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【今だけ全文無料公開】中国・唐山事件でまきおこる、黒社会の唐山政府支配に怒る市民たちの「実名・顔・身分証出し告発TikTok」の嵐。


外国人からは見えない中国人社会の闇

日本でも中国界隈では話題になっていた唐山事件。

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(写真はhttps://tw.appledaily.com/international/20220613/OQ43BCIP2ZFY3ESZXQYVZNHLVA/ から)

唐山のレストランで食事をしていた女性たちに、見知らぬ男たちがちょっかいをかけた。やめてよ、という反応を示した女性を男たちが集団で店の外に連れ出してまで暴行。

私も、多くの中国ディープ在住者と同じく最初は流していた。
だって、中国ではありふれすぎていて。
そして誤解を恐れずいえば問題は男たちが「女性をめちゃくちゃに殴った」ことではない。

問題は、彼らが自分たちは何をしても大丈夫と思っていた環境である。

抑止力、ゼロ。

外国人にはあまり知られていないが、中国の地方都市、農村というのは黒社会の巣窟である。黒社会が地方政府を乗っ取っている、そもそも地方政府が本来黒社会だった、という例も少なくない。中国は革命の時に地方の匪賊を取り込んでいる。それがそのまま残っている場合もある。そもそも中国共産党も軍事(暴力)政権です。

「公安も政府もグルの、外国人には絶対想像のつかない暗黒さ」(中国人)。

私も最初はわからなかった。
中国へ渡った20年前はまだ個人旅行が一般的でなくよく中国人ツアーに参加していた。
で、当然ながら! 行く先々で詐欺同然の目にあう。約束されていた食事がなかったり、妙な買い物を押し付けられそうになったり。
でも日頃ドケチな、北京では1元2元で店主と大喧嘩している中国人たちがどんな目にあっても絶対怒らないんですね。
その地にはそこを仕切っている黒社会がいるから。余所者は何されるかわかったもんじゃないし、地元の警察は地元民でさえ助けない。

唐山の件も、SNSで全国的に話題になり(というか人々が積極的にそうして)、犯人たちは捕まった。が、動いたのは唐山の警察ではなくお隣の廊坊の警察。唐山の警察は彼らの傘下で捕まえたりなんかできない。

これは人身売買でもよくある。
中国の西南地域の僻地、貴州省や雲南省はタイやベトナムやミャンマーと地続きで人身売買と麻薬の巣窟である。地元の警察はだいたいダメ。誘拐されてきた花嫁が逃げようとしたとき、捕まえるために出動する。中央も手を出せないことがしばしばある。

私も貴州省の山奥でバスのなかで一人旅の中国人女子が、下車後、待ち構えていた数名の男性に山中に連れ去られるのを見たことがある。彼女は車中で不正する運転手と派手に喧嘩していた。
私は騒いだけれど、バス停の保安も村人も誰も知らないふりで、「警察はこの村にはない」と言われ実際携帯の通報は通じなかった。そして無理やりホテル行きの車に乗せられた。自分は外国人(の中でも多少国力のある日本人)だから安全だっただけで、中国人だと一緒に連れ去られていただろう。

さて、この唐山女子殴り事件が起こってから、主に中国版TikTokの抖音で、政府の黒社会との癒着を、実名、顔出し、身分証つきで告発する動画が上がりだした。

告発の形式は同じ。
中国人の命! ともいえる身分証をかざしながら、最初に自分の名前を述べ、いつどこで、誰から(黒社会の人々の実名、政府関係者の実名)とこういうことがあった、である。
これがどんなに勇気のいる、どんなに恐ろしいことかは、住んでみないとわからない。法も政府もない、ヤクザの力支配の国で自分のすべてを晒すのである。それだけに迫力がある。

若い女性の告発。5月23日、黒社会の一群(全部名前公表)が、私と友達をバー(場所も公表)に連れ込み、店の中のすべての監視カメラの電源を切って、16時間拘束した。携帯や鍵など私物は全部取り上げられ、殴られ、犬の檻に入れたりされた。警察に通報しても調書すら取らない。

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警察からは逆にSNSの映像を削除しろと言われる始末。

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犯罪現場は公安局のすぐ向かい。前に書いた上海紅楼の事件と同じ……。

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同じく自分も相手の名前も場所も全部公表で。
『唐山の雇われの黒社会グループが私の夫を殴り失明させました。彼らは暴力で脅して詐欺罪を行い、また鉱山で資源を盗み2000万トンの火薬を製造。被害総額は5億元に上ります。また少なくとも23人を騙し、個人の財産を奪いました。しかし公安は立件せず5年が経ちます』


男性も沢山アップしている。
唐山市豊南区建設局長に自分の会社の土地を乗っ取られ、マンションを建てられてしまった男性。局長が勝手に土地所有者の名義を変えてしまう。ディベロッパーと組んでいるんだろうな。336室のうち290室が販売済み。
日本でも建設と黒社会は仲良しですが、中国はその比ではない。

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保安(ガードマン)をやっていた息子が業務上の事故で死亡。賠償金の90万元(約1800万円)を会社が押さえてしまって母親の手にはわたっていない。
政府や法律に訴えても無視されている。

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息子が雇われの黒社会5人組に殴り殺された。犯人は自主したものの当日に釈放。警察は死体には傷がないからと説明。


唐山の75歳。立ち退き問題で30数人の鉄パイプと刀を持ったヤクザたちになぐられ手足の骨を全部折られ、店を破壊され、車を焼かれた。子供は怖がって学校にいけず、家族は家からでられず……。

中国、不動産がこの20年でものすごく値上がりしたけれど、その裏には無数のこのような話がある。


2500万元(5億円)の借用証書を捏造された人。

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ある日、突然、黒社会が自分の経営している店にやってきて、いきなり門に鎖をかけられ、商品を大通り上に捨てられ拘束された。今も帰る家はない。

これ、たぶんお店の乗っ取りですね。

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農村エリアも大変。
村の共産党書記が、豚市場を乗っ取り。自分の豚を高く売るために他の販売者たちを締め出した。抗議したら殴られた。通報したらさらに5人がやってきて殴られた。

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漁業のもあった。

あとは翡翠絡みで大規模詐欺事件があったようで、集団で告発している。捕まらないんだろうな。

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ようは党と政府と公安と司法と黒社会が癒着すればそれは本当に何でもできる。詐欺事件を起こしても不起訴。人を殺しても捕まらない。土地の名義を書き換える。暴力で追い出す。店を乗っ取る。
大都市は多少ましだが、中国では各地でものすごく普遍的に見る状況。

下は今回の件で告発や直訴が盛り上がりを見せ、唐山の公安局に殺到する人々。
北京でも普通にあります。オリンピックぐらいまでは陳情する地方の人々が住む村があったし、現在も東城区の苦情申立所はよく行列ができている。

さて、こういう問題は別に地方都市だけの話ではない。

北京、上海の終わることのないPCR検査、どう考えても異常なゼロコロナ政策。皆さんもなにかおかしいと思うでしょう。企業でも都会でも裏にベッタリと黒社会が張り付いているのが中国。

中国に長く暮らしていても、「しょせん、人の国」「自分が何をできるでなし」「日本国内の大変な人々を」「まず自分を」とずっと思ってきた。でもどこか揺らぐ今日この頃。
国が大きすぎて、無理がある、と思っているのは別に外国人の私だけではないだろう。でも中国中央にとっては大国であることが第一である。
いろいろ怖くてなかなか帰れない。

#唐山 #中国 #Tiktok #抖音   #女性 #中国ロックダウン  

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