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全身全霊で鳥羽の海!

皆さん、ご無沙汰です。TANIです。自然環境リテラシー学実習 海コース第2回 2022年7月16日-17日で鳥羽に行ってきましたのでその話をしたいと思います。

はじめに

まずは今回の実習の1日目が「みえアウトドアヤングサポーター育成事業」の一環になっていることをお知らせしておきます。みえアウトドアヤングサポーター(以下ヤンサポ)について簡潔に言うと、アウトドア活動を通じて農山漁村地域を盛り上げる若者のことです。これも自然環境リテラシー学と同じで山・川・海に分かれています。活動した地域の魅力を発信して1人でも多くの読者の皆さんに行って貰うことが協力していただいた地域の皆さんへの最大の恩返しになると考えて頑張っていきたいと思いますので今回もよろしくお願いします。

鳥羽1日目〜今にも雷が落ちてきそうな空の下で〜

鳥羽回は天気予報を確認している時点で不安でした。週半ばの時点で2日とも風が強い予報でしたし、発達した雨雲がかかり雷が懸念されました。この時点ではほとんどカヤックに乗れないことや延期も覚悟しましたが前日朝の予報が持ち直すと開始時間を40分程早めるとの連絡が。朝現地集合で40分早くなるのはキツいっす…荷造りを前日の夜に終え、睡眠時間も4時間ほどで電車に飛び乗り鳥羽駅へ。酔い止めを飲んでいたにも関わらず道中電車で酔いかけるかなり不穏なスタート…

拠点となる三重大学の水産実験所に集まって荷物を置いて服装や持ち物の準備をしていると早速雨が、ブリーフィング中にはだいぶ遠かったですが雷が鳴り出しました。本当に海に出るのか…?

「岸の近くを騙し騙し行ってみましょう」

声の主は今回から参加している頼れる味方、「アルガフォレスト」代表の柴田丈広さん。
かつて世界の海をカヤックで冒険されていた人で現在は伊勢志摩を拠点にカヤックガイドなどをされている方で先生曰く、「日本にシーカヤックを広めた男」です。

詳しくはコチラ

さて、ヤンサポと柴田さんの紹介もそこそこに今回も漕げるうちに漕ぐをモットーに慌ただしくカヤックに乗り込みます。
しかし、ここで問題が、TANIは前回、最後タンデムに乗りました。前回乗ったカヤックに乗るということで乗る船がなかったのです(泣)
ここで学生スタッフの方からタンデムに乗らないかと打診、寝不足気味で電車ですら酔いそうだったわけですし、酔ったら困るので乗りたいというのはあったので前回酔った人が乗らないことを確認してから承諾、1日目はタンデムの旅になりました。

水産実験所から少し行ったところにある広畑の浜を出てホテルの立ち並ぶ鳥羽湾の海岸線沿いを漕いでいきます。海岸線を沿うように漕ぐのには理由があって、雷が鳴った時にすぐに岸に上がって避難できるようにするためです。先程の柴田さんの岸の近くを騙し騙しと言う言葉にはそんな意味があったわけですねぇ。

柴田さん曰く「アーバン」

前回も漕ぎましたがタンデムは基本的に後ろに乗る人が方向をコントロールするので前は難しいことを考えずにガムシャラに漕いでいればいいのです。やはり1人乗りと比べて余裕がありますね。ただ、スタッフ側の船なので持ち場があります。隊列の沖側の前の方から中団の辺りで受講生の船が沖に出てこないように目を光らせる役割だったので同乗のリーダーさんの指示をちゃんと聞きながら漕ぎました。すると、天候が持ち直したのもあり少し沖に出ることになりました。三ツ島を島伝いに進み、岸から数えて2つ目と3つ目の島の間の狭い水路を抜けます。水路を目指して漕いでいると、ここで仏像を発見。漕いでいるときは得体の知れない仏像でただ手を合わせるだけでしたが、後から調べてみると「一葉観音」という観音様で航海の安全や水難防止の意味があるそうです。改めて合掌。

一葉観音、鳥羽市観光協会のブログに取り上げられています。参考文献です。

三ツ島を抜けると後は広畑の浜へ一直線、天候が危ぶまれましたが雷も鳴ることなく無事帰還、

と、思うなよ!

