一般論でぶん殴れ

歳をとったせいなのか、もともと自分が捻じくれ曲がっているせいなのか、ここんとこ他人のアドバイスがピンとこない。「〇〇をしたほうがいい」って言われても「お前、俺じゃないじゃん」って考えてしまう。

僕はいま専業主夫なんで我が家の経済は妻が担っています。これまでこういうことを考えなかったことが我ながら不思議ではありますが、一般的にお金を稼がないのはどうやら悪のようです。お金がなかったらこの先ひとりになったときに生きていけないから、と。

まぁ、たしかに。

将来、僕が妻に三行半を叩きつけられるか、妻に先立たれるかして路頭に迷って野垂れ死ぬのを心配してくれてのこと、だと好意的に僕はとらえようとしたんですが……なんかこう……野垂れ死ぬことを期待されてる気がしてしょうがないんです。そらみたことか、と言ってやれる日を待ってるみたいな。

僕はお金を否定しません。お金がないと生きていけないのは事実ですから。お金を稼ぐことは立派なことです。

ただ、その……僕だって毎日ぼんやり生きてるわけでもないんでね。家事はちゃんとやってるんだけどなぁ。

——というのは、言い訳でしょうか。

とはいえ、後ろめたさは感じてたんですね。一般論でぶん殴られたらめちゃくちゃ痛かったです。ちゃんとしなきゃって思いました。

あれ、『ちゃんと』ってなんだろう？

あ、お金を稼ぐことか。

—————————そうなのか？