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ストロング系チューハイが、好きだった君へ

ちょうど1年前くらいに、突然、君が事故で亡くなった。

あれから、なんどもその交差点を通ったし、去年は亡くなった次の日にもこうしてストロング系チューハイを置いた。でも、君のことをうまく書くことができなかった。こうしている今も、きちんと書くことができるかどうかわからない。でも、1年経って、君のことを書いてみようと思ったんだ。うまく書けなかったらごめんなさい。

はじめて会ったのが、君がうちに相談に来たんだったか、何かの飲み会で一緒だったのか。ああ、そうか、はじめて会ったのは2年前の花見だったね。あの時も、君はたいそう酔っぱらってた。おもしろかった。

それから、LINEでちょこちょこ相談が来るようになって、直接、息子さんの進学先について相談に来たんだった。息子さんが、本人が希望する大学に入れて、とっても喜んでたなあ。

会社のお昼休みに1人でチューハイを飲みながらの君が、LINEでよく相談してきたね。できれば、お昼休みにチューハイを飲むのは控えるようにしてほしかったけど、それを伝えることもできなかった。飲み足りないという君を、君の会社の社長に押しつけて、私は帰ったこともあった。

明るくて、まわりを元気にさせるけど、同時に困らせることもあって、よく「私は馬鹿だから」「馬鹿だけど、みんなが仲良くしてほしい」「ケンカしないでほしい」と言ってたけど、いろんな人がいるからねえ、ケンカしたり、仲たがいしたりすることもあるんだよ。あいかわらずだね。申し訳ない。

君と最後に行った飲み屋には、まだ行けてないよ。あの時は、友だちと社長と飲んでたら、近くで遊んでた君の娘さんとその友達も来て、楽しかったですね。きらきら光るだけのサワー頼んでさあ。

去年のそうめん大会を、本当に楽しみにしてくれていたね。しょうがないから、今年もやるよ。そっちにも、唐船峡のめんつゆはあるのかね。

今年の、君がいなくなった日には、あの交差点にたくさんの花が置いてあったよ。自分が死んだ時にも、あんなに供えてもらえるか不安になったよ。でもみんなわかってないよなあ、君は、ストロング系チューハイが一番喜ぶに決まってるのに。そういう問題でもないのかもしれないけど。

やっぱりまだ、うまく書けないみたい。また来年も書くよ。

家族以外にも、君のことを覚えてる人がたくさんいる。それは間違いない。もう君の相談に乗れないかと思うと、それが、悲しい。

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