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慢性疾患の食事療法~グルテンフリー編~

食事療法の基本は小麦の摂取を控えることです

慢性的な体調不良を改善させるための食事療法の基本は、小麦の摂取を控えるグルテンフリー食です。なぜかというと小麦に含まれるグルテンというタンパク質は、 食物の消化吸収を担う小腸に慢性的な炎症を起こす代表的な化学物質(食べ物の成分ではありますが、体に悪さをするので私は化学物質のひとつととらえて良いと思います)だからです。小麦の過剰摂取で腸に慢性の炎症が続くと、腸の壁をつくっている細胞と細胞の間に隙間ができてしまいます。これが腸漏れもしくはリーキーガット症候群と呼ばれる状態です。腸に隙間が空いてしまったらどうなるか?さまざまな毒性物質が腸から血液中に容易に侵入することができるようになり、それらが全身をめぐりさまざまな症状を起こすこととなります。これらの症状をグルテンアレルギーグルテン不耐症と呼んだりもします。例えば、めまい、頭痛、耳鳴り、舌の痛み、聴力の低下、動悸、慢性疲労、思考力低下(ブレインフォグ)、腰痛、記憶力低下といったさまざまな症状を引き起こします。もちろん腸に慢性の炎症が起こるわけですから、便秘・下痢・腹部膨満感などといったお腹の調子が悪くなっている方も多いです。

腸漏れを自分で確認する方法

リーキーガット症候群があるかどうかを自分で確認する簡単な方法としては、ヘソの高さ、体の左側より1/2の位置、そこから肋骨までの1/2、その位置を指で押してみてください(下記画像を参照してください)。

矢山利彦先生作成の資料(2019.9.29バイオレゾナンス医学会セミナー)より引用

その場所を押して痛みや違和感があるという方は、リーキーガット症候群を起こしている可能性が高いです。ちなみに今押していただいた場所は空腸です。バイオレゾナンス医学会ではリーキーガット症候群を慢性空腸炎症症候群(Chronic Jejunum Inflammatory Syndrome: CJIS シージス)と呼んでいます。学会理事長の矢山利彦先生が提唱されたもので、リーキーガット症候群のときに炎症を起こしている場所は、実は小腸の一部である空腸であるいうことをバイオレゾナンスメソッドによってつきとめられました。先ほど押していただいた場所をCJISポイントと呼びます。患者さん向けには、腸漏れというわかりやすい言葉でお話しすることが多いです。

腸漏れをバイオレゾナンスメソッドで推定する

腸漏れがあるかどうかをバイオレゾナンスメソッドで見る場合は、ゼロ・サーチでCJISポイントに炎症の波動共鳴があるかどうかをまず確かめます。ゼロ・サーチで腸漏れありと推定された場合、さらにどの物質が炎症を起こしているのかを推定していきます。小麦グルテンによる炎症を疑った場合は、小麦グルテンタンパクを入れた容器を患者さんに持って頂き、それによって炎症が増加するかどうかをみていきます。また、グルテンだけを持っていただいた時に、その患者さんの不調がある場所でも炎症反応の増加がみられるかどうかを確かめることで、グルテンアレルギーによるものかどうか推定します。例えば、 耳鳴り、動悸、腰痛といった症状で受診された患者さんで、お腹の調子も悪いという場合、グルテンの反応を空腸で認めるようであれば、同じように耳、心臓、腰でもその共鳴を認めることが多いです。グルテンアレルギーは体の左側に症状を認めやすいという点です。耳鳴りや聴力の低下も左耳、腰痛も左、舌の痛みも左側だったりしますので、左側の症状が何かしらある場合はグルテンアレルギーの可能性を疑って対策すると良いです。

グルテンアレルギーの治療

グルテンアレルギーの治療原則はグルテンフリーの食事療法です。ただ残念ながら現代の食事でグルテンを100%控えるということは難しいです。ですので、まずはパン、麺類、 揚げ物といった小麦を使った代表的な食品をできるだけ控えることから始めていただきます。症状が強い場合はマヨネーズ、ケチャップ、ドレッシング、醤油といった調味料までグルテンフリーを心がけていただくこともありますが、通常は代表的な小麦食品を控えることで慢性症状が改善していくことが多いです。まずは2週間のグルテンフリーの食生活を続けることで慢性疲労が改善したり、腰痛が改善したり、めまいや動機が改善することをよく経験します。私自身もグルテンフリーの食事療法で5年以上悩んでいた左の腰痛から解放され、体重も8kg減量できましたので、その効果は自信をもってお伝えできます。食事療法には他にも牛乳のカゼインを控えたり、酸化しやすい油の摂取を控えたり、生ものの摂取を控えたりといったこともありますが、まずはグルテンフリーの食生活を行うことから始めていただき、それをきっかけとして病気を治すための食事療法というものに慣れていただきます。また、食事を変えるだけで改善していく症状があるということを体で感じていただくということも大事です。食事療法以外の治療法としては腸の粘膜細胞に直接栄養を与えるアミノ酸の薬やサプリメント、グルテンを解毒するタチオン散剤、腸の炎症を軽減する漢方薬、腸内環境を整える整腸剤のサプリメントといったものを処方することもありますが、あくまでも食事療法ありきの薬物療法ですので薬だけ飲んでいれば治るというわけではないことも、患者さんには十分お伝えするようにしています。体調不良でお悩みの方は、まずグルテンフリーの食事療法からやってみましょう!

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