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たまねぎ君はヤンデレ彼氏

私はたまねぎが好きだ。家に常備している食材といえば、牛乳、たまご、そしてたまねぎ。

たまねぎ君の魅力は計り知れないけれど、そのヤンデレ具合いはたまらない。

一人、たたずんでいるときは「別にお前に興味ないし」とでも言いたげな、好かれる気まったくナシの風貌。

気安くさわってくるなという意思表示なのか、ガサガサの服(皮)をまとい、独特のオーラ(におい)を静かに放っている。

いざゼロ距離ともなれば「俺と一緒になる覚悟あんの?」、「俺じゃなくてニンジンにいけば?」、「トマトとはもう切れたのかよ」と振るいにかける刺激的な視線。

しかし隠し切れない優しさが澄んだ地肌に滲んでしまっているから、あなたは悪い人。

あふれそうな涙で瞳を揺らしながら「それでもいいの」と誓った人にだけ許される、あまいひととき。

その後のデレっぷりは半端ない。

「俺はお前のだから。お前も俺のな」という台詞をささやきながら、火に熱されれば飴色の誘惑、湯であそべば蕩ける時間を約束してくれる―

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朝の6時に、いったい私は何を書いているのだろうか。そろそろ約束の時間。
待ち合わせの台所へ、行ってきますね🧅

(2021.7.20 tue)


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