サービス企画書のイメージイラストをDALL·E 3に生成してもらう
プロダクトの新機能に関するサービス企画書を書いていると、サービスのイメージイラストを入れたくなることがありますよね? でも、そんな時間もなければ、そもそも自分には絵心がないので気の利いたイラストなんて描けません😇
そこで今回は、画像生成AIを使ってサービス企画書のイメージイラストを描いてもらうことにしました。2023年9月21日に公開されたDALL·E 3を活用し、いい感じのイラストを生成してもらえるか試してみました。
DALL·E 3を準備する
2023年11月現在、DALL·E 3はBingまたはChatGPTの有料プランで利用できます。私はChatGPTの有料プランを契約しているので、ChatGPTで利用することにしました。
有料プランを契約している場合、GPT-4メニュー内のDALL·E 3を選択するだけで画像生成AIを利用できます。簡単ですね。
試しに日本語のプロンプトで指示を出すと、それらしいイラストを一発で生成してくれました。画像は数十秒程度で生成されます。
従来の画像生成AIの場合、「呪文」と呼ばれる複数の英単語の組み合わせで指示を出す必要がありました。DALL·E 3ではChatGPTと同じようなプロンプトを書くだけで、適切な画像を生成できるようになっています。これなら特別な知識も不要ですね。
追加の指示を出すことで、画像の内容を変更することもできます。右側の女性、オフィスの場所、そしてイラストのテイストを変更してみます。
指示した通りの画像が生成できました!最初にざっくりとした指示を出した後に、後から修正を加えて必要なイラストに近づけることができそうです。
今回は、DALL·E 3のこれらの特性を活用しながら、なるべく簡単な指示を出すだけで、イメージ近いイラストを生成することを目指します。
サービスの原案を考える
今回はサンプルとして、「自動運転タクシーサービス」の企画書を作成することにします。
以前に書いた記事で、ChatGPTを活用してサービス仕様を検討する方法をまとめました。今回もこの方法を参考にして、描くシーンの内容もChatGPTに考えてもらうことにします。
以下のように、自動運転タクシーの代表的なシーンを文字で出力してもらいました。DALL·E 3モード内でも、通常通りのAIチャット機能を利用できます。この時点ではイラストを出力しないように指示します。
少し変更を加えて、以下のような4つのシーンを今回のサービスのフローにしました。「NFCマークをタッチしてドアを開ける」という、オリジナル要素も足してみました。
このシーンをまとめたプレゼン資料を作成することを想定して、各シーンのイラストを生成していきます。
DALL·E 3でイラストを生成する
シーンの文章からイラストを生成する
シーン1(スマホアプリでタクシーを呼ぶ場面)から順に生成します。シーン番号を指定して、そのままイラストを生成してもらいます。参考として、DALL·E 3に入力するプロンプトも教えてもらいました。(内部実装は不明なため、実際のプロンプトかどうかはわかりません)
カラーの写真やイラストが4種類生成されました。右上の画像以外はそのまま使えそうな品質ですね。
DALL·E 3に入力したプロンプトを見ると、シーン1の内容部分をそのままプロンプトにしていることがわかりました。比較的長めのプロンプトでも適切に解釈してくれるようです。
画像のテイストを変更する
サービス企画書の雰囲気に合うように、「モノクロの絵コンテ」の形式で生成し直してみます。
意図した通りのイラストになりました。プレゼン資料のテイストにあったイラストが利用できそうですね。
シーン2(ドアを開ける)のイラストも同様に生成しました。通常のChatGPTの利用時と同様に、以前の会話の内容を踏まえて生成してくれます。
「NFCマークをタッチしてドアを開ける」という複雑な指示も、現実的な形でイラストに描いてくれています。このように、ユーザーの細かい行動もイラスト化することで、サービスの内容を非常にイメージしやすくなりますね。
うまくいかない事例
うまく指示ができなかった例も紹介しておきます。シーン3(ユーザーが後部座席でくつろいでいる場面)を生成したところ、ユーザーが運転席に座ってしまいました。
自動運転タクシーという概念はまだ理解できていないのでしょうか??何度か指示を繰り返したものの、後部座席には座ってくれませんでした。
海外の画像生成AIは「こたつ」の概念を理解できない、という話もあるようです。簡単そうに見えてもうまく描けない絵があることは、画像生成AIを活用する上での注意点ですね。
最後にシーン4(タクシーから降りる場面)を生成します。ここでもユーザーが前の座席に座っていました。
うまくいかない場面はあったものの、4つのイラストを生成できました。
プレゼン資料にまとめる
生成したイラストの中から気に入ったものを選択し、プレゼン資料の形式にまとめます。文字のみの説明よりも、サービスイメージが伝わりやすい資料になったのではないでしょうか。
「AI画像っぽさ」は少し感じられるものの、イメージを理解する用途としては、これくらいでも十分だと思います。従来であればフリー素材のピクトグラムを組み合わせて表現するケースが多いと思います。それと比較しても、イメージに近い画像を短時間で得られると感じました。
まとめ
今回は、自動運転タクシーサービスを題材として、代表的な4つのシーンのイラストを生成しました。ChatGPTと同じようなプロンプトを入力するだけで、イメージと近いイラストを生成でき、画像生成AIの進化に非常に驚きました。
正しいイラストを生成できないケースもありましたが、企画書の中でラフなイメージを伝える用途であれば、問題ないレベルだと思います。(むしろ、ツッコミどころが生まれて話題のタネにできるかも…)今後、機会があれば実際の企画業務でも活用してみたいと思います。
生成AIの凄まじい進化により、文章やプログラムの生成に加えて、画像も簡単に生成できるようになりました。今後もプロダクト開発の現場において、生成AIの活用ケースがますます増えていきそうです。
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