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オンラインの探究学習どこがおすすめ? 探究博覧会イベントレポート



昨年度末からの一斉休校から2ヶ月がたった今、子どもも大人も、休校生活の長期化を覚悟して、学びの環境の再設計を考えている方は多いのではないでしょうか。

課題提出などの連絡のみオンラインだったり、レクチャー動画を視聴して学んだり、双方向に先生と子どもが話すプログラムだったり…「オンライン学習」といっても種類はさまざま。オンラインの可能性や課題を学びながら情報をアップデートしていく必要があると考える保護者や教育実践者の方に向けて、「Q」では探究博覧会を開催しました。

開催4日前の告知にも関わらず、定員100名はすぐ満席となり録画視聴希望も殺到した本イベント。子どもや大人を対象に独自のアプローチでオンラインでの探究的な学びを提供する8名のスピーカーが、プログラムの特徴を紹介しました。


1. a.school 岩田拓真さん

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『a.schoolでは、「浴びる学びから、探す学びへ」をキャッチコピーとして掲げています。受け身で知識を習得していくのではなく、自分で動いたり作ったりしながら学んでいくことを大切にしてほしい、という思いを込めています。

今年4月からは、小学生対象にオンラインでの学びを届けています。スタートして1ヶ月もたたないうちに、約200名の方が入会しました。プランは2種類あり、大人数での講座受講やイベントを通して探究的な刺激を受けられる「スタンダード」と、少人数でじっくり探究する時間を取りアウトプットする力を伸ばしていく「プレミアム」を用意しています。

特に重きを置いているのは仕事を通して学んでいくことで、分野横断的に様々な仕事を体験できる「なりきりラボ」と、仕事の中に算数の要素がどう繋がっているのかを学ぶ「おしごと算数」が、プログラムの中に入っています。「学校で学んだことや身近にいる大人の仕事がこんな風に繋がっているんだ」と感じることができる内容です。

また、今は学校に行けないことで生活リズムが崩れてしまったり、人と話す機会が減っていることから、オプションメニューとして朝の会やスペシャルイベントの企画、保護者へのコラム配信も行っています』

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<参加者からの質問>

ーアウトプット型の学びとは言え、発言する子としない子に分かれてしまうのでは?
「プレミアム」は10名程度の少人数クラスで、講師が一人一人に話しかけることができるので発言のチャンスは多くあります。徐々にお互いのことがわかってくる中で、心理的にも発言しやすくなります。

ーなりきりラボでは、自分の好きな職業を選べるのでしょうか?
今は35種類の職業について学べるように用意していて、「スタンダード」だと毎月4つの職業について紹介します。「プレミアム」は、そのうち2つを取り上げて、自分で深めたいと思った職業について探究していきます。例えば、YouTubeについて深く学びたい子は映像作品を作ったりと、今後は色々なアウトプットの形に触れられるような仕組みにしていきたいと思っています。

ー入会しているのは何年生が多いですか?
小学校1年生から6年生が入会していますが、一番多いのは、3、4年生ですね。その次が2、5年生です。

Q炭谷コメント:インプット型のコンテンツはオンラインにたくさんあるけれど、やはり探究で大切なのは自ら探して自らアウトプットすることだと思います。a.schoolは、そういったことに配慮した探究型のプログラムですね。


2. カタリバオンライン 今村久美さん

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『もともとリアルな居場所をつくる団体として19年前にスタートしたのが、カタリバです。居場所と人との出会いを通じて、子どもを育んでいくことをを大切にしています。そんなカタリバが今回の一斉休校をきっかけにして新たに開始したのが、「カタリバオンライン」です。

毎朝あるサークルタイムでは、その日のプログラムが紹介されます。日本だけではなく世界中で多くの人が自宅で過ごしている今、海外に住んでいる人とオンライン上で繋がり、現地の様子を紹介してもらうプログラムも企画されています。世界と繋がることで、知的好奇心をくすぐられる子どもも多いのではないでしょうか。

特徴的なのは、どのプログラムに参加するかは子ども自身で決めるということ。今日1日をどう過ごしたいのかを自分で決める練習にもなっています。

既存のプログラム以外に、子ども達が発案した企画もあります。そんな企画が生まれる背景には、安心安全な場がオンライン上にも存在しているから。毎日同じメンバーで、自分のホームだと思える場所に集まる。そんな場所があるからこそ、自らやってみたい企画の提案をするなど、次の一歩を踏み出すことができます。

