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「お盆」は餓鬼道に落ちた母親を救いたいという優しい心のお坊さんから始まった

わこもんは子供の頃、お盆は戦争で亡くなった人の為の行事だと思っていました。

地域によって違いはありますが、8月15日を中心にお盆の期間としていて、様々な行事を行うため勘違いしていたわけです。

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後になって、お盆は先祖の霊を祀る行事であることを知りましたが、人によってはお盆に関係なく、頻繁にお墓参りをしたり、毎日お仏壇にお供え物をして先祖の霊を祀っていますよね。わこもんの祖母も仏壇へのお供え物は毎日していました。

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とすると特に先祖の霊を祀るための「お盆」って何なのか、疑問が湧いてきませんか?

WEBで「お盆」を検索しまくり、その謎をちょっとだけ解明してみました。

少しだけ小難しい内容ですが、読んで頂けると、今まで曖昧だった「お盆」の認識がはっきりして「そういうことだったのか」と思って頂けます(^▽^)/

お盆の語源

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お盆の語源は「盂蘭盆」(うらぼん)というインドの言葉からきたという説が有力で、インドの言葉の発音を漢字に当てているので、漢字自体には意味はないようです。

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ところが、日本語の訳として「盂蘭盆」を「ご飯をのせた盆」というのがあり、この訳を採用すると、インドの「ボン」という音の言葉と日本語の「ボン」は発音が同じで、意味も同じであるという偶然が起こっていることになります。

日本語と外国語の音と意味が一致する例として、日本語の「治具」と英語の「jig」などがあり、探せばもっとあると思います。

ボンという音の言葉がインドと日本でたまたま同じ、「食べ物を載せるための器」を意味する偶然が起こったわけです。

日本のお盆はインドの「盂蘭盆会」(うらぼんえ)から始まった

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日本人が毎年行っているお盆の風習はそもそもインドから始まっています。

「盂蘭盆」が「ご飯をのせた盆」で、それを霊のために供える行事が「盂蘭盆会」(うらぼんえ)です。

「盂蘭盆会」が省略されて、日本では「盆」、「お盆」と呼ばれています。

インドの「盂蘭盆会」の始まりは?

お釈迦様の弟子に目連尊者という人がいました。

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木蓮尊者は神通第一と言われ、亡くなった母親が餓鬼道に堕ちて、喉を枯らし飢えて苦しんでいる姿が見えました。

木蓮尊者は、母親に水や食べ物を差し出したのですが、全て炎となって燃えてしまい、母親の元に届けることができません。

それを知ったお釈迦様が「(陰暦)7月15日に全ての僧侶たちに食べ物を施せば、お前の母親にもその施しの一部が届くだろう」と木蓮尊者に教え、その通りに実行して、木蓮尊者は母親を餓鬼地獄から救い出したという言い伝えがあります。

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このお話が、現在、私たちが行っているお盆行事のルーツのようです。

(陰暦)7月15日に僧侶に飲食を供養するという行事は、木蓮尊者のお話の時点では既に存在していて、後に祖先の霊を供養するという意味が加えられていったのではないかと言われています。

陰暦7月15日は安居(あんご)の明ける日

木蓮尊者のお話のなかで、お釈迦様が指定した(陰暦)7月15日というのは、仏教の僧侶が、雨期に活動が活発になる草木や小動物を殺生しないようにお寺の中で修行をしましょうという「安居」(あんご)の期間が開ける日です。

安居の期間に修行を積んだ僧侶にお布施をすると功徳があるとされていて陰暦の7月15日が新暦の採用によって、現在の8月15日となっています。

日本独自に発展してきたお盆行事

釜蓋朔日(かまぶたついたち)

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この辺りからは日本独自の発展をしてきたお盆の風習と言えるでしょう。

8月1日は地獄の釜の蓋が開く日であり、墓参りをしたり、山や川から自宅に通じる道の草刈りをしたり、先祖の霊が彼岸から家に帰りやすくするため準備をするわけですが、この辺りは日本独自に発展した形ですね。

「地獄の釜の蓋が開く日」と言うあたり、先祖の霊が彼岸から帰ってくるとは言うもの、実は自分の先祖は地獄で苦しんでいるのが前提というところは注目に値しますね。

木蓮尊者の伝説に基づいていることが伺われます。

地域によっては「地獄の釜の開く時期は、池や川、海などへ無暗に近づいたり、入ったりしてはならない」と言い伝えられているのは、生きている人間が地獄に引きずり込まれないようにという意味なのでしょうね。

迎え火

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8月13日夕刻に野火を迎え火(むかえび)と焚き、以後、先祖への供物を備え、先祖が彼岸からこの世に戻ってきて、生前を過ごした家に迎えて、皆で時間を共にし、先祖が再び戻っていく彼岸での冥福を祈る起点です。

送り火

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8月16日の野火を送り火(おくりび)と言い、先祖を彼岸へ送っていく時の習わしです。人は死んだらその霊は山に住むと信じられていることから焚かれている炎です。京都の五山送り火が有名ですね。

また、霊は川や海に住むとの言い伝えもあり、灯籠流しが行われる地域もあります。

日本で最初にお盆を行ったのは推古天皇?

推古天皇4年(606年)4月に、毎年4月8日と7月15日に斎を設けるとの記述があるとのことですが、これがはっきり盂蘭盆会を意味するものかどうかは分かっていないとのことです。

盂蘭盆会とはっきり分かるのは、斉明天皇3年(657年)で、「須弥山の像を飛鳥寺の西につくって盂蘭盆会を設けた」との記述が残されているそうです。その後、聖武天皇などが宮中行事として盂蘭盆会を執り行っています。

まとめ

お盆について調べてみて、改めて日本人は先祖崇拝の民族なのだなと思いました。

特に熱心に仏教を信じていなくても、お墓参りに行ったり、仏壇に手を合わせたりしますよね。

少なくとも人がそうしているのを見て違和感を感じることはないと思います。

わこもんも先祖に思いを馳せて合掌です_(._.)_

そして、日本で独自に発展してきた風習に「御朱印」があります。

「御朱印」はお盆でお寺に出かけた時の証にもなります。

当社「御朱印帳」サイトも見て頂けると嬉しいです。


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