河芸の撃沈王、鳥羽で立つ!

ここで天候が持ち直したこともあり、セルフレスキューの練習会が開催されます。前回の河芸ではグループレスキューで失敗し、流されるなどして長時間水中にいたせいで体力切れで練習すら出来ませんでした。リベンジの意味もあって参加。

→前回の沈みっぷりはコチラ!

セルフレスキューのやり方を紹介します。スプレースカートを外すところから船尾側の側面から腹這いで乗り上げところまではグループレスキューと同じなので割愛します。グループと異なるのは乗り上げてからでグループでは足を船首側に向けて後ろ向きに進んで足を先にコックピットに入れたのに対してセルフでは頭をバウ(船首)側に向けて前進して尻をコックピットに入れてから足を入れます。

簡単そうに言ってるけど結構難しいぞこれ、コックピットの水が多すぎるとバランスを崩すし、前進もコツを掴むまで一苦労。言語化が難しいですが下半身主導というか足で進む感じです。そして今回使った船特有の難関で背もたれに付いているつまみにスプレースカートが引っかかって進めなくなるというのが何回もありました。乗り換えの船探しで出遅れたこともあり気がつけば最後の1人に、既に3回か4回くらい失敗していて時間の関係もあってラストチャンスでしたが…

決めました
ラストチャンスで
決めました

語彙力不在

短歌が身内で好評だったので今回も一句詠みました。本当に嬉しい。このために今回来たと言っても過言ではないです(言い過ぎ)。

上陸した人が先に実験所に戻ってしまい、人もまばらな浜に向けてガッツポーズ。ホント有頂天になってます。

しかしどれだけはしゃいでも団体行動。1人で勝手に悦に入って集団に遅滞をもたらす訳にはいきません。浜に上がって船を片付けて水産実験所の拠点に引き上げます。

昼食にパスタを茹で、数少ないシャワーを使わせていただき、服に着替えるとロープワーク講習、全部で8つあるらしいのですが雨が強まって雷が鳴ってきたこともあり結局3つしか教わることが出来ませんでした。あとは受講生同士で教え合えとのことでしたが後のスケジュールもてんこ盛りすぎてとてもそんなは暇ありませんでした。改めて8つ揃ってから紹介したいと思います。

夕方からは柴田さんから鳥羽の海の特徴について、そして柴田さん自身の冒険譚について話を聞く機会がありました。まずは鳥羽の海から。

皆さんは鳥羽が三重県ひいては伊勢志摩地域のどの辺りにあるか分かりますか?まぁ僕もぶっちゃけ今回来るまでよく分かってなかったですけどね。鳥羽は志摩半島の北東端に位置していて名古屋・津目線で言うと、伊勢神宮より向こう、志摩や賢島より手前といったところでしょうか。

海を特徴づける要素で言うと伊勢湾内に丁度入った辺りで菅島や答志島などが連なる島のラインが外海のうねりを防いでくれるので、外海と比べて穏やかな海なのが特徴だそうです。

一方で潮流はフクザツで基本的には満ち潮のときは外海から伊勢湾側に、引き潮のときは伊勢湾から外海側に流れるのですが、島や湾が入り組んでいるため反流が発生しやすいという特徴があります。実際に今日も三ツ島付近では反流が発生して一般的な潮の流れとは逆方向に流される感じがありました。

柴田さんの話に聞き入る参加者一同

難しい話はこれぐらいにして1分間スピーチに移りたいと思います。

え?柴田さんの冒険譚?ヤンサポは鳥羽の海や県内を拠点とするアルガフォレスト、柴田さんに会ってみたいと思わせるのが任務みたいなものですし、柴田さんの商売道具の1つだとも思ってるんであまり多くは言いたくはありませんが…グリーンランドでアザラシの骨や皮で手作りしたカヤックにライフルを積み込みアザラシを撃っている人と一緒に海に出た話が1番印象に残っています。1発で頭を撃ち抜いて仕留めないと逃げられてしまうというのもすごいリアリティというか本当にそんな人がいるんだと実感させられる話でした。