一方で、やはり保護者からの支援がないと子どもはオンラインでの学び場にアクセスすることはできません。そこでスタートしたのが、就学援助を受けているご家庭に対してパソコンとWi-Fiを無償で貸与する「キッカケプログラム」です。家庭環境による格差をなくしていければと思っています』

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<参加者からの質問>

ー参加する際の費用はどれくらいかかりますか?
カタリバオンラインは、少なくとも一斉休校が解除されるまでは無料で使うことができます。認定NPO法人なので、多くの方から寄付金を募って運営しています。

ー小学生から高校生までがみんな同じプログラムに参加しているのでしょうか?
異年齢で交流が出来る場は大切にしたいと思っています。ただ、小学生にとっては中高生との交流は良い経験だけど、中高生にとっては小学生がいる場は抵抗があることもあるようです。中高生のみ対象のプログラムは先日スタートしたばかりで、分けて参加できる時間・交流できる時間を両方つくろうと、今は試行錯誤しているところです。

ーオンラインで居場所作りをすることの良い面はどこですか?
お互いのことはニックネームで呼び合うことになっていますが、それがちょうど良い距離感となっているようです。キャストの大人が見守っている安心感もあります。学ぶ意欲を引き上げて宿題がどんどん進んだり、不登校の子どもが「人と関わってみよう」と思えるきっかけになったというケースもありました。

Q炭谷コメント:オンラインで安心安全な居場所を作り、見ていてくれる他者がいることや、子ども自身が意図を持って自分で決めていくところが特徴的です。企業は有料のプラグラムがほとんどですが、無料でどなたでも参加できるのも大きな特徴の一つですね。

3. 探究学舎 宝槻泰伸さん

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『何かを理解したり記憶することに重きを置く“能力開発”ではなく、好きなことややりたいことを見つける“興味開発”を軸にして授業をつくっているのが探究学舎です。オンライン探究のコースは現在約2000名の方が入会しており、インプット・アウトプット・コミュニティの3つの軸で子ども達の探究心に火をつけるアプローチをしています。

まずは、インプットとして75〜90分間の授業を受ける時間が用意されています。特徴的なのは、講師からの問いかけに対して自分の考えをホワイトボードや画用紙に書いてカメラの前に出すクイズ番組のようなスタイルで進めるところ。インプットをする時間の中にもアウトプットの要素が含まれており、集中力を落とさず楽しく学ぶことができます。

次に、講師が出したテーマに対して実際に自分でやってみるのがアウトプットの時間です。例えば、事前に海洋生物の授業を受けていたら、「イワシを手に入れて、お寿司を作ってみよう」と言うテーマが出されます。自宅で保護者の方と一緒に取り組むことができ、共に学びを深めることができます。

最後に、実際に作ってみた物ややってみたことをコミュニティ内で報告します。「Discord(ディスコード)」と言うチャットシステムを使い、写真を撮って共有することでお互いにコメントし合うことができます』

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<参加者からの質問>

ー授業の内容はどのように決めていますか?
講師の役割は、「子どもの心に火をつけること」だと思っています。授業のつくり方はとてもシンプルで、まず僕たちが驚いたり感動しているかという点を大事にしています。講師の中には、海の生き物が大好きな人がいて、彼はどうすれば子ども達に海の生き物についての感動や驚きを伝えれるかと常に考えています。もちろん講師達が知らない世界であっても、子ども達がきっと知りたいだろう内容にもアンテナを立てていて、講師自らインプットすることも大切にしています。

ーコミュニティの中で、子ども達から新たなプロジェクトが立ち上がることはありますか?
プロジェクト学習が自然発生的に生まれているかと言うと、まだそこまでのレベルには達していません。講師が投げかけたクエスト(探究テーマ)を実際にやってみたり、子ども達自身でアレンジして取り組むことはあります。そもそも子ども達はカスタマイズするのが得意なアクティブラーナーだと思っているので、講師が出すクエストを越えて協働的に学んでいくようになる段階がいずれ来ると思っています。

ーどんな人がオンラインでの受講をリピートしていますか?
「子どもが楽しいと感じているかどうか」も重要ですが、もう一つの要素としては「保護者が子どもの成長を実感しているかどうか」だと思っています。その両方をクリアした時にリピートされます。保護者は楽しくて成長するのは間違いないと思っているけれど、子どもが楽しくないと思っていたら続けることは難しいと思っています。

