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PdMとしてプロダクトに向き合った半年間を振り返る

これは Mobility Technologies Advent Calendar 2021 の21日目の記事です。
※ Advent Calendar 初投稿 & note初投稿になります

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はじめに

こんにちは。株式会社Mobility Technologies(MoT)でプロダクトマネージャー(PdM)をしているTannyです。

私はもともと自動車メーカーに勤めており、カーシェアリングや通信ドラレコシステムなどのモビリティーサービスの開発・運用を行なっていました。

そんな中、「ITスタートアップ企業のプロダクト開発手法を学んでみたい!」との思いで2021年の7月から、こちらに修行派遣(出向)という形でジョインさせていただき、早くも半年が経ちました。現在はタクシーアプリGOと、2021年10月にリリースした法人向けソリューションGO BUSINESSのPdMを担当しています。

最初の頃は「同じところがひとつもない」と思えるほどの企業文化の違いに右往左往していましたが、最近ではPdMとしての仕事の進め方も少しずつわかってきました。この中で特に強く感じたのが、「PdMがプロダクトに向き合うための環境が整っている」ということでした。今回はどういう点でそう感じたのか、3つの視点で振り返ろうと思います。

まとめると…
■ ユーザーの声を聞く|toCとtoBのユーザーヒアリング
 →まず第一に、ユーザーヒアリングを実施できる環境が揃っている
■役割を分担する|PdM組織における分業体制
 →PdMが、自身の業務領域に集中できる分業体制になっている
■プロダクトを好きになる|お祝いする文化
 →良い出来事を共有してお祝いする文化がある

ユーザーの声を聞く|toCとtoBのユーザーヒアリング

toCのプロダクトにおいて、ユーザーインタビューをするというのは重要だと分かってはいるものの、ユーザーへのコンタクトの方法が分からないとか、そもそも忙しくて時間が取れないとかの理由で、これまでの職場ではあまり実践できていませんでした。しかしMoTではユーザーの声を聞く機会を頻繁に設けてもらえるため、プロダクト仕様の方針決定などに大いに参考にできています。

toCのユーザーインタビュー

MoTのPdM組織には専門のリサーチャーが在籍していて、タクシーアプリ「GO」のユーザーへのインタビューを定期的に開催しています。インタビューの場には社員も同席できるため、私自身も何度か参加しました。

インタビューは「OO月にGOをインストールしてから週にXX回以上利用している新規ヘビーユーザー」のようにテーマ設定がされているため、毎回異なる属性のユーザーの声を聞くことができます。また、トークの進め方も非常に練り込まれているため、「どういう背景でGOを使うに至ったか」「その時何に困ったか」など、普段のアンケートでは把握できない、ユーザーのリアルな体験を知ることができます。(自分自身、タクシーを使う機会が少なかったので、「こういうケースでタクシーを使うと便利なのか!」と勉強になることもあります)

いくつかのインタビューに参加して再認識したことは、モビリティサービスは多くの人にとっては目的ではなく手段だということです。「ユーザーはどこで何をするために、タクシーを利用するのか」ということは統計データを見るだけではわかりません。今後もインタビューを通じて、1回1回の利用の裏側にはどういったニーズがあるのか、イメージできるようにしていきたいです。

toBのユーザーインタビュー

冒頭でも少し触れましたが、私は法人向けソリューションのGO BUSINESSのPdMも担当しています。これは従業員がGOを利用した履歴を企業の経理担当者がまとめて閲覧できるようにしたり、タクシー料金を請求書払いしたりして、企業のタクシー交通費精算業務を効率化できるシステムになります。

こういったtoBのシステムは、法人営業担当のチームが企業の担当者様とやりとりしています。特にありがたいのが、新機能を検討している際に、その機能を利用したい企業の担当者様にヒアリングする機会を設けてもらえることです。その場にPdM自身も参加して、検討中の画面などを見ながら直接ご意見を伺います。「この機能は業務にフィットしそう、すごく業務が楽になりそう」というフィードバックをいただけると励みにもなりますし、安心して次のフェーズに進めます。また、絶対に必要だった機能の見落としにも気づくこともできます。

toBのシステムの場合、「素早く開発して検証する」ということに加え、「企業の既存業務にマッチさせつつ、より便利にする」という機能開発が必要だと思います。なので、開発前にヒアリングを通じて、利用企業の既存業務に向き合えるのはとてもありがたいです!何より、ヒアリングに快く応じていただけるような、クライアント企業との関係づくりをされているMoTの営業チームには頭が上がりません...!!

