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人間関係で大切なことはみんなラウンドワンで教わった 前橋編

※引き続き登場人物は仮名です。

やっぱり起きる“人間関係”の難しさ

 仕組みばかり作って・・アルバイトさんとのコミュニケーションを疎かにしていたが為に、入間店では大失敗してしまった・・

 そして、一番の不幸は、辞めていったアルバイトたちだ・・
 私がしっかり管理していれば、今も楽しくラウンドワンで働いていたに違いない・・

 そんな思いは絶対にさせない!!!

 固く決意し、挑んだ前橋店!
 
 『さぁ面談だ!!』
 アルバイトさんの出勤時間や役割が振られている、“ポジション表”に(面)と言う字をどんどん書いていく!

 『南さーん、この時間面談なので、スポッチャカラオケの8号室に来てくださーい』
 「はーい!行きまーす!」
 
 実は、スポッチャのフロアにもカラオケルームが設置されている。機種はやや古いタイプのものですが、十分に楽しむことが出来ます!!

 『南さん、いつも遅番のシフトに入っていただき、ありがとうございます!オペレーションやお客様対応で何か困ったことないですか??』
 「そうですね・・落とし物対応がちょっと曖昧で・・」
 
 (そうか・・これ・・他のアルバイトさんも困ってるかも知れないな・・)

 私は、面談の時に出た、“曖昧な部分”を出来る限り、スポッチャアルバイト全員と共有していきました。

 そして面談をしていると、“人間関係”の悩みを耳にするようになります。

 「菊池さんと一緒に入ると大変なんです・・」
 『えっ菊池さん??』
 「特に社員さんがいない時なんですけど・・勝手に自分のルールを作って、教えてもらっていないことを突然やりだしてしまって・・」
 『そうなんですね・・』

 (菊池さんか・・全然悪い方じゃないと思うんだけどな・・・)

 『以前に別のラウンドワンのスポッチャに行ったときなんですけど、すっごく楽しくて!店員さんもすごく優しくて!わたしもスポッチャで働きたい!!って思ってスポッチャを希望してました!』

 私が菊池さんと初めてお会いした時のことです。スポッチャ愛に溢れた方、接客も丁寧な方。

 “いらっしゃいませ~こんにちは~”と心地よい声が響いてくるのも、いつも菊池さんでした。

 そんな菊池さんがチームの輪を乱す・・そんなことがあるのか??

 しかし、残念なことに、菊池さんに対するマイナス情報はこれだけではありませんでした・・
  
 『よく菊池さんが暴走します・・』
 『勝手な判断してます・・』

 たとえ、菊池さんに非がなくても、なんとしないといけない・・

 何と言っても入間での失敗がある・・あんな思いはもうごめんだ・・

 私が菊池さんと面談をしようとした時、すでに若干周りから距離をおかれているような状態で、菊池さんの表情に以前の輝きはありませんでした・・

 『菊池さん・・あとでお話が・・』
 「はい・・」
 (全然元気がない・・)

 そして面談へ

 『菊池さん・・』
 私が話をかけると、
 「すいません・・なんかみんなに迷惑かけてるみたいで・・・」
 話をする前に菊池さんは泣き出してしまった・・

 (うーん、どうやって話したらいいかな・・・)

 『菊池さんね、一方的に自分の要求だけしてても、うまくいかないからね!相手の思ってることも確認しないとさ!』
 「は、はい・・・」
 『なんだろうな・・サッカーでいうとさ・・自分が出したいパスと相手がほしいパスって必ずしも一致してなくて・・パスを出す前にコミュニケーションを取っておく必要があってね・・・』
 (ってなぜサッカーの例えを・・相手は女性だぞ・・・)

 それでも当時の私は、ベストな話をしていたと思っていました。

 しかし、今の私からしてみたら、大間違いだったと捉えております。

 “本当に大事なことは??”
 それは、菊池さんを守ること、そして菊池さんと周りのアルバイトとの関係を改善させ、お互いが気持ちよく働いてもらうこと。

 でもそれは叶いませんでした・・

 その後、菊池さんは徐々に周りとの距離が離れていき、退職することになってしまいます。

 菊池さんは決して悪いことをしている訳ではありませんでした。
 ただ、やり方が強引で、周りが困惑していただけ。
 やる気があるか、ないかでいうと、完全にある方!
 自分で仕事を見つけて、行動が出来るまさに奇行種と言える人材。

