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息子の頭の中【母の妄想】

ぼくは知ってる。

お母さんは怒ると怖い。

ぼくのお母さんは、優しいときもあるけど、怒ると怖い。

たとえば、幼稚園がお休みの日で、お父さんが仕事でいないとき。

朝起きて、ご飯を食べて、公園に遊びに行ったあと。

ぼくはお腹がぺこぺこで、早くご飯が食べたいと言うとお母さんはぼくをにらむ。

「ちょっと待ってって言ってるでしょ」って。

でもぼくはお腹がぺこぺこだから待てないのにな。

お昼ご飯は早く食べ終わりたい。

食べたら遊べるから。

ぼくはご飯を食べ終わるとすぐにおもちゃを出す。

ぼくはお母さんと車で遊びたいのに、「遊ぼう」と言うといやだと言う。

ぼくは何度もお母さんに「一緒に遊びたい」と言うのに、お母さんはまたいやだと言う。

お母さんはすぐ「疲れた」と言う。

だから仕方なくひとりで遊ぶけど、すぐに飽きてジョージが見たくなる。

ぼくが今度はジョージが見たいと言うと、お母さんはまたぼくをギロッとにらむ。

「おもちゃ全部片付けたら見ていいよ」

こんなにたくさんのおもちゃを?

無理だ。

ぼくは早くジョージが見たいのに!

ぼくが片付けをせずに「早くジョージが見たい」と何度も言うと、お母さんは怒る。

「好きなことだけするなんてダメ」だと。

嫌になっちゃうな。

ぼくがしぶしぶ片付けをしていると、ゆうちゃんが邪魔をしてくる。

ゆうちゃんはぼくの弟で、まだ赤ちゃんだ。

ぼくのおもちゃなのに、ぼくが遊んでいるといつもぐちゃぐちゃにする。

ぼくは悲しくて泣いちゃうときもあるけど、お母さんは「しょうがないよ」と言う。

ゆうちゃんはかわいい弟だけど、ときどき嫌になっちゃうときがある。

ぼくが作ったブロックの船をこわすし、箱にしまったおもちゃも全部ひっくり返す。

だけど、ぼくはゆうちゃんを怒ったりしない。

ゆうちゃんはまだ赤ちゃんだからわからないんだ。

ぼくがゆうちゃんを怒らないと、お父さんもお母さんも「いっくんはえらいね」と褒めてくれる。

ぼくはもう4歳だから、優しいお兄ちゃんなんだ。

お母さんは怒ると怖いけど、ぼくのことが好きみたいだ。

ぼくが「だいすき〜」と言ってぶつかっていくと、ぎゅーっとしてくれる。

ぼくが「もっとしめつけて〜」と言うと、ぎゅーっとしながら「しめつけてじゃなくて、抱きしめてでしょ」と笑う。

お母さんは怒った日の夜、ベッドの中で「怒ってごめんね」と言う。

ぼくはいつも「いいよ」と言ってあげるんだ。

だって、ごめんねって言われたら、いいよって許してあげなきゃいけないからね。

明日はお母さん、疲れてなくて、元気だといいな。

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二児ママライターたんきよの、妄想小説?でした。

それではまた~!

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