これらのユーザーヒアリングの結果を参考にしつつ、本当に必要な機能は何かを見極めていくのがPdMの本業になります。その検討材料をたくさん集められる環境にはとても助かっています。

役割を分担する|PdM組織における分業体制

PdMはBiz領域とDev領域の間に位置するため、油断しているといろんな仕事を処理する「なんでも屋さん」になりがちです。一方でMoTのPdM組織では、先程紹介したリサーチャーをはじめ、データアナリスト・デザイナー・品管チームなど専門のチームが存在するため、PdMとして「WhyとWhatを考える」という本来の業務に多くの時間を使うことができています。例えば、データアリストに依頼してアプリの利用状況を調べ、デザイナーさんとUIの案を検討し、要求仕様の抜け漏れについて品管チームの観点から指摘いただく、といった具合です。

それらの役割分担の中でも特にやりやすさを感じているのが、プロジェクトマネジャー(PjM)との分担です。

PdMとPjMの役割分担

私がチームにジョインした頃は、PjMの必要性がよくわかっていませんでした(ごめんなさい…)。というのも、これまでの私の業務では、自分で要件定義をして、予算も確保して、開発中もスケジュールに目を配り続ける、というのが当たり前だったからです。ただしこの進め方は、サービスの規模が大きすぎないから出来ていたことでした。

一方でMoTでは、PdM(=「プロダクトとしてどうあるべきか?」を考える人)と、PjM(=「プロダクトをどのように世の中にリリースしていくか?」を考える人)※ が明確に分けられています。
※ PdMとPjMの分業体制についてはこちらの記事がわかりやすいです。

MoTにおいては、私はユーザーアプリ担当のPdMとしてアサインされています。しかし、アプリ起案の改善案件を実施する際にも、タクシー乗務員向けの車載器や、タクシー事業者向けの運行管理システムなど、別のPdMが担当している複数のシステムにまたがって開発する場合があります。このような場合に、PjMの方が各システムのリソース状況などを加味してスケジュールを組んでいただけるため、各PdMとしては、自分の担当プロダクトの要件定義に注力できるようになります。

この仕組みに慣れる前は、「この案件はスケジュールが厳しそうだから、この機能は初めから削った方がいいかな…」と余計なことを考えて要件定義をしてしまい、「ここは本当にこの機能だけでいいの?本来は○○も出来た方がいいよね?」とエンジニアから指摘を受けてしまうこともありました。

現在では、本当に必要な機能を徹底的に考え抜いた上で優先度をつけ、スケジュールや開発リソースなどをPjMと相談して開発する機能を決定する、という手順を意識しています。これにより、「最終的にはこういう機能にしたいけど、まずは最小限の機能をOO月にリリースしてフィードバックを得ることにします」というように、説得力をもった開発を進められていると感じます。

今後もこの体制をもっと突き詰めて、実現したい機能をスピード感を持って、リリースしていきたいと考えています!

プロダクトを好きになる|お祝いする文化

PdMに限らず、どんな職種でも同じだと思いますが、日々の業務は楽しいことばかりではありませんよね。システム障害に対処したり、要件とスケジュールの両立に悩んだり、日々の業務をこなすことに精一杯になったり。。そういうことが続くと、「このプロダクトはどんな価値を提供しているのか?」ということをつい忘れそうになってしまいます。

ですが、MoTではプロダクトの価値を再認識させてくれるイベントが色々と用意されており、いつも前向きに業務に取り組むことができています。

Weekly Stand Up

WSUの様子と、Slackによる情報シェア ※画像はMoTの採用ページからお借りしています。

MoTで一番好きなイベントが、毎週金曜日に開催される週次のオンライン全社ミーティングWeekly Stand Up(WSU)です。代表である川鍋と中島の司会のもと、賑やかな雰囲気でその週の出来事や経営情報などが展開されます。その中で、今週リリースした案件の情報や、プレスリリースの内容、お客様からのフィードバックなどの情報が各担当者からも共有されます。
「自分の案件はこういう効果があったんだな」とか「横の部署ではこういう案件を進めていたのか」など、ここで得られる気づきも多いんですよね。リモートワークで会社のメンバーと会うことは少なくなったものの、こういった場があるおかげで、会社で起きていることはタイムリーに把握できています。

周年記念イベント

GOリリース1周年記念イベントの台本

サービスの周年記念など、色々な機会で記念イベントが開催されているのも楽しい点です。GOアプリがリリースされてから1周年だった2021年9月1日には1周年記念の社内イベントが実施されました。

これまで自分が担当したプロダクトでは、こういったイベントをやったことがなかったので、私もスタッフとしてお手伝いさせていただきました!イベントでは、景品が当たるゲームや社員によるエピソード披露などのコンテンツを楽しみました。当時は私がジョインしてから3ヶ月目の時でしたが、GOがリリースされる前後の歩みを知り、プロダクトの事をより深く好きになることができました。

モビリティサービスというものは、リリースがゴールではなく、そこから1年、2年とサービスを継続することで価値を増していくものですよね。日々の業務をこなしていると、あっという間に月日が経過してしまいます。なので今後も節目節目をお祝いして、プロダクトの成長を振り返る文化を大切にしていきたいと思いました。

おわりに

ちょっと長くなってしまいましたが、私がMoTに出向してから感じた「プロダクトに向き合うための環境」についてまとめてみました。(書きたいことはもっとたくさんあるので、別の記事も書いてみたいです。)

来年以降も、プロダクトに向き合いながらPdM業務を続けつつ、自分自身もより良い業務環境を模索していきたいと思っています!

明日のMobility Technologies Advent Calendar 2021 の記事は、「1年間で50人のユーザーさんにインタビューした話」です。お楽しみに!

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