夢の旅 ディズニーランド

なんとなく今年は村上春樹ブームで、まだ未読だった「1Q84」→(「スプートニクの恋人」)→「騎士団長殺し」→「アンダーグラウンド」の順に読んでいた

この順番は特に意識的なものでなかったのに、不思議な示し合わせのようだ。

アンダーグラウンドの明石さん。電車で半泣きになりながら読んだ。
村上春樹が見た彼女は1Q84の手を握る青豆、騎士団長殺しの洞窟で失われるコミやまりえの目の輝きなのだろう。
アンダーグラウンドでのインタビューから10年、20年経っての彼女たち。

なんだか救われるように感じた。
でも本人である明石さんは彼女たちを知っているだろうか。読んだだろうか。きっとおそらく読めないことを想像するとやるせなさに苦しい。

アンダーグラウンドで村上春樹は自身が明石さんに救われたどのような記述があったが、小説の彼女たちも明石さんを救うのではなく、読者たちを救ってる。

アンダーグラウンドの明石さんは絶望の中の希望の淵のような場所にいて、このまま希望が広がって夢の旅ができることを祈って閉じた。

気になって検索すると昨年亡くなったらしい。
夢の旅に行けたのかどうかがどうしても気になったが、どこにも書いてない。
車椅子で法廷に出たとの記述もあったが、やはり麻痺がひどいようだったしきっと行けなかったのかもしれない。やるせない。

また青豆に会いたくなる。
また明石さんのインタビューを必ず読み返すだろう。

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