本にはあまり書いていないファシリテーターのテクニックを4つまとめてみた
こんにちは。NTTデータのデザイナー集団「Tangity」でサービスデザイナーをしているkinoです。5年間エンジニアをしたのちキャリアチェンジしました。
まだまだ未熟なので、先輩方から色々なことを教えていただく日々です。この前は実際のワークショップの現場で、ファシリテーターのテクニックを教えてもらいました。
その内容があまり本には書いていない感じで生々しくて、かつ、すぐにでも実践可能なテクニックだったので、これからファシリのスキルを身につけようとしている方のためになるのではないかと思い、この場を借りてご紹介します。
1.椅子へのもたれかかり具合を注視する
メインファシリのテクニックです。参加者がどれだけ意欲をもってワークに取り組んでいるかを、椅子へのもたれかかり具合から推測します。
まず、ワーク開始時に参加者のもたれかかり具合を把握します。ワークが進むにつれて体が前のめりになってきたら意欲をもって取り組んでいる証拠。特に変化がなくてもそれはそれでOK。
一方で、開始時より深くもたれかかっているようなら、なんらかの原因でやる気が削がれている可能性があります。その場合はファシリがその要因を取り除いたり、ワークにもっと参加して欲しい旨を伝えたりできる、という感じです。
参加者が多いと大変ですが、ざっと全員を見渡すだけでも、ある程度は分かるはず。もしもファシリが「メイン」「サブ」と複数人いる場合は、分担するのも手です。
あと、「腕組み」も似た感じのバロメーターとして使えます。椅子に深くもたれかかっているのと同様に、腕組みしている参加者にはケアが必要かもしれません。
2.ピエロになって質問してみる
テーブルファシリ(サブファシリ)のテクニックです。参加者が説明内容を理解しきれていないと感じたときに、サブファシリがみんなの前でメインファシリに「あえて」質問し、補足を促します。
たとえば、メインファシリが「このワークは▲▲で~~」と説明したとします。
メインファシリって、みんなの前で話す立場なので、どんなベテランでも、緊張してちょっと早口になったり、いつもよりも説明っぷりが分かりづらくなるとき、ありますよね。
そういうときに、サブファシリが(本当は知っているのに)「▲▲ってなんでしたっけ?」とわざとピエロになって質問してみます。
要するに、参加者が感じたであろう「分かりづらい」という想いを、無知を装って代弁する役まわりになる、という感じです。
もちろんメインファシリの説明を「分かりづらい」と指摘して、自らが補足することもできます。しかしそれよりも、サブファシリがピエロになった方が場の雰囲気を保ったまま目的を果たすことができるはずです。
3.空調や照明のホットスポットを事前に把握しておく
メインファシリもサブファシリも、どちらも使えるテクニックです。内容はタイトルそのまま。
この場所だけ空調が集中して当たるから寒い、この場所は照明の真下だから手元が眩しい、とかありますよね。
これらは参加者の意欲を阻害する要因なので、ワーク前に部屋の下見をして、そういうホットスポットが無いか探しておきます。
もしそういう場所があったら、参加者の座席はできるだけ配置しないようにする、というテクニックです。
もちろん、どうしても座席の設置が避けられない場合もあります。けれど、事前にこういった事情を把握していれば「寒くないですか?」「眩しくないですか?」とケアすることは可能です。ケアしてあげること自体が大事だったりします。
4.座ると立つを使い分ける
テーブルファシリ(サブファシリ)のテクニックです。参加者の様子を観察して、今この場にどういう働きかけが必要なのかを考えながら、座ると立つを意識的に使い分けます。
参加者のひとりが率先して場をリードしようとしているなら、ファシリは座って影を潜めれば「介入しないこと」を参加者に意識づけられます。
逆に、場が停滞しているなら、まず立ちます。立つと、参加者はファシリを「この場をリードしようとする人」として意識してくれます。そのうえで議論を促すような問いかけをすると、座って声がけするよりも、参加者はファシリの声に耳を傾けてくれます。
最後に
以上、ファシリのテクニックでした。教えてくれた先輩も言ってましたが、小手先といえば小手先のテクニックです。
けれど、こういう小手先のテクニックこそ、現場からしか学べない生のノウハウであって、こういうノウハウを積み重ねていくことが、いわゆる「プロフェッショナル」への道のりなんじゃないかな、と思ったりします。
そんな「プロフェッショナル」への道のりはまだまだ長いですが、こういった小さなノウハウを1つ1つ大事にして、一緒にスキルアップしていければと思います!
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