140文字のほっこり。 (2)
140文字で「ほっこりする」物語を書いています。
まとめてみましたのでぜひご覧ください。
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2020/04/04 05:30
公園の大きな桜の木が満開だ。よちよち歩きの赤ちゃんが桜を見上げている。走ってきた少年が胸を弾ませて桜を見上げている。恋人たちが手をつないで桜を見上げている。上着を脱いだサラリーマンが桜を見上げている。おばあさんが腰を伸ばしながら桜を見上げている。地下ではまだモグラが眠っている。
2020/04/03 05:35
今は何が何でも手洗い。動物たちの手洗い場の光景。ヘビが来たが、手がないので帰っていった。ムカデが来たが、手が多すぎてこんがらがったので帰っていった。カメがやってきて、右手と左手を合わせようとしたが、胸幅が広すぎて、両手が届かなかったので帰っていった。みんな手を洗いたかったのに。
2020/04/02 05:19
外に出られない子豚ちゃん、運動不足を解消するために腹筋を鍛えようと思った。仰向けになり上体を起こそうとするが、ちっとも動かない。足を上げようとするが、1ミリも上がらない。それでも子豚ちゃんは一生懸命。ついに疲れ果てて眠ってしまった。夜になり満月が煌々と子豚ちゃんを照らしている。
2020/04/01 05:35
最近は目が悪くなったせいか「パンダ」という文字が「パンツ」に見えてくる。おかしいなあと思っていると、あの丸まって笹を食べているパンダがお尻の大きな人のパンツに見えてきた。そして木に登った赤ちゃんパンダが子どもがはいたパンツに見えたりするが、まあそれでもいいかなと思っている。
2020/03/31 05:29
飼い主が「ワン」と言うと、犬が「ダフル」と答えるワンダフル犬が話題です。この前初めてTVに出た時、犬がいやがって飼い主がいくら引っ張っても動きません。普段は優しい飼い主が強く引っ張るので、犬が怒って「ワン!」とほえると、思わず飼い主が「モー!」と牛の真似をしたので、大爆笑でした!
2020/03/30 05:15
森の小川がチョロチョロと流れ、底の方にいた小魚に新鮮な空気を与え始めるころ、和菓子屋さんでは魚を形取ったモナカや、水色の練り菓子が並び、図書館の絵本コーナーでは、お魚が出てくる絵本を棚に並べている。老人ホームではそろそろ鯉のぼりの飾り物……空の色はやや濃くなり、いわし雲が浮く。
2020/03/29 05:07
桜が咲く頃になると、寒い時期に楽しませてくれた椿はもう忘れられて、落ちてさえ地面を彩った赤や白の花はもう踏みひしがれて汚くなっている。人は咲いている花を愛でるが、散ってしまった花には目もくれない。だけどね、美しいままで落ちた白い椿が、バドミントンのシャトルになるって知ってた?
2020/03/28 06:09
繁華街の信号機の隠れたところには小鳥の巣があります。横断歩道のピヨピヨの音がもうすぐ終わりますが、おばあさんはまだ道の真ん中です。そんな時、小鳥が巣から顔を出して、おばあさんが渡りおわるまでピヨピヨと鳴いているのですが、それに気づく人はいません。おばあさんだけは知っています。
2020/03/27 17:34
アル・コールという名前の人が、今とっても人気だ。Twitterのフォロワーが激増して、YouTubeの登録者数はもう限界に達した。でも彼は知っている。こんな人気は「スーー」って消えるってことを。今まで彼はどれだけ乱暴に扱われてきたか。いつも手荒にパッパッって。もっとやさしくして!
2020/03/27 05:29
旅に出たい!木の上のナマケモノが思いました。彼は思い切って旅に出ました。まず、右手を動かしてみました。10cmくらい動きました。それから左足を動かしました。5cmくらい動きました。こうやって交互に動かして1mくらい行った時、偶然にも夕焼けに照らされて、彼は金色に輝きました。
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