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もう一度できるなら、ここに戻ってあの姿を『特撮のDNA 平成ガメラ三部作展』

子供の頃は感じていた 目に見えないそのパワーをみんな確かに信じていた 大きな意思の力がある……

「う~~ハンズ ハンズ!」

今 東急ハンズを求めて全力疾走している僕は鳥取県に住む ごく一般的な三十代

強いて違うところをあげるとすれば
ガメラに興味があるってとこかなー

そんなわけで大阪の梅田にやって来たのだ

ふと見るとタワーに一羽の怪鳥が座っていた。

ウホッ! いいギャオス…

ギャオス「闘 (や)らないか?」

というわけで、大阪梅田で開催されている

「特撮のDNA 平成ガメラ三部作展」(2022年10月10日まで)

のレポート記事です!

平成ガメラ三部作といえば、好きな映画という枠を越え、私の人生に多大な影響を与えた作品です。


そんな平成ガメラ三部作の、実際に作中で使ったスーツやミニチュア、資料などが展示されるという企画。

東京でやっているのをネットで見て、行きたいっ、東京とは……っ、せめて大阪か京都でやってくれないものかっ、などと思っていたところ、大阪梅田でも開催するという情報が。

かなりスケジュール等、厳しい中ではありましたが、大阪まで飛んで行ってきました。
経費削減の為に、高速は使わず車で下道をを通り(片道8時間)、日帰りでトンボ帰り。さすがにハードで無理はしましたが、それでも行ってきてよかったです。

動画でも、SNSでもことあるごとにガメラの話ばかりしてる私ですが、更なるキモオタムーブ全開で語っていこうかと思います。

大阪、梅田に来たのは一年以上振りです。
前回、来たのは「ガメラ3」のドルビーシネマ上映を観に来た時でした。

去年はドルビーシネマ、今年は特撮のDNAと、二十年以上前の作品なのにこうやって定期的にイベントをしてくれるのは本当にありがたいです。

もう一度できるなら、ここに戻ってあの姿を
あの頃見たものを、再び大人になってから見れる日がくるとは思っていませんでした。

しかし、シルバーウィーク真っ只中だったこともありますが、かなりの人ごみでまいってしまいました。
学生時代は梅田の学校に通っていましたが……よく住んでたなぁ、自分。

東急ハンズは、在住時代は行ったことがあると思うのですが、大阪駅ビル自体がかなり変わっていたので、スマホの地図片手に迷いながらなんとかたどり着きました。

ビルに来るだけで体力を消耗してしまったので、カフェでエネルギー補給。
普段、入ることがないようなちょっと良いカフェでございます。

ーーーー来た。


東京タワーとギャオスがお出迎え。


私は幻の至宝といわれる「平成ガメラ三部作」への扉が 今ここに開かれているのを まのあたりにし興奮半ば朦朧としていた。

入り口前には過去のガメラ作品のポスターが。
平成ガメラの話ばかりしていますが、昭和もガメラもちゃんと好きです。

人生で初めて買ってもらったソフビはギロンでしたし。
作品では「ガメラ対大魔獣ジャイガー」が好きでした。

入場特典、平成ガメラ一作目のチケットを模したプラスチックしおり。
こういうグッズ、好きです。

展示スペースはG1コーナーと2&3コーナーに分かれており、私たちは2&3から見て回りました。

まず目に入ったのがソルジャーレギオン!



映画が公開された小学生当時、一番好きだったのはソルジャーレギオンでした。
でも、当時は玩具があんまり売ってなかったんですよね。
なので、今回、現物のスーツがあるとネット見て楽しみにしていました。

推しとツーショット!

こんなところにも眼がついてるんですよね。



撮影で使った様々なサイズのガメラが。


スーツだけでなく、小さいサイズのガメラもたくさんいるんですね。
このサイズでも、映画で見るとリアルに見えたので、現在、特撮映画を作っている身としては励みになるし、解説ボードも勉強になります。


