How Might We問題が示唆するより深淵な問題
皆さん。デザイン思考でイノベーティブなサービスをがんがん作り出していますか?株式会社NTTデータのデザイナー集団「Tangity」で、サービスデザイナーをやっているGoroです。
Tangityではデザイン思考に関する研修を提供しています。数多く研修をやっていて思うのは
「How Might Weを決めるのが一番難しい」
研修受講者が苦労するだけでなく、説明する我々も「どこか腑に落ちない」といった感じを持ちます。
サービスデザイナーを名乗っている者がこの状況をただ「うん。慣れるしかないね」で済ませてよいものでしょうか?そんなはずはない。というわけで今回はこの「How Might We問題」(今命名しました)について考えます。
Top画像引用元:Millennials Jam Workshop
そもそもHow might weとは?
「デザイン思考」を説明する際によく用いられるのがこのダブルダイアモンドという図です。
まず「正しい問題」を見つけるために現状を調査します。問題はその次の「正しい問題を見つける」というフェーズ。ここでHow Might Weを定義します。
さて問題です。How Might Weとはなんでしょう?改めて自分に問い直し、ちゃんとした定義を知らないことに気がつきました。これはまずい。というわけでGoogle先生にお伺いを立てる。すると例えばこんな言葉が見つかります。
なるほど。では「解くべき問題」とは一体なんなのか?これでは言葉が変わっただけで何も言ったことになりません。他の言葉を引用しましょう。
この定義はもう少し具体的です。すなわちHow Might Weとはその後のアイディア出しの方向性と範囲を定めるためのものです。その最初のステップとしてPoint of viewを定める必要がある。
Point of Viewを決める、とは現状調査の結果から「この問題に取り組むべきだ」と決めること。つまりここで問題を絞り込むことになります。ほとんどの受講者はここで混乱する。確かにいろいろなペインはあるけれど、どれに取り組めばいいんだ?そもそも表面に出ているペインだけが取り組むべき対象なんだろうか?と。
仮にその壁を乗り越えたとしましょう。次に行うことは「解決策の方向性、範囲を決める」こと。この二つが組み合わさったものがHow Might We。
つまりHow Might We とは2段階の検討ステップであり
Step 1. Point of View(着眼点)を決める
Step 2. 解決策検討のフレームを決める
であることを認識する必要がある。ほとんどのデザイン思考の説明ではこのステップを述べずにいきなり「これが良い例、これがダメな例」とやってしまうので混乱してしまうのではないか。
よろしい。では今後はHow Might Weは2ステップということを明確に説明することにしよう。それで問題解決、とはなりません。次にはこの問題が控えている。
How Might Weの"適切な広さ"とは
How Might Weに関しては「広すぎてもいけない。狭すぎてもいけない」と言うことがよく言われます。
ここでさまざまな例を出して説明するわけですが、研修受講者のほとんどはここで「?」といった表情をします。いや、広すぎる狭すぎるってどうしてわかるわけ?
実はここに「デザイン思考」で滅多に語られることのない深淵な問題が潜んでいることに最近気がつきました。次回はその「深淵な問題」について書きます。
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