知らないから不安、知っているからなお不安
「たにかつさんっていろんなことよく知ってますね」って言われるんだけど、ほんとはなにも、ほんとになにも知らないからさ、わりと不安でしょうがない夜もあるんだけど。
不安だからこそ勉強するし、どこまで行っても安心することなんて、ないのかもしれないけど。
知ってることが自信になることもあれば、謙虚だから何からも学ぼうとして。
それでもあなたが心のそばにいるから、なんとかやっていくことができているのかもしれないなあと。
『あなたのすべて 知っているから
わたしは何も こわくはないの
ひとりの道も 混んだ電車も
夜明けの雨も もう大丈夫
まだ開かない 絵本屋でまちぼうけ
頬 撫でてく ラヴェンダーの
街から来た 冷たい風
あなたのことは すべて知ってる
誰かに恋をしていたことも
陽射し傾く 紅茶の時間
あなたの視線 ゆっくり踊る
遠く見えてる 川沿いの遊園地
目を閉じれば カルーゼルの
ワルツが今 聞こえてくる
帰ってきて つばめのように
わたしはずっと ここにいる
本当はなにも 知らないけれど
本当はいつも 寂しいけれど
あなたの声が すぐそこにある
心のなかの すぐそばにいる』
鈴木祥子【あなたを知っているから】
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