見出し画像

歯医者に行ってきた。

数年前虫歯治療で歯科通院をしていた。歯科嫌いのわたしからすると、途中で放棄せず最後まで通ったことがもう素晴らしい。褒められるべき。治療が一旦終了となる日に、「一年後の定期検診と、多分親知らずが出てくると思うから問題が生じたらまたその時に来てください。」と先生に言われていた。

定期検診は行かなかった。多分忙しかったから(言い訳of言い訳)。


と、いうわけで、今回3年振りの歯科通院となった。意を決して予約の電話を入れた大きな理由は、親知らずが4本出てきたから。出てきただけなら別に問題ないのだが、奥まりすぎていて磨けているか不安だったこと、フロスを通すと長い時間歯茎が痛む。『上の歯はまっすぐ生えているけどフロスが通しにくいし、下の歯はどう考えても斜めに生えているっぽいしフロス通すと歯茎痛いし、もう抜歯しかない』と決め込んでいたので、それはそれはブルブル震えながら予約日を待っていた。

一気に何本抜くものなのか、相場を知らなかったためGoogleで《親知らず 抜歯 何本》と調べてみると、わかりやすいHPを見つけた。

入院して全身麻酔の場合なら一気に4本抜くようだが、口腔外科を掲げる歯科では多くて2本ずつがセオリーなのかと理解した。

画像1

この記事の最後にはこのような記載がある。「あれ、わたしは心理テストでもしていたのかな」と思わせるような書き方で、とても面白かった。

母は「久しぶりに通院して、初っぱなで2本一気には抜かないと思うけど」と言うが、考えても見てほしい。普段、一般人が思い描くとおりの診察を医師がするだろうか、と。多くの診察は、常人のわたしたちでは考え付かないような治療方針そして目に追えないほどの俊敏さで行動を移していくではないか(わたしが並外れたアホの可能性も高いが)。なので「当日2本抜くつもりで心得ていれば、何事もショックは薄いはず」の精神でいることにした。


当日になり、だいすきなフォロワーさんの[親知らず抜歯手術に関する引継書]を読み返し、入念にイメージトレーニングをしておく。一週間満足に食べられないことを想定し、今日の昼ごはんにあんかけラーメンと餃子を選び、夕方にフルーツサンドを1.5人前食べた。何故ならば、しばらく満足に食べられないからだ(大事なことなので二回言う)。「最後の晩餐だ…」と言いながら食べたフルーツサンドは格別においしかった。

画像2


お腹はパンパンに満たされている。意を決して歯科へ。入り口を入ると真正面に受付。3年前にもいらした助手さんがいた。懐かしさを感じていると、受付する前にわたしを見て「(本名)さんです」と治療中の先生に伝える。3年も前なのに顔を覚えてくださっていたことに感動した。

呼ばれて診察室に入り歯科特有の椅子に座る(今調べたら[ユニット]って呼ばれているらしい)。この歯科は先生が一人だけで、忙しく3席の患者を同時に診て回っている。待っている間、『虫歯治療で通い始めたときにレントゲンを撮ったので、今回も撮るだろう』と予想していた。『そして「うん、下の歯横たわってるね、抜こう」って言われるんだ』とまで想定していた。

しかし回ってきた先生は口の中を一通り見て「だいぶ状態いいね。しっかり歯磨きもフロスも頑張ってくれてるんだと思う。磨き方とか教えておいて」と言って他の患者さんのところへ向かう。そう、この先生は患者に直接伝えるのではなく、助手さんにすべて伝えて助手さんが患者に説明する不思議な伝え方をする医師なのだ。しかも他の患者さんの治療してるときにもわたしの話をするものだから、わたしの隣にいる助手さんはそれを聞き取ってまたわたしに伝えてくれるのだ。その様子は聞こえてはいるんだけど、改めて丁寧にわかりやすく説明してくれる助手さん素晴らしい。しかも一人じゃなくて何名もいる助手さん全員がそうなの。スキル高すぎる。

というわけで改めて助手さんからフロスの仕方と歯ブラシの当て方を教えてもらう。独学でやっていたので毎回苦戦してた部分が、「こうすると当てやすい、入りやすいです」とこれまた丁寧にわかりやすく教えてくれるのだ。3年前も同じように教えてもらったが、親知らずが生えた今環境が変わっているのでとてもありがたかった。親知らず4本の磨き方を教わると、また先生がやってきた。ついに親知らずの話をされるかと思ったが、針のような器具で歯茎を刺しながら助手さんに向かって「2、2、4」など言っている。初めてのことではないが毎回何してるのかわからなかったやつだ(下に調べた結果載せます)。それだけやって先生はまた行ってしまった。助手さんが「先生からの指示で、着色取ったり軽く歯石取りますね」と言ってキュイキュイされた。

それが終わるとついに「お疲れさまでした。起き上がって大丈夫ですよ」と言われてしまった。名残惜しいわけではないが『親知らずは!?』と思うし、でもまぁ問題ないなら…と診察室を出る。受付で支払いを済ませると、次回の予約の話になり『治療しなくていい訳ではないんだ』と知り、数週間後に予約を取った。毎回のことだがこのときに先生は今日の様子・次回以降の話をしに来てくれる。まともに話すのはこの会計のときだけなのだ。

「親知らず、下の歯が出ている隙間をきちんと磨けていないと、細菌が入って虫歯になったり歯茎が炎症起こす。それと、下の歯は多分斜めに生えているけど上の歯はまっすぐ生えている。上の歯は問題なく温存して下の歯だけ抜くとなると、噛み合わせる歯がなくなって、上の歯は下に伸び続けようとする。だから、上の歯が下の歯茎や頬に当たったりして炎症が起きる。親知らずで痛いってなったらそのどっちか。今のところどちらもなさそうだけど、次回もう少し詳しく見させてください」って丁寧に教えてくれて、また別の患者さんの元へ向かう。

予約を取ってくれた助手さんが「さっき、先生が番号を言っていたと思うんですけど、磨き方とフロスの状況からすると、もう少しいい数字になるはずなんですけど、歯ぎしりとか食い縛りとか心当たりあります?って先生が(言ってた)」と言う。ハッとして「食い縛りあると思います!」と伝えると「やっぱり。要因は色々あるんですよ。先生に伝えておきますね」って言ったと思ったら、離れた場所にいたはずの先生に聞こえていたのか、先生がまたも助手さんに何か伝えていた。「今先生が『酷くなるようならマウスピース作ってもいいかもなー』って言ってたので、次回相談しましょう」と言われて、終了。


『考えても見てほしい。普段、一般人が思い描くとおりの診察を医師がするだろうか、と。多くの診察は、常人のわたしたちでは考え付かないような治療方針そして目に追えないほどの俊敏さで行動を移していくではないか(わたしが並外れたアホの可能性も高いが)。』

だいぶ上に書いていたこの言葉。

[親知らずの治療はせず、食い縛りのためのマウスピースを作ることになる(仮)]

誰が想像できたのよ。

真面目に通います。歯磨きします。フロスします。


下のHPの説明によると、針のような器具で歯茎を刺しながら言われる番号は、どうも歯周ポケットの深さを測っていたようですね。最大5って言われたんですけど食い縛りこわい。


おしまい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?