さて、気を取り直して1分間スピーチ。前回雨のせいか雰囲気が暗かったのでセルフレスキューが最後の最後で上手くいったことをダシに拍手を要求して場を盛り上げるプランでしたが…他のメンバーが次々セルフレスキュー上手くいきましたって平然と宣うんです(涙)

お前ら、もっと誇れ。そんなんだから暗くなるんだぞ😭

別にスピーチが受けるか受けないかで成績が変わってくるわけではないと思う(多分)なので気を取り直して夕食。

鳥羽磯辺漁協の方からから魚を購入させていただきました。朗報です。魚、食べられるらしいです。

やったぜ😎

しかもカツオ、マダイ、コショウダイ、ホウボウ、セイゴ(スズキ)、ハマチ(ブリ)、サワラという豪華ラインナップ

心得のある先生や学生スタッフの方に捌いていただき実食。調味料や調理器具は初心者が荷物を増やしすぎてもと思っていたところがあるので特に持ってきてはいませんでした。ハマチは刺身で食べて他は持ち合わせた鍋でさっと茹でてカップ味噌汁に投入する簡易しゃぶしゃぶ形式。

本当に美味いものに余計なものはいらない(至言)

しかし何よりすごかったのは魚トーク。釣りは少し嗜んでいましたので少し自信がありましたがコアすぎてついていけません。さすがは海洋生物資源学科、僕はカタギ側だったみたいです。

「エキスパート」な人々

〆は煮汁でご飯を炊いたら美味いだろうなと思いましたが、メスティンの米の量の目盛りを水の目盛りと誤認して底の方が焦げました😭自動車学校なら補助ブレーキを踏まれて大目玉です。次の尾鷲に向けて練習します。

夜も更けてきたのでログブックを書いてテントを張って中に入った途端両足がつったのでそのまま倒れるように就寝。狭くて変な体勢になって変な力が足にかかったのが原因だから心よりも身体が閉所恐怖症。

2日目〜あたしスナメリーさん、今あなたの目の前にいるの〜

2日目の朝が来た。例のごとく夜明けとともに起床。ただこのまま動き出すと明らかに寝不足なので横になりログブックの事前記入できる部分を書きながら過ごす。それも終わったら目覚ましをかけた時間までは2度寝OKのスタンスでテント内で片付けやれることだけやる。

時間が来たので着替えて朝食を食べてブリーフィング、今日は昨日とは逆方向でイルカ島を回って池の浦へ向かうそうです。行きは潮流に逆らう方向でかなり強い流れのところも通る予定みたいで戦々恐々。

タンデムを代わってもらってようにリクエストしたらリクエストが通って1人乗りの船で出艇。船通りの多いところは3組に分かれて通り抜けるなどしてイルカ島を目指します。しかし早くも潮の流れが牙を剥く!流されてコースが膨らむ船が続出。柴田さんから潮の流れも岸近くの方がゆっくりだからとアドバイスをもらい今日も岸近くを進むことに。

海を進んでいくと気になることが、魚の死骸がいっぱい浮いているのです。しかもフグにタチウオにコチに…一度釣ってみたい魚ばかり。話を聞くところによると数日前に赤潮が発生していたとか、赤潮に雨→晴れだったり前回そっくりだ…

暑かったので途中で水中に手を入れてみると水で手が押される感覚が、こんな感覚はじめてです。これが鳥羽の潮流。恐るべし!