 あんなにモチベーションが高くて、みんなのリーダー的存在だった菊池さんが・・

 私は、ただ多数側についただけで、一生懸命やってきたアルバイトを退職に追いやったことに変わりはありませんでした・・・

一緒に作っていく

 「谷崎さーん、今度面談いつですか??」
 『来週くらいからやっていくよ!!』
 「じゃあその時に(笑)」
 『いやいや、今言ってよ・・』
 「別に急用じゃないんで(笑)」
 
 面談は本当にやってよかったと思っております。

 もともと私は、おしゃべり好きでしたので、自然とアルバイトさんたち情報も入ってきますし、彼らにとっても良いガス抜きになっていたのだと思います。

 「私・・毎回思ってたんですけど・・バドミントンのラケット・・これで捨ててしまうのがすごくもったいないと思うんですよ・・」
 『たしかに、折れたりしてるわけじゃないので、ちょっともったいないですね・・』
 「ガット(ラケットの網の部分)だけ交換したらいいのに・・って」
 『そうですよね・・』
 「私、道具持ってるんですけど、直せるラケット、直してもいいですか??」
 『マジっすか??!今度私にも直し方教えてください!!』

 バドミントンのラケットといえば、スポッチャの消耗するアイテムランキングでも上位にあたる。これが直せるなら、かなりコストが抑えられるし、在庫不足の心配もなくなるぞ!!

 後日、東さんから、ラケットの補修を教えてもらった。
 『めっちゃ簡単ですね!これならみんなできそうだ!』

 さらに・・

 「谷崎さーん、卓球のピンポン玉なんですけど・・」
 『どうした??』
 「凹んでるだけなら、お湯につけて復活するんじゃないですか??」
 『そうだっけ??』
 「昔、理科でやったようなやってないような・・」
 『よし!やってみよう!!』

 卓球のピンポン玉もよく消耗します・・・
 すぐに凹んだり割れたりするので、1日に10個以上交換もよくありました・・・

 スポッチャの備品は、廃棄する前に一時的に保管する場所があります。そこから凹んでるだけのピンポン玉を回収すると、かなりの量になっておりました。
 
 これが全部復活したらすごいことになるぞ!!!
 
 期待に胸を躍らせながら、スポッチャのフードカウンターへ!

 スポッチャに設置されたフードカウンターの裏には小キッチンがあり、電気コンロが設置されていた。
 
 『じゃあ入れてみよう!!佐藤さん気を付けて入れてね』
 「はい!」
 一気にお湯につけていく・・すると・・
 『すげー!!みんな元通りになってる!!!』
 「これでだいぶ捨てずに済みますよ!」
 『これすげーわ!!!』
 
 『早速マニュアルを作ろう!』

 仕組み作りは継続していた私、しかし入間と大きなが違いがあります。
 
 それは、“一緒に作る!”ということでした。

 私は、仕組み作りに必ず1人か2人、助手のようにアルバイトさんと一緒に行いました。

 理由3つ、

 1つ目はアルバイトさんからの意見が聞けること、実際にやるのはアルバイトさんなので、“こうしたらやりやすいですね!”と言った生の声を参考にしていた。
 2つ目は、落とし込みのスピードが速いこと、携わったアルバイトはすでに内容をしっているので、伝達後の落とし込みや経過確認を一緒にすることが出来る。
 そして3つ目は、1人でやるより、楽しい!!!!これが一番大事!いろんな意見を聞きながら、こうしよう!あーしよう!って都度修正しながら仕組みを作る!まさに文化祭の準備のようなイメージだ!

 “やるのはアルバイトさん”
 
 そうです!実行するのは、社員ではなく、アルバイトさんです。どんなに優れた仕組みでも、社員とアルバイトの意思相通が出来ていないと機能しない・・なぜなら、やるのはアルバイトさんなのだから。

 私は、入間でなぜ仕組みが浸透しなかったのか・・この時少しですが理解したのでした・・
 
 
続く・・

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