巨大レギオン!
スーツは持ってこれなかったのか、現存していないのかわかりませんが、今回展示されていたのは頭部のみでした。それでも凄い、迫力。

この、角が左右に開くデザインとギミックは、天才的かつ悪魔的だと思います。
マイクロ波も、赤い触手も、初めて見た時は衝撃的でした。

そして個人的に好きな演出がこれ。
ゲド戦記と、その後ろに置かれたお酒。

「酒でも欲しい気分ですね」
「あるよ。……ゲド戦記の、後ろ」

こういう小ネタ大好きです。

3コーナー。

自分的にソルジャーレギオンと並んで、絶対見たいと思っていたのがこちら。

イリスの繭、ひな形

これは「ガメラ3」公開後、資料本でみて凄い心に刺さるものを感じたのです。
まさか二十年越しに本物を見れる日がくるとは。

悪魔的かつ、芸術的で、美しい……。

自分の表現していきたい、妖艶さとグロテスクさの原点であり究極系の一つであります。

……あの日、人目もはばからず写真を撮りまくっていた変態は私です。

これはあくまでイメージモデルで、監督曰く。子どもに見せられないからと本編では表現をマイルドにしたとのこと。

いや、それでいい……多分、これをそのままやられてたら、当時の自分はちょっと退いてしまって、これだけ入れ込む作品にはならなかったと思うので。監督の英断です。

しかし、帰ってから改めて「ガメラ3」を観ると、綾奈とイリスの二度目の融合シーンでは、このモデルにかなり近い形で再現されてるんですよね。

※映画「ガメラ3 邪神覚醒」より引用

このコーナーにはイリスの幼体や小道具の数々が。

みんなのトラウマ、吸い込まれた缶詰め。

このブースにはガメラ2のスーツ、および今回の目玉の一つであろう復元されたG1ガメラの姿も。

G1ガメラのスーツは、そのまま2のガメラに改造された為、現存していないとのこと。
それをクラウドファンディングで資金を集めて、復活させたとのことです。

ガメラ2のスーツ。

そして復活した1のガメラ。
この頃のガメラはまだ亀っぽさがある、可愛い感じのビジュアルです。

そして、最大の展示物がこちら。

ガメラとイリスが対峙した巨大ジオラマ!

天地否、それ滅びなん……。

自分の人生を変えた作品、その本物が目の前にある感動。

イリスのスーツはかなり痛んでいます。しかし、むしろそれが22年前の実物であるということ物語っています。

映画の成功を祈願し、私にとっての神と、スパイアと一緒に写真を。

邪神と

守護神と

細かく作り込まれたミニチュアは、これから特撮映画を撮るにあたり勉強になりました。
資料として大量に写真を撮ってしました。

足元のこの祠、柳星張のものらしいです。私としたことが気付きませんでした、不覚……っ!(他の方の投稿で知りました)

続いて一作目「ガメラ 大怪獣空中決戦」のコーナーに。

移動通路に展示されていたイラスト。この絵、好きです。

「小さき勇者たち」もちゃんといるぞ!

絵コンテなどが展示されています。
私は、絵を描くにあたって、一番影響を受けているのは、実は樋口真嗣監督の絵コンテ集だったりします。

樋口真嗣監督のイラスト。かっこいい!

撮影で使用されたミニチュアたち。

一作目でギャオスがさらった「あの電車」も。

ギャオスのスーツはクライマックスで爆破してしまったので、脚しか残っていないとのこと。そう考えると、特撮というのも、花火と同じく刹那的な美しさの世界かもしれません。

作品の象徴と言える、東京タワーのギャオス。

この東京タワーの制作話がボードやパンフレットに書いてあったのですが、当然ですがかなりの工夫や苦労があるようで、面白いと同時に、感慨深い気持ちになります。


初期のデザイン画。
当時は意識していませんでしたが、平成ガメラの怪獣をデザインしている前田真宏さんは、エヴァンゲリオンにも深くかかわってますね。
そう思うと、自分の感性とかはこの辺りの人たちに作られて、それこそDNAに刻まれてるんだなぁと実感。

帰り際にもう一度、会場を一周した時に気付いた、3コーナーに吊られているギャオス。
上にいたので見落とすところでした。

いかなる武術を極めようと、頭上は人間にとって絶対の死角……っ!

とても素晴らしい展示で、鳥取から大阪まで行く価値は十二分にありました。
開催していただいた方々、本当にありがとうございました。

自分も一、映像に携わる者として、先人たちから伝わる“DNA”を継いでいけたらと思います。

翌日に予定があったので、前述の通り日帰りで鳥取に。
道中の、夜の明石海峡大橋。

今回の展示のYoutubeラジオです。ブログに載せきれなかった写真などもスライドで紹介。
ゲストに谷山智子さんを迎え、お互いの感想なども交え語っています。


この時期、米子市で開催されたアンデパンダン絵画展に出品しようと、制作中の特撮映画「スパイア 蠱毒の妖姫」のイメージイラストを描いていました。

この絵を描く前に、展示を見ておきたいというのもあって、少し無理して大阪に行ったというのもあります。おかげさまで、かなり良い刺激になったと思います。

その時、描いたイラストがこちら。


こんな雰囲気の映画になる予定です。実写に落とし込んでいけるよう、頑張ります。



イラストの下書きや、制作過程。



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