Q炭谷コメント:探究学舎と言うと宝槻さんの面白い授業が有名ですが、オンライン探究を始めるに当たって、アウトプットやコミュニティの機能をしっかり強化されて対応されています。

4. Future Edu 竹村詠美さん

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『FutureEduは、「これからの時代を生きる子ども達にふさわしい学びの環境とは?」という問いを探究し、共に考えていくメディア&コミュニティです。世界の教育についても学びをブログで発信しながら、対話や学びの場をつくっています。

2016年から教育ドキュメンタリー映画「Most Likely to Succeed」の上映会を開催及び開催支援を行っており、上映会は全国で400回以上開催されてきました。映画からヒントを得て、これからの学びについて参加者同士での話し合い場を持って欲しいという想いで活動を続けています。現在の休校期間中は、教員研修として使用する場合は無償で「Most Likely to Succeed」のオンライン動画を視聴することができます。

また、代表理事をつとめるもう1つの団体であるLearn by Creationは、大人と子どもが共に、「創る」事を通じて共に学ぶことが日本全国で当たり前になって欲しいという願いを込めて活動しております。「創る」には、ものづくりだけでなく、アイディアや映像など、様々なものを生み出していく事を意図しています。

Learn by Creation で昨年夏に開催した2日間のイベントでは、約2500名の方が参加しました。今年は、オンラインで「Educussion(エデュカッション)」という子どもと大人が共に話し合う場やワークショップ、対談イベントの開催が決まっており、対談は YouTube チャンネルにて後から視聴することができます』

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<参加者からの質問>

ーMost Likely to Succeed とはどの様な作品なのですか?
「Most Likely to Succeed」 は、「人工知能 (AI) やロボットが生活に浸透していく21世紀の子ども達にとって必要な教育とはどのようなものか?」というテーマについて、多くの有識者や多くの学校取材を2年間積み重ねられ制作されたドキュメンタリー作品です。2015年の公開以来、7000以上の学校や図書館、公民館といった公共施設や、SXSW edu を含む教育カンファレンスなどで上映されています。日本でも44都道府県で上映実績がある、これからの学びを考えるヒントが詰まった作品です。

ーインターの事情も詳しいそうですが、オンライン教育についてどう考えていますか?
オンライン教育は、海外では遠隔教育と呼ばれていて、オンラインを活用するだけではなく、いかにオフラインも活用して豊かな学びの時間につなげるかという視点で考えられています。年齢が下がれば下がるほどオンラインだけで学びを完結させることは困難なので、オフラインでの学びをいかに充実させるために、オンラインでの同期した学びの時間をどう活用するかという観点で遠隔授業はデザインされています。

Q炭谷コメント:保護者の方や学校の先生を対象にした、啓蒙的なプログラムを多く実施されています。「Most Likely to Succeed」は私も以前に見させていただきましたが大変おすすめです。オンラインでは、無料のイベントも開催されています。

5. STEMONオンライン 中村一彰さん

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『「AI時代に活躍するための力」と「人としての豊かさ」、この2つをバランスよく育む教育活動をしていきたいと2013年にSTEMON(ステモン)を立ち上げました。立ち上げ当時からワークショップを中心にしたSTEM教育に取り組んできました。また、プログラミング教育の必修化が決まる前から、公立小学校と連携してプログラミングの授業を行なってきました。

STEMONでは、コミュニティの中で創りながら学ぶことを大切にしており、現在は全国80ヶ所に教室があります。対象者は5歳から12歳。STEM教育コースとプログラミングロボティクスコースの2コースを用意しています。

学びのサイクルとしては、まずは知識を得る。学んだことを活かして創る。創ることで原理を体感する。そこで終わるのではなく、改造タイムが設けられており、いろいろなものを作って動きを確かめたり、応用力を育みながら理解を深めていきます。

今年4月から始まったオンラインスクールでは、動画配信とライブ授業を行なっています。ライブ授業では、講師と子どもが双方向でのやりとりをすることができます。また、授業の前にはブロック教材や電子教材を郵送しているので、実際に自宅で制作しながら学べるのが特徴です』

