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人間関係で大切なことはみんなラウンドワンで教わった 前橋編

※引き続き登場人物は仮名です。

上司の意図

 “NO2社員の自覚があるんやったら、スポッチャだけでなく他の部門にも目を向けるように”

 以前内野エリアマネージャーからいただいたアドバイス。

 (おまえが支配人をしっかり支えていくんだぞ!)

 私はそう捉えておりました。

 ところが・・

 『ここに集まってるみんなは、会社にとって非常に重要な役割を担ってもらう、その候補者であることを自覚してほしい!!』

 「はい!!!」(一同)

 私は、“支配人候補者研修”に来ておりました・・

 「それにしても、すごい緊張感ですね・・」
 『企画の役員はほぼ全員いたよな・・』
 
 本社のお膝元、大阪某所で研修は行われた。
 候補者は約3~40名。
 日程は2泊3日。支配人として必要である知識を叩き込まれる!

 前橋店に着任して1年半、私は係長に昇格しておりました。
 
 少し前にはなりますが、“支配人代理”という職務が新しく設けられており、係長としてお店の責任者になった場合は、この“支配人代理”になる。

 店舗数が大幅に増えたことで、支配人が足らない・・
 といっても、課長代理に昇格するには・・・

 そんなところから、係長でも責任者になれるようにしたのだと思います。    (“代理”ってなってますが、やることは支配人と同じでしたけどね・・・)
 
 「ぼくなんて、係長になって間もないですから、“勉強の為に行ってこい!!”ってことなんじゃないですかね・・」
 『そうでもないぞ!今回選ばれてるメンバーは、エリマネから推薦がないとダメだからね!』
 「そうだったんですか??!」
 (内野エリアマネージャーは俺を推薦してくれてた??)

 “おまえも係長になったんやし、いつ支配人になってもおかしくないんやから・・”
 私はそう送り出せれておりました。

 「最終日のテストって・・やっぱり今回の研修をちゃんと受けてるか確認ってことなんですかね・・・」
 『いや・・テストの点数とエリマネの評価で俺たちの順位が決まって、上から順に支配人になっていくらしいぞ!』
 「マジっすか・・・」
 『俺は去年のこの研修に参加したけど・・みんなほぼ一睡せずに勉強してたね・・』
 「ガンバッテイキマショ・・」
 『おい!言葉とテンションがあってねーぞ!!』

 『いいか!これが出来なかったら支配人には絶対になれないからな!!!』
 役員の方々の熱いご指導をみっちり受け、テストへ

 「えっ問4の答えって・・・」
 『多分そこの答えは“B”だろうな・・』
 「そうでしたか・・」
 テストは自己採点したところ、出来栄えは半分くらい・・・といったところでしょうか・・

 「内野エリアマネージャー、無事研修が終わりました!改めまして、推薦していただき、ありがとうございました!!」
 『おう!そんでテストはどうやった??』
 「そうですね・・自己採点したら半分くらいってところですかね・・記述はどれもニュアンスは合ってるので、どこまで正解にしてくれるかにもよるかと・・・」
 『そうか、そうか!お疲れさん!山野寺支配人もな、社宅が年内で切れてしまうから・・俺としては、その後に谷崎が支配人になってくれたらな~って思っててな!』
 (えーーーー!そうだったんですね!!)

 “社宅”とは、

 転勤が発生した際、登録地(住んでいるところ)から、勤務先のお店までの距離が直線で40キロ以上離れている場合に、発生する控除的なもの。

 引っ越し費用と2年間の家賃を会社が負担してくれる。

 2年経過するまで、同じお店に在籍していた場合、“登録地”に戻るか、家賃を自己負担して残留するか、どちらか選択できるようになっている。

 『山野寺さんは、単身赴任で前橋に来てるからね!2年経過したら実家に戻るでしょ!』
 「たしかにそうですね!」

 山野寺支配人には、かわいらしい娘さんが2人いて、休みの日はほとんどといっていいほど、実家に帰られていたのは知っておりました。

 (もしかすると、内野エリアマネージャーは初めからこうなることをイメージしていたのか?!!)

  だからあの時!!

 “おまえがNO2社員の自覚があるんやったら・・”
 
 これは、“今後おまえがこの店を継承していくんやったら・・”

 ってことだったんだ!!!

