とんでもなくすごい中村佳穂ニューアルバム『NIA』

投稿者:さかな先生 (ツイッターで音楽のことつぶやいてます

前作『AINOU』(2018年11月発表)がメディアや著名人から大注目されて、昨年には細田守監督最新作『竜とそばかすの姫』で主人公・すず / ベル役を演じ、millennium parade × Belleとして『第72回NHK紅白歌合戦』にも出場。華やかな場所で一躍その存在を世に知らしめたが、あくまでそれはほんの一面。

大注目された作品に次ぐ作品で注目と期待は大きく高まっていた。 前作から3年半ぶりとなるニューアルバム『NIA』を完成させた。『NIA』は自由闊達な発想でみずみずしい歌を生み出し、その自然体の才能を全方位に発揮した一枚になっている。

3月23日(水)に発売となったニューアルバム『NIA』は、誠に軽やかであり、見事な抜けがあり、新境地へ飛び立っている。アルバムには、高揚感にあふれるチアフルなものから、疲弊し傷ついた人にやさしく寄り添うようなものまで、さまざまなムードの楽曲が並んでいる。前作を遥かに超えた、とんでもない作品。「気楽」や「適当」というキーワードを各所に感じつつ、 彼女に関しては音源もライブも毎回そうだが、「とんでもなく物凄い」。言語化不可能。

自身も周囲も大きく変わりゆく時代の流れのなかで、中村佳穂に見えたものとは何だったのか。届けようと思った言葉はどんなものだったのか。語彙の問題ではなくて、ただただ余計な言葉を全く必要としないのだ。とにかく、早く聴いてみろ。飛ぶぞ。


“アイミル”中村佳穂のTwitterより。「好きなら好きって言ったらいいんじゃない」って気楽さだったり、明るさだったり、チアフルな感じが素晴らしい。


中村佳穂

1992年生まれ(筆者と同い年)京都出身のミュージシャン。20歳から本格的に音楽活動をスタートし、音楽そのものの様な存在がウワサを呼ぶ。2022年3月23日、約3年半ぶりとなるニューアルバム『NIA』をリリースした。



冒頭の3曲は、明るいムードがそのまま出てきている曲。“KAPO✌”“さよならクレール”“アイミル”。

ちなみに<♪さよならクレール 何気ないすれ違いの中を泳ぎ続けたね>というところのメロディーと歌詞は『AINOU』をつくっていた時期から浮かんでいて、3年くらい溜めていたフレーズから膨らませていったそう。たしかに、ものすごく印象に残るフレーズ。


全体を通して本当に凄く軽やかに抜けきったアルバムだ。例えば、むちゃくちゃ良い曲なのに、意味を持たせたタイトルを付けずに、「voice memo #2」や「voice memo #3」という仮タイトルみたいな正式タイトルで出しちゃうのも、肩に力が入り過ぎていなくていい感じ。

また、平日休日を「Hey日」「Q日」とした表記も含めて、この5曲目と6曲目の流れは良い意味での「適当さ」を凄く感じるんですよね。


全曲アンセムのこのアルバム、必聴です!

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