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<参加者からの質問>

ー子どもが年少です。プログラムは、親が横について手取り足取りみてあげないと参加できませんか?
動画のURLにとんだりは手伝いが必要ですが、動画が始まってからは子どもだけでできるようになっています。子どものタイプによって、すごく集中して見てたっていう子と、youtubeに行っちゃう子とがいます。最初は親が横でみながら促して、2〜3回目からは子どもだけでできるようにしていくのがいいと思います。

ーキンダリーのクラスでもロボットなどをつくるのでしょうか?
キンダリーはもっと基本的なことをやります。高い低いや長い短いという基礎概念を学びます。リアルの教室は1クラス3~4人で少人数でやっていました。オンラインでは動画を見ながら取り組んでもらいます。年齢やコースにあわせて、ブロック教材のキットを送ったり紙のテキストを送ったりするなどしながら、オンラインでの学びをサポートしています。

Q炭谷コメント:科学やプログラミングなど、立体を用いて手を使いながら学ぶ参加型のプログラムが多い教室ですが、動画を使ったり実際に教材を送付するなど、様々な工夫をされていますね。

6. ラーンネット・エッジ(Edge College) 駒崎智紀さん

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『ラーンネット・エッジとは、10代の探究者向けマイクロスクールで、自分の中に火を灯し、人と互いに照らし合うという意味のOplysning(オプリュス二ング)を理念に掲げています。自分の好きなことや得意なこと、苦手なことも丸ごと受け入れ、他者のそれも同様に受け入れていくことを大切にしています。

エッジの対象者は小学校5年生から中学校3年生。今年度は12名の生徒が在籍しています。「どうなって卒業したいか」「いつ卒業するか」を自分で決めるのがこのスクールの特徴の一つ。基礎学習は自分で進め、カリキュラムは探究と教養の2本柱で組み立てられています。現在はオンラインで開校されていますが、環境が変わっても子ども達はそれぞれの場所で学び続けています。

このカリキュラムを大人の方にも提供したいという思いで始めたのがEdge Collegeです。第1回目のテーマは、「自由への教養」。子どもに学ばせるという風潮が強い現代ですが、大人自身が学ぶことを楽しみ、自由で幸せに生きられたら、子どもの学びにも変化が起こるかもしれません』

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<参加者からの質問>

ーどうして大人向けの講座をしようと考えたのですか?
ラーンネット・エッジの授業内容も在籍している講師も大人にとって魅力的だと感じたからです。初回の講師は教養の未来研究所所長で、エッジの「自由への教養」クラスのカリキュラムマネージャーでもある矢萩邦彦さんです。こんな時ですが、子どもだけではなく、大人が楽しく豊かな学びの時間を持つのもいいのではないかと考えています。

ーラーンネット・エッジでオンライン授業をやる上でのコツや工夫はありますか?オンラインだと受け身になりやすかったり、疲れやすいという問題があります。授業時間の中に短くても調べたり考えたりする時間をつくっています。あと、子どもたちの意見が一覧できるようにGoogle Classroomに入力してもらうようにしたら、副次的にみんなでやっている感じが出ました。また週に30分間はメンタリングの個別面談をするようにしています。

Q炭谷コメント:子どもにやってることを大人にも体験してもらおうというプログラムですね。毎月1回開催され、シリーズで申し込むのではなくて、1回1回単発で受けることができるので、興味のある講座に参加することが出来ます。

7.Learnnet Global School(オンライン探究ナビ講座) 青木芳恵さん

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『Learnnet Global School(ラーンネット・グローバル・スクール)が開講するオンライン探究ナビ講座は、子ども達の好奇心を引き出す関わり方を学ぶ大人向けのプログラムです。これまでに日本や海外から200名以上の方が受講されています。

探究ナビゲータとは、子ども達の探究的な学びをナビゲートする存在です。Learnnet Global Schoolでは、どうしたら子ども達の好奇心や探究心を最大限に引き出すことができるのかを、彼らとの関わり方の中で20年以上研究してきました。

オンライン探究ナビ講座では、半年間で7回のクラスを用意しています。テーマは「時間管理と習慣」や「自己表現の重要性」など、Learnnet Global Schoolが大切にしている内容ばかりです。

たとえば、「やって欲しいと思っていることがあるのに、子どもはなかなか動かない」、「習い事を始めたのに、全然練習しない。それでも子どもは辞めたくないと言う」。そんなとき、あなたならどうしますか? 講座内ではナビゲータ役を担当するのはもちろん、子ども役も担当します。それによって、子ども自身がどう感じているのかも体験することができます』