そうしているうちに水上で休憩、自然と水かけ合戦が始まります。やはりビルジポンプ(船内に入った水を汲み出すためのポンプ)を持っている学生スタッフさんが優勢、僕も先輩に近づいて一矢報いましたがビルジポンプでずぶ濡れにされました。でも半分は狙い通り、涼しくなったぜ😎

そうこうしているうちに池の浦に到着。沖を見渡せばなんと、なんと

スナメリがいるみたいです。

柴田さんに言われるまま海を眺めてみると確かにグレーとも茶色とも言えない身体を一瞬だけ水面から出すスナメリの姿が。乗船実習の時は遠くから水面がチャプチャプしてるのを見ただけでしたからスナメリの身体を拝めたのは個人的にかなり嬉しい出来事でした。

もう少し近づいてみるとのことで再び漕ぎ出したのですが、迫る体力の限界、ここまで5キロほど潮に逆らいながら漕いできたと考えるとなかなかのものだと思います。

しかし大船団に恐れをなしたのかスナメリがいなくなってしまい敢えなく砂浜に上陸へ、ここで疲労困憊のTANIに奇跡が起こります。

野球で投げ込みや水泳で泳ぎ込みをする理由として疲れた状態になると、身体が最適化する方に動いて理想的なフォームになるというのを聞いたことがあります。それがこの時のTANIに起こりました。何を言っているんだと思う人もいるかもしれませんが池の浦沖から砂浜上陸までのTANIは1番いいフォームで漕げていたと思います。その証拠に今まで経験したことのないスピードが出ました。

その後は砂浜で昼食を食べたわけですが…暑い!暑すぎる!

「アチアチ」の浜

配給された2Lペットボトルの水はお湯になってるし、ずっといるには暑すぎる炎天下の砂浜です。耐えきれずに泳ぎました。河芸の頃と違って夏の炎天下だったので気持ちの良い涼しさでした。

そうこうして泳いでいると声をかけられました。どうやら前回「海の声」を取り上げたことを受けて砂浜で「海の声」を歌ってほしい(歌え)とのことでした。

砂浜にさぞかし素晴らしい美声が響き…渡りませんでした。歌詞が途中から分からない。意外とソラで歌える曲ってないものですね。歌も今度海コースで集まる時までに要練習。

帰りは理想のフォームを手に入れたことや潮の流れと同じ向きに進むこともあって行きより幾分か楽でした。

しかしここで震え上がるような出来事が。隣にいた船が沈。しかもハッチの閉めが甘く水が入ってしまっている状況。改めて沈しないことと毎回の点検の大切さを思い知りました。

理想のフォームを手に入れたとはいえ、最後はバテましたね。リーダーやコーディネーターの先輩に励ましてもらいながら気合いで漕ぎ切りました。全力、限界出し切ったからこそ得たものも大きかった2日目の鳥羽だったと思います。

その後は…あんまり語ることがないです。なぜかと言いますと帰りの電車が決まっていたこともあって、それに向けてバタバタと片付けをして蜘蛛の子を散らすように撤収して鳥羽駅へ輸送されていったからです。まぁここら辺はスタートが40分早くなった分、帰りは時間通り返してあげようという親心だったと思ってありがたく受け取っています。その後、土砂降りに遭いながら片付けをされていたとのことなのでスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。🙇

まとめ

さて、今回もいろいろなことを体験を通して学んできたわけですが、特に印象的だった学びとしてセルフレスキューと潮流、フォームを挙げたいと思います。セルフは達成感がすごかったですし、潮流は体感を通した学びを実践できたと感じていますし、フォームは新しいことを得るために今持てる全力を出すことの大切さを改めて感じることができました。これらを全て経験できるのは自然環境リテラシー学の授業だけだと思いますし前回から成長した部分、成長があったからこそ見えて来たことなど「"2回目の" "鳥羽"」だからこそと言う部分が多く、かけがえのない2日間だった思います。

心残りがあるとすれば地域の方々に感謝を伝え損ねてしまったことです。広畑の浜の清掃美味しい魚の提供など、実習がより良いものになるために様々なことをしてくださいました。インターネットの記事上という形になってしまいますが本当にありがとうございました。

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