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【読書の魅力】心に暖流を持つ〜個性的な読書感想文のヒント

✅ 心に暖流を持つ

私が住んでいる宮崎県は九州の東側になります。
長い砂浜が続き、サーフィンのメッカになっています。

九州の東海岸には黒潮(日本海流)と呼ぶ「暖流」が流れています。
この暖流のためにより南にある鹿児島では雪が降っても、宮崎では降りません。
すぐそばを通る暖流からの暖かい風が地上を温めてくれるのです。

心の暖流を持つとは、このように周りは寒くても自分は暖かくなることです。
どうすれば心に暖流を持つことができるのか?

そもそも暖流とは何か?

暖流とは南の暖かい地方から流れてくる潮の流れです。
南の温められた海水が、寒いところにやってきてもまだそのエネルギーを維持しているのです。

ですから、心の暖流にはエネルギー源が必要なことがわかります。

自分自身ではない誰か、何かからエネルギーをもらうのです。
そのエネルギーを維持している状態が、暖流なのです。

あなたにはエネルギーをもらう人がいますか?
頼りになる人がいますか?

「いや、そんな人はいないなあ」

そうですよね。簡単にはいないですよね。
スポーツではコーチなのでしょうが、個人には難しいですね。

ここで考えてみましょう。

もしあなたが誰かの暖流の源になることができたら、とても素晴らしいと思いませんか?

✅  暖流になるために

どうしたら自分が暖流の源になれるでしょう。

それは本を読むことです。

実際は本の中の登場人物が、私たちの心を温めてくれるのです。

なぜなら、本を読むときに「ネガティブな考え」で読んでいる人はいないからです。
みなさん、読もうとした本のことを、悪くは言いません。

自分が読んでいる本は、みんな大好きなんです。
好きだから、興味を持ったから読んでいるのです。

「そんな本読んでー」
とか、言われたら嫌になりますよね。

読んでいる本が、恋愛小説でもホラー小説でも、その人の好みですから、他の人から批難されることはないのです。

本を読むことは、自分の好きなことをしている時なのです。
ですから読んでいる本から、暖かい流れがやってきます。

✅  寒暖の差を感じる

「そんなことはない、太宰治なんて暗いぜ」

と思う人がいるかもしれません。
でもどうですか、人間って妙に明るいだけって嘘っぽくないですか?

SNSを見ていると妙に明るく、妙にポジティブな言葉が飛び交っていますが、実は、本当の人間の姿は一面だけではないのです。

こんなことは当たり前です。
みんな暗い部分に目を向けない、目を閉じているだけです。

人生の寒暖の差、明暗の差をテーマにして美しい物語を書いたのはヘルマン・ヘッセです。
第一次、第二次世界大戦の最中のドイツでヘルマン・ヘッセは暖流になろうとしました。

つまり人間は両面あるのですね。

明るくて美しいことばかりなら、幸せかもしれません。
醜い心、汚い行動は見たくないものです。
でも、そう思いつつも考えてしまう。ひょっとしたらちょっとだけやってしまう。
それが人間です。

このことから目を背けたら、また同じことをするかもしれません。
戦争や紛争は、人のこのような心の動きから生まれてきます。
人には「善」を押し付け、自分は「悪」の中にいる……
極端な場合は、このような感じを受けることがあります。

小説の大きなテーマはこの明暗、寒暖の差なのです。

✅  寒さを乗り越えて

南から流れてくる黒潮暖流は寒いところにやってきても温もりを維持しています。

それはなぜでしょう。
すぐにエネルギーを失わないのはなぜでしょう。

それは常に暖かいエネルギーが南から供給されるからです。
常に本を読むことのメリットはこのエネルギーの供給です。

日頃から本を読んでいると、寒さに絶えることのできるようになります。
寒さを乗り越える温もりをいつも本からもらっているからです。

寒くなっても温かい心を持つ。

多くの小説のテーマはこのことです。
ですから最初は暗くても、最後には不思議なことに心が浄化されているのを感じます。
明るいだけの小説はありません。暗いだけの小説もありません。

太宰治の生涯のスタートは暗いものでした。
『人間失格』を読めば、子ども時の様子から書き始めていることがわかります。
主人公は「乗り越えた」のではないかもしれません。
しかし「乗り越えられない」のが人間かもしれません。

だからと言って、諦めてはいません。
なんとかして生きる意味を見つけようとしています。
なんとかして心に暖流を持とうとしています。

小説家太宰治が最後に暖流を持つことができたかどうかはわかりません。
しかし、心に暖流を持とうとしたことは確かです。
どうして太宰治が暖流を持つことができたのか?

それは意外にも知られていませんが、本を手放さなかったからです。

太宰治の小説は、読書量で支えられているのです。

特に戦争中にも心が寒くならずに、小説を書き続けられたのは、読書量と心に暖流を持つという強い意志があったからです。

<この記事のまとめ>
心に暖流を持て
暖流になるために
寒暖の差を感じる
寒さを乗り越えて

<個性的な読書感想文のヒント>
小説の寒暖の差、明暗の差を感じる
寒さ、暗さをどう乗り越えたのか
温もりを保つために行ったこと
心が浄化された理由を考える


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文字を媒体にしたものはnoteに集中させるため

ブログより移動させた文章です。

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