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<参加者からの質問>
ー講座はどんな人が受けていますか?
国内外男女問わず、いろんな方が参加されています。大まかには3つです。①0歳〜中学生くらいまでのお子さんをお持ちの保護者、②学校や塾の先生・新しく学校を作りたい方など教育関係者、③社会人です。

ー講座で扱う子どものケースは、何歳くらいの設定ですか?
様々な年齢の人が登場するケースを用意しています。 3歳~5歳の幼児、小学生、中学生、大学生、保護者など。ケースに登場する事が多いのは幼稚園や小学生のお子さんですが、小学生向けのナビゲーションを学ぶのではなく、ナビゲーションはどんな年齢の方であっても、同じように使っていただけるものである事を体験していただいています。

ーナビゲーションとはどういうものですか?
子ども達は本来、誰しもが好奇心探究心を持っています。どうしても大人は、出来ていないことに着目して、「こうしなさい」と言いがちです。そうした指示命令ではなく、「なんでも好きにしたら」という放任や全てやってあげるといった過保護でもなく、子ども達が自らが考え行動する為の方法論をナビゲーションと呼んでいます。家庭や職場でも実践できるプログラムされたものが探究ナビ講座です。

Q炭谷コメント:子どもは探究心や好奇心を持っている存在です。それが表に出てくるのか止まってしまうのかは、周りの大人次第だと思っています。私もファシリテーターとして全部のクラスに参加します。

8. Learnnet Global School(サタデー探究スクール) 森竹貫人さん

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『一斉休校を機に学校がストップし、自分のエネルギーを出せていない子どもが全国に多くいるのではないでしょうか。そんな子ども達に対して、自宅にいながらでも好奇心や探究心を育むきっかけをつくりたいという思いで始めたのが、サタデー探究スクールです。対象者は、小学校4年生から6年生。5月から7月までの3ヶ月間で、10回の講義を受けることが出来ます。

第1弾のテーマは「スキを伝える」。子ども達には、教わる側ではなく伝える側になってもらいます。何が好きでどんなことを探究したいと思っているのか、その気持ちを相手に伝えてみる。それを認めてもらえたり、興味を持ってもらえることで、もっと深く探究してみようという気持ちが生まれます。自分の好奇心に火がつくことで、同時に相手の心の火を灯すきっかけにもなるかもしれません。

3ヶ月の主な流れは、ホップ・ステップ・ジャンプの3段階。5月はホップ。インプットとして、伝えるために何が大切なことなのか、みんなで探っていきます。6月はステップ。動画編集など伝えるためのテクニックを学びます。7月はジャンプ。実際に学んだ知識、技術を使って自分の好きなことを伝えます。

インプットからアウトプットまで、全てが子ども主体です。ナビゲータは子どもの気持ちに寄り添い、どうしたら実現できるかを一緒に考えていきます』

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<参加者からの質問>

ーアウトプットにすごく重きをおいてるようですが、それを大切にしている理由はなんですか?
自分の好きなことを相手に伝えることで、「すごくいいね!」、「私もそれやりたい!」と思ってもらえることがあります。まずは伝えてみることが、探究していく中でとても大切なことだと思っています。

ー1日のクラスの流れが知りたいです。
最低2名以上は講師がいる体制です。講師から全体に対してその日にやることを説明をして、そのあとグループでやり取りを開始し、最後にはまた全体に戻っていくようなイメージです。個別面談を通して、何をやりたいかなどを話し合う時間も取っていきます。

ー子どもはすぐに火がつくけれど、そこに燃料を投下し続けるのが難しいと感じます。サタデー探究スクールの中では、子どもが「もっとこれを自由にやりたい」と思うものをやれるのでしょうか?
申し込みの際に好きなことを書く欄があります。その中で、好きなことがはっきりとある子どもが多かったらそれをやることになるかもしれません。そうではなかったら、まずはみんなで何をやるかを考えながら進めていく予定です。

Q炭谷コメント:Learnnet Global Schoolは、神戸にあるフルタイムのスクールですが、サタデー探究スクールは毎週土曜日にオンラインで開催され、全国どこからでも受けられる講座となります。ラーンネットとしても新しいチャレンジです。

(文:建石尚子、編集:田村真菜)



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