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サービスデザイナーのキャリアとして必要だと考える4つのエンハンス"4A"と今求められているもう1つのエンハンス

こんにちは!株式会社NTTデータのデザイナー集団「Tangity」で、デザイナーをやっています石澤です。

Tangity Tokyoに所属するサービスデザイナーは、心掛けていることがあります。

「日々、世の中のことにアンテナを立て、そこから得た情報について背景と事実を解釈し、自分なりの考えをアウトプットする」

このポイントは、「事実と思ったことは本当なのかという検証」と「自分なりに仮説を立てアウトプットすること」です。

これはデザイナーに限らず全てのビジネスパーソンに必要な心構えですが、意識せずにできるようになるには、業務での経験の蓄積が大切であると考えています。

今回は、「この心構えと経験をベースに、サービスデザイナーのキャリアとして必要だと考える4つのエンハンス"4A"と今求められているもう1つのエンハンス」についてご紹介します!

1.4Aとは何か?

4Aとは、Assemble、Analogy、Asking、Associationです。つまり、「情報を集めるセンス」「アナロジー思考(仮説的推論)」「問う力」「関連づける力」です。私個人の見解も含まれていますが、サービスデザイナーが強化すべきスキルであると考えています。

「4A」とは何かについて、具体的に説明していきます。

まず、「Assemble(情報を集めるセンス)」「Asking(問う力)」です。日常で目にした文章や映像を伴う情報に触れた内容を鵜呑みにせず仮説を立て、多角的な事実確認をすることを意味します。インターネットというインフラが当たり前で簡単に情報が手に入る世の中だからこそ必要なスキルです。

1つ効果的で手間暇のかからないやり方をご紹介します。

情報を集める=読書とイメージする方も多いかもしれません。もちろんインプットとしての手段としては正しいやり方の1つです。

しかしもっとシンプルなやり方があります。それは「観察」です。

何気ない日常の中で、「自分自身が見て、聞いて、感じたこと」を意識することです。しかしただ眺めるだけではなく、意味のあるインプットに変えるには、問題意識(問うこと)が必要です。

例えば、街中を歩いているときにちょっとした段差や踏切など健康体であれば何も気にせず歩いていると思います。昔、私は足を怪我して松葉杖を使ったことがあります。松葉杖を使い慣れてないというのもありますが歩くためにいつもは気にならないちょっとした段差があることに困ったり、踏切を渡り切る時間が足りないと感じました。

これは「足を怪我している」という当事者になったことで問題を意識できたのです。このように普段の日常の中で意識していないことでも目にしたことから「もしかしたら〜ではないか」と問うことを意識してみると有益な情報を得られる「観察」になるはずです。

次に「Analogy(アナロジー思考・仮説的推論)」「Association(関連づける力)」です。これは、伝えたいこと、文字にした情報を構造的に組み立て、関係する要素を見つけ、つなげるという意味です。これを「思考の構造的可視化」と私は呼んでいます。たとえば、ワークショップ中に行うアイディエーションの際に効果があります。さらに可視化では、人は視覚と聴覚から多くを認知するという「メラビアンの法則*」を活用します。そして認知した内容にストーリー性があると最も理解が深まり、共感を呼ぶと言われています

*アメリカの心理学者であるアルバート・メラビアンによって提唱され、人同士がコミュニケーションを行う際に「言語情報7%」「聴覚情報38%」「視覚情報55%」という7-38-55の割合で認知することを示した心理学上の法則です。

2.4Aを身につけるには?

この4Aを身につけるエクササイズテンプレートをご紹介します。

思考の構造的可視化

このシートは脳内の思考を構造的な枠組みに可視化し、左から右という流れで思考をストーリー化するものです。習慣化することで思考の構造化の質が上がっていきます。

3.未来をスペキュレート(思索)する力

最後にタイトルにある「4A+1」の「+1」についてご紹介します。

サービスデザイナーには未来のスペキュレートが求められ始めていますが、この背景にはビジネスでは外部環境の複雑性が増していることから未来予測から「未来洞察」への転換が進みだしていることがあると考えています。

「バックキャスティングアプローチ」と言われることもあります。

バックキャスティングアプローチとは、「どのような未来を目指すべきなのか」を起点に想定する3つの未来像の方向性をデザインすることです。

・こうなったらいいなという未来
・こんな未来になるかもしれない
・こんな未来になるはず

この3つに共通することは「ゼロベースでの新技術や社会制度の姿や応用、想定外の発展」です。

そして、そのような未来で起こっているだろう社会問題や課題、ユーザーニーズを見つけにいくわけです。

新しい技術やそれを採用したサービスやプロダクトがどんな課題を解決し、同時にどんな新しい課題やニーズを生むことになるのか、それをスペキュレート(思索)し洞察を導くことがこれからのサービスデザイナーに求められいくだろうと考えています。

以上のように、サービスデザイナーとしての心構えと4Aに努めることに加え、「未来洞察」のエンハンスも適応していくことでクライアントの期待を超えるバリューを提供していけると信じて取り組んでいます。

最後まで読んでくださりありがとうございます。皆さんの参考になり、Tangity Tokyoの取り組みに興味を持っていただけたら嬉しいです。


本記事は、Biz/Zineに掲載しました「NTTデータのデザイナー集団Tangityが考える、サービスデザイナーに必要な4つのエンハンスとは?第3回(最終回)」の一部の内容に一部加筆、修正の上再構成したものです。


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