第17節 VS岡山 ~得点力不足解消へ見えた光と課題~

今日のまとめは少し抽象的な話になると思います。ご了承ください。

この試合は阪野・南・小林の3人で攻撃を引っ張ることができ、結果2得点を取ることが出来ました。3バックに陣形を変えてから2得点できたのは(相手が退場し自分たちが4バックになった前節の金沢戦を除けば)愛媛戦以来。今季2試合目です。その立役者は前述した3人でした。

南・小林の特徴としては、サイドに張ることより中央でボールを持ちたいタイプです。この試合も中央寄りにポジションを取ってプレーすることでボランチからの配給をうまく引き出したりトップの阪野をうまく使って攻撃を組み立てられたりとチームの潤滑油として機能していました。

1点目のシーンを振り返ります。

熊本は下りてきた南に縦パスを出しました(ハイライト2:46のシーン)この時南に食いついてきたのは喜山でしたが、南はすぐに反転し阪野にボールを当て再度リターンをもらいます(ハイライト2:49のシーン)

この後裏に走り出したのは小林。相対するは増田。しかし増田は①喜山が食いついて空けてしまったスペースと②自分の背後のスペースの二つをケアしなくてはならなかったことからかなり気を使ってディフェンスをせざるを得ない展開となりました。結果、南が送った浮き球のパスがバウンドした際に少し伸びたことから増田は処理しきれずボールを後ろにそらしてしまい、フリーになった小林に自由を与え結果PKとなりました。

このシーンから言えることは、中央寄りでプレーすることにより相手のCB3枚と1対1の状況を作り出しそのうえで速いパス回しで相手を翻弄したことでチャンスシーンを作り出すことが出来たということ。非常に素晴らしいコンビネーションでした。


しかし、この優位性は交代により失われてしまいます。(ただし、コンディションも踏まえた上での交代だったので致し方ない部分もあると理解していますが)


シャドー二人が交代で瀬沼と汰木になってからです。この二人の特徴はサイドに張って攻撃を仕掛けることが得意なところ。つまり、先発した南・小林とは主戦場が異なる二人です。

二人のポジションはサイドに寄る傾向にあったため、岡山はウイングが守備の対応にあたっていました。そのためサイドに追いやられてしまうことからサイド奥のスペースがなくなり、山形のウイングも上がりにくく攻撃に厚みを持たせにくい状況になってしまいました。さらに、中央の中山も孤立が目立ちシュートを打てる展開になりません。

その中で岡山の攻撃はバックラインからのロングボールでチャンスを作る戦術にシフト。山形の守備を押し込みます。

その中でも山形は粘り強く守り、セカンドボールを拾って攻撃を仕掛けます。しかし上記に挙げた理由により攻撃に奥行や連動性が失われた中ではチャンスを作るのはなかなか容易ではなく、結果2-2のままタイムアップとなりました。


交代カードを切るまでは非常に良い攻撃が出来ており、この攻撃を続けていけばこのシステムでも得点力が上がっていくのではないかと期待感が高まりました。その一方で人が変わったことで機能しなくなってしまった現状を見ればまだ「チームの戦術ではなく選手ありきの攻撃」だということを感じてしまう部分もあります。


「攻撃力の向上」という答えがなかなか見つからない中で少し見えてきた解答例。これをチーム戦術として浸透させられるかが今後の山形の成績の鍵を握るかもしれません。

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