消費する。
そこで私が考案したのが『電リク』というシステムの導入だ。

先日お亡くなりになった筒美京平氏の追悼を口実に企画を立ち上げ、リクエストを募った。電話ならぬ『電脳空間』リクエストだ。
誰にも相談せずに見切り発車したのだが、こんなサポートや、

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多数のリクエストをいただいた。

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結果として10件のリクエストと、平日23時スタートにも関わらず22名の来場者があった。企画段階で想定していた以上の反響があって嬉しい気持ちに満ち溢れている反面、今後も継続していかねばとの責任感がひしひしと双肩にのしかかっている。

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