 『エントランス(入口)がめっちゃ汚いぞ!』
 『駐車場の清掃はどうやってるん?』
 『もっと倉庫整理せな!!』

 お店全体の問題個所をよく内野エリアマネージャーにご指摘をいただいていた。

 「すいません!!すぐやります!!」
 『おまえがNO2社員という自覚があるんやったら・・』
 
 お馴染みのセリフをよく耳にしておりました・・

 『谷崎!おまえ支配人になりたいんだろ!』
 「はい!なりたいっす!」
 『じゃあコレをやりなさい!』
 「はい!!」

 山野寺支配人からもよく支配人業務の手伝い、というかほぼ全部をやることが多々ありました。

 “これをやれば支配人になれる!!!”
 
 私は勝手な思い込みで、支配人の仕事をガンガン手伝っていきました!

 前橋店に着任し、約1年半、入社して4年と半年。

 私は、前橋店の支配人に就任することになりました。
 (厳密的には、支配人代理)

 同期の中では、まさかの一番乗り。

 私は自分の実力で支配人になった!なんてことはなに1つ思っていません。
 
 入社してから、ずーっと支配人やエリアマネージャー、先輩社員、アルバイトさんといった、多くの方々の助けがあり、たまたま私が条件として揃っていたから、支配人という席に就けたのだと思っております。

 ここから怒涛の支配人業務がスタートしていきます・・
 

真似する>判断する


 『支配人、今動けますか?』
 (あ、俺のことか・・)
 「どうしました??」
 『お客様対応なんですけど・・』
 「わかりました!すぐ対応します!!」

 “支配人不在時はおれが責任者”

 NO2社員の間も、この気持ちでやってきたおかげで、お客様対応にそこまで困ることはありませんでした。

 “おまれがこのフロアの責任社員なんだ!!”

 これについては、板橋時代、田成支配人からもそう教わってきたので!

 そして、ありがたいことに、私が支配人になってから、お世話になった方々からもたくさんのアドバイスをいただきました。

 白川次長から、『謙虚でいなさい!』や
 内野エリアマネージャーは、『人格者を目指しなさい』などなど・・

 『谷崎支配人ね・・支配人になっても、ちゃーんとスポッチャ見とかないと承知しませんからね~』
 高階課長からも、ありがたい(?)ご連絡を受けた。なんとなくではありますが、“野球部引退後、監督がやさしくなる”みたいな現象を感じる・・
 
 私も今後味わうことになるが、“部下の出世”というのは、自分以上にうれしいこと。きっとそんな思いだったのだと感じております。

 私が最もプレッシャーだったのは、私の判断がお店の判断になること。さらには、会社の判断になってしまうこと・・

 『社内伝達ってこんなに多いんですか??』
 「そうだね・・支配人になって一番最初に戸惑いうのってそこだよね~」
 『山野寺さんはいつもどうしてたんですか??』
 「おれは受信BOXを部門ごと振り分けてるよ!」
 『そうなんですね・・ありがとうございます!』

 さらに追い打ちをかけるように大苦戦したのは、社内伝達の量でした・・

 今までは、スポッチャが中心でしたが、支配人になると、ボウリング・カラオケ・アミューズも追加される・・
 (しかもアミューズの伝達がビビるほど多い・・)

 『会社の売上の半分くらいをアミューズメントが担ってるからな!特にアミューズメントの伝達は漏らさず確認しなさい!!』
 内野エリアマネージャーからも注意を促されておりました・・

 『もしもし、お疲れ様です!前橋店の谷崎です!田辺支配人はいらっしゃいますか?』「はーい!少々お待ちください!」
 「田辺です!」
 『あー田辺さん!!毎度すいません・・今回のアミューズメント企画から来てる案内なんですけど、田辺さんはどう進めていきますか??』
 「あれね!まずは、来てた案内メールをアミューズ社員と共有して、いつまでに何をするかの指示してるよ!」
 『ありがとうございます!私もそうします!!』

 『内野エリマネ、何度も連絡すみません・・本日トラブル報告書を上げる案件がございまして・・』
 「そしたら、“現在内野エリマネに報告し、指示を仰いでます”って記載しておけば、変な突っ込みないから!そうしておいて!」
 『ありがとうございます!』

 私は、しつこいくらい、先輩支配人や、内野エリアマネージャーと連絡をとり、常に誰かしらの“フィルター”を通した上で、支配人業務を進めていきました。

 心がけていたのは、“私はこうしようと思ってるのですが・・”を添えること。
 ただ質問するのではなく、自分がやろうする判断が間違っていないか、答え合わせをしてから、アクションをしておりました。

 (俺が勝手に判断するなんてまだまだ早い!1つ1つ業務を覚えていこう!)

 判断より、真似をする!これを継続していきました。

 はたして、これが良いのか悪いのか・・
 1つ言えることは、私は今後徐々に保守的な考えになっていきます・・

続く・・
 

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