2014年3月の因島で猫のミイラを見ませんでしたか

タイトルの通りです。

2014年3月、岡山県・倉敷から山口県・岩国までの横断旅行をした。

その2日目、広島県・尾道からしまなみ海道をサイクリングし、
日中で行けるところまで行こうと出発した。

大三島で愛媛県に足だけつけて折り返し、
また因島に戻る頃には夕暮れを迎えていた。

薄暗くなった道中、ふと道の端に何かが落ちているのを見つけた。
黒い塊だ。
動物くらいの大きさだ。

猫のミイラだった。
苦しそうな表情を浮かべ死んでいた。

おそらく、冬の間に事故にあったため
体の形が崩れることなく春が来てミイラになったのだろう。

さながらスタンドバイミーで主人公達が、見知らぬ少年の死体を
見つけたような感覚を味わっていた。

死んだ猫がどのような猫だったのか、
もう決してうかがい知ることはできない。
もう死んでいるのだから。

亡くなった猫の魂をもてあそぶつもりは毛頭ない。
しかし、そのような猫がこの世界にいたということを、
ここに記しておきたい。

あの時、一匹で死んでいった猫の存在を、
そしてその存在を一人見つめていた自分を、
この記憶を、他の誰かと共有できるだろうか。

どなたか、2014年3月の因島で猫のミイラを見ませんでしたか。

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