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プランター栽培をはじめたら、ネット検索から自由に風通しよく過ごそうと思った。

家で過ごす時間が長くなったので、やってみたいと思っていたことをやってみよう月間にした5月。

野菜と花のプランター栽培を始めた。

友人宅でお昼に素麺をごちそうになったとき、友人が庭で大葉を探す姿に心惹かれたのが、「やりたい」のきっかけ。

あったかなぁと冷蔵庫を探すのではなく、庭を探して見つけて摘む。その流れ、リズム。友人が着ていたキャミソール型のワンピース、素足につっかけたサンダルと相まって最高によかった。

わたしは好奇心旺盛なので、絶えず「やってみたいこと」が発生する。小さなところでいえば、テレビで簡単DIYが紹介されればやってみたいし、SNSでおいしそうなレシピが流れて来れば試したい。大きなことになると、空想してはトライしたり、しなかったり。

一方で、好きになれば熱は冷めないけれど上手くマッチしなかったとき、全くもって興味を失う極端な自分も知っている。

植物は生命だし、ずぼらには扱えない。それに、引っ越しの時に土やプランターが厄介になるんじゃないかと頭をよぎって躊躇していた。

でも、こんなに自宅にこもれる機会なんてそうそうない。娘と庭で水やりや収穫をするのは楽しそう。それにあれだ、昔ともに暮らした人はそういうのを嫌がったけど、わたしは自由の身なんだからさ!

そういえば、いま飼っている金魚だって飼育しながらコツをつかんだ。何度か病気を見つけ、隔離した塩水浴で治してる。生命あるものは、その分愛情も深まる。

と、最近の気温のようにグングン高まる気持ち。ついに先日、ミニトマトとバジル、大葉の苗を買ってきた。ほんの少しでも収穫が出来れば苗代がペイできちゃうほど安価な値段にも心が躍った自分は、やっぱりケチで貧乏性だなと思いながら。

初心者なので、種からではなく苗にした。ケチな上、せっかちで待てない性分なのだ。種からでは、きっと心が先にしおれてしまうだろう。

実家で昔、母もちょっとした家庭菜園をしていたけれど、当時まったく見向きもしなかったし、わたしの園芸知識は日曜朝のNHKをイイナ~と眺めてていただけ。見ていたくせに全然頭に入ってない!だから買い物の間、土の量や植え方などを調べるため、スマホで検索していた。

帰宅してからも検索、検索。
ここ数日で最もよく目に触れ、なおかつ印象に残った言葉は「コンパニオンプランツ」。
だって、コンパニオンだよコンパニオン!

ラッキーなことに、ここ数日ずっと天気もよかった。毎朝、水をやったり葉を観察したりするのが楽しくなって、世話を続ける自信も欲も高まる、高まる…

・・・

昨日、新たにイチゴとナス、キュウリ、マーガレットやアレナリアの苗を買ってきた。

店の園芸コーナーで大きなカートを片手に見たスマホから、ナスは育てるのが難しいと知った前回。だからその日は、一度手に取ったナスの苗を棚に戻してミニトマトだけにしたんだっけ。

なのに昨日は違った。だってさ、ずっと敬遠していたらその難しさを体験することもできないじゃん。ネット検索の上澄みをジュルジュル舐めながら大好きなナスの揚げ浸しを食べる人生でいいのかと思ったら、いつの間にか掌に苗が置かれていたんだよ。

たかが数日、水やりをしただけの経験が、こんなに自分を引っ張っていくとは。我が家にナスの苗がおいでなすってしまった。為すしかない、為す術がない、なんてなりませんように。

そういえば、プランターに花を植えるのは初めてかも…それにイチゴなんて育てようと考えたこともなかったな…と思い、買ってきた土や苗を前にして庭で再びスマホを取り出した。

イチゴ プランター 育て方
イチゴ 土の量 いくつ
家庭菜園 日当たり 置場
ナス プランター 深さ
ナス コンパニオンプランツ


ひと通り検索して、基本は理解した。そのとき、ふと思った。

もう、自由にやろう。

教科書的な基本を知るのは大切だし、命を育てる責任でもある。でも、基本以上のことは自由にやろう。

だって、ネット検索なんてないときは店員さんに聞いた基本やテキストを見て実行したら、あとは自由に楽しんだはずなんだから。

YouTubeで初心者向けに丁寧に教えてくれる動画も、世話や成長の記録を発信してくれるブログもありがたい。分かりやすし、はじめやすくなる。

でも、がんじがらめになっちゃうのはもったいない。

しかも自分が、がんじがらめになりやすいタイプなのを忘れていたよ。取り越し苦労を率先する方じゃん、こんなところまで持ち込むなよ。

この感覚、娘の名づけに安斎勝洋さんの本を読み終えたときに似てる。最善とされる音の中から音や画数などが絞られていき、忠実に従ったら名前はほぼ決まり打ちになるのではと思った。

土の量が微妙に足りない…プランター、これじゃ深さが足りないかも…置場、ここはダメかも…こんな感じで花を植えたかったけど推奨されてない…

ていねいに扱い育てることと、情報という無数の糸にがんじがらめになってしまうことはちがう。

プランターなんて工夫して袋やトレーで代用したっていいし、花だって好きに配置したらいいじゃん。ベストな量より少しだけ土が足りなくたって、その環境で育つものは育つんだから。

そういえば金魚だってそうだった。大きな水槽で多くの水量で飼育してあげたほうがいい。でも最低限の大きさと水量をクリアすれば大丈夫。金魚は、水槽の大きさに合わせて体が大きくなっていくから、育てたいサイズの目標値に合った水槽で飼うのが鉄則なんだって。

初夏を感じる風を素肌に感じながら、じょうろで水をやる。
そのとき風がすり抜ける余白が、わたしにも欲しい。自由と余裕という、余白が。

だってそもそも、風にふわっとワンピースを膨らませられながら「大葉、ないかな~」ってしゃがみ込んだ友人のあの感じが、やりたいだけなんだから。

売ったり生計を立てたりを目指してるんじゃないよ、わたしは。楽しめ、楽しめ。


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