アイディエーションWSで最近おもったこと
こんにちは。NTTデータのデザイナー集団「Tangity」のYokoです。
今回は、最近実施したアイディエーションWSを通して思ったことをつらつら書きたいと思います。
サービスデザインの案件で、アイディエーションWSをやることはよくありますが、参加メンバからいいアイディアを引き出すことはなかなか難しいなと感じています。
アイディエーションWSを成功させるための要素は色々あると思いますが、パっと思いつくものをあげてみます。
参加するメンバ:アイディエーションテーマに応じて適切なメンバ・人数で構成する。
実施する環境:アイディア発想しやすい環境(場所、オンラインorオフライン、利用するツールなどなど)で実施する。
課題設定:発想する方向性を定めるための絶妙な粒度の「問い」の設定や、課題のシチュエーションが具体的にイメージできるようにシーンを描く。
インプット情報:アイディア発想のインスピレーションとなる情報を参加メンバにインプットする。
どれも重要だと思いますが、今回は一番最後の「インプット情報」に着目して、直近のプロジェクトでどんな情報をインプットしてワークショップを行ったか、その結果どうだったかを率直に書きたいと思います。
■1つ目の事例:未来感&ワクワク感のある体験設計
1つ目の事例は、最新の技術を使って未来感のあるワクワク体験を考えるというアイディエーションWSになります。「みなさん、わくわくする体験を考えて下さい!」では、シーン…となってしまうでしょう….
そこで、話題のSF映画や近未来を描いたTVアニメから、発想のインスピレーションを得るためのインプットを用意することにしました。
重要なのは、SF映画や近未来のTVアニメのワクワクするシーンを観て、「何でワクワクしたのか!?何にワクワクを感じたのか!? 」これを捉えることがポイントだと思ってます。
SF映画で有名な「インターステラー」を例に取り上げてみます。
この映画を観たことがない方は、ピンとこないかもしれませんが、終盤のシーンにおいて、時空を超えて父親が子供にメッセージを送り、子供がその父からのメッセージを感じとることで、宇宙に行って何年も帰ってこない父親が生きていることを感じとる瞬間があります。
そのシーンは、めちゃくちゃゾクっとします。(ワクワクではなくゾクゾク感の話になってますが…)
このゾクゾク感を言葉で表現すると「時空を超えて、大切な人が無事でいることを直観(テレパシー)のようなもので感じとる」になります。
こんな感じで、心揺さぶられる瞬間(シーン)を深堀り、言葉で表現し、「そのエッセンス(わくわくポイント)を違った形で体験に組み込めないか?」といった発想でアイディエーションのヒントとなるインプット情報を収集しました。
参加メンバからは、「とても面白いワークショップだった!」と講評でした。一方で、インプット情報をもとに発想を飛ばしてアイディア出しができている方もいましたが、苦戦している方もいたように思います。
やはり、アイディエーションは多少普段からの訓練も必要なのかなと感じました。
■2つ目の事例:日常で使い続けてもらうための仕掛け
2つ目の事例として、スマホアプリのサービス検討を行う案件において、飽きずに日常で使い続けてもらうための仕掛けを考える必要がありました。
そこで、巷で流行っているゲームやアプリに対して、人がそれにハマってしまう深層心理を分析し、リサーチレポートとしてまとめたものをインプットにしました。(リサーチしてみると、多くの人がハマり込んで使い続けているゲームやアプリには何かしら、人の深層心理を上手くついた仕掛けがあるんだなと改めて実感)
例えば、根強い人気の「たまごっち」を取り上げてみます。
見た目はみんなと同じキャラクターが育つけれど、自身が育てて成長させることで、どんどん愛着が湧いて手離せなくなってしまいます。
これは、「イケア効果」と呼ばれる心理を上手くついています。(イケア効果:消費者は部分的にでも自分で作ったものに本来以上の価値を与えてしまう認知バイアス)
このように、ゲームやアプリに人がハマってしまう深層心理をリサーチし、「全く同じでなくても、違った形で深層心理をついた仕掛けを考えることはできないか?」といった発想でアイディエーションのヒントをインプットしました。
こちらについても、参加メンバからは「なるほど、そうやってアイディア発想するのか」といった講評をいただきましたし、インプットをもとにアイディア発想することもできていたかと思います。
2つの事例を通して思ったこととしては、アイディア発想のための「インプット情報」は、ワークショップに参加いただくメンバが「面白そう!楽しそう!」っといった考えるモチベーションを与えるためにも重要だと感じました。
出てくるアイディアの質としては、インプット情報も重要ですが、普段からの訓練も多少必要だなと感じるところがあり、ある程度アイディアを出しておいて、アイディアに乗っかってもらうところからスタートするなど、工夫も必要